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25.五芒星会議①

 波の討伐が終わると冒険者達は砦の広間に集まった。

 何かを期待した目で水晶を見る者や冷めた目で水晶を見る者。


 冒険者達に見つめられる中、

 広間の水晶はまとわりついた赤いカラが砕けるように透明な水晶が現れた。

 普段より強く光り輝く水晶には、琴音が映っていた。


 その映像を見て広間にはどよめきが起こった。


「あれ誰だ?」

「座学ちゃんじゃあない?」


 ある意味別な意味で有名だった琴音に皆が驚いていた。

 誰がどうやってなんの為におこなっているかは分からないが、

 波が終わると水晶が一番貢献した人物にギフトを贈るのだ。


 水晶が一段と輝くと、水晶の下に金色の杯が置かれていた。

 意外な人物が今回の一番の貢献者に選ばれて周りの騒ぎは収まるどころか、

 いっそう騒がしくなっていく。


「今回のMVPは、蒼パーティの琴音ちゃんだ。

 ギフトは我々が責任を持って渡しておく。

 まだ新人だからギフトの事を理解していないと思うので、

 変に絡まないように頼む。

 通例の祝賀会は、明日の夕方からこの広間で行う。

 ダンスタイムもあるから意中の異性がいるなら早めに声をかけておくように」


 猛の軽口に毒気を抜かれたのか、各々談笑したり、広間から出ていった。


「後は頼む」

「五芒星会議ですか?」

「ああ、波の後の定例報告と今回は別件もあるからな。

 打ち上げはいつもの場所を予約しているから、先に始めててくれ。

 酒と一番いい肉は残しておいてくれよ」

「はいはい、了解しました」


 猛は、パーティメンバーにそう告げると、

 砦の階段を登っていった。


 最上階にある角部屋のドアには、五芒星がかけられていた。

 これがかかっていれば、余程の事がない限り邪魔ははいらないだろう。


「お疲れさん」

「そう思うなら、たまには変わってくれ」

「いやー、俺口下手でさ」

「どの口が」

「嫌マジで、煩いと殴っちまうから」

「それは口下手とは言わん、野蛮というんだ」


 猛が部屋に入ると派手に赤く染めた男が話しかけてきた。


「皆揃っているみたいだな、五芒星会議をはじめるか」


 五芒星会議とは、冒険者の各職業、物理攻撃職、防御職、魔法職、回復職、その他の職の五人を代表に、

 砦の運営、討伐方針、新人育成方針などを決める会議だ。

 御大層な名前がついているのは、会議発足当初に一部部外者が利権や情報の独占だと騒いだので、

 隠語として、会議が開催される際に五芒星のシンボルを使っていた為だ。

 今や活動内容も理解されているので隠す必要は無くなったが、

 変える必要も無いだろうと言う事で、そのまま踏襲している。

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