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19.魔法使いと錬金術師の恋話と街への買い物③

 街の入り口で通行書のチェックを受けた後、

 馬車の乗り場で降りて武器防具屋へ向かった。


 ある程度の上級者は、武器専用、防具専用の店で装備を揃える。


 だけど、私達の様な初心者は、武器防具アイテムなどを一括で扱う店があるので、

 そこの店で装備一式やアイテムなどを揃えるのだ。


 店の名前は、武器防具の店 ケイちゃん

 店主の名前がケインさんだかららしい。


 今や上級者占用の店で装備を買っている大先輩達も、

 大抵この店のお世話になっていたらしく、

 私達が装備を買いにいくと言ったら、ケイちゃんを進められた。


 その店は、土地代の安い街の端に建っていた為、

 馬車乗り場から結構歩いたけど、頻繁に買い物をする訳でもないので、

 安くて良い装備が揃えられるなら苦にならない。


 剣と盾の絵が書かれた看板を下げた古い木造の店、

 店の入り口上には武器防具屋ケイちゃんと確かに書かれた大きな看板があった。


 店の中に入るとそこそこ大きな店の中に所狭しと装備が置いてある。

 入り口横にカウンター、店の中右手に武器、左手に盾類や鎧類、

 中央に軽装備と女性用の試着室があった。


「いらっしゃい」

 カウンターに座っていたガッシリとした、

 少しくすんだ金髪の初老一歩手前の恐らくケインさんだろう人は、

 一言そう言うと、チラッとこちらを見て手元の防具をいじりだした。

 中古の取り扱いか装備の補修をしているのであろう。


 私達は、ペコリと頭を下げると各自店の中に散って行った。

 ちなみに楓さん達は、朝食をとっていなかったらしく食事をしてからこの店にくるみたいで、

 朝も早いことから店内は私達のパーティメンバーしかいなかったので、

 比較的ゆっくり選べそうだ。


 蒼君は左側の盾を見に、それ以外の三人は先ずは右側の武器を見に行った。

 私は武器も盾も使えないので中央の軽装備を見て回る事にした。


 チョイスしたのが、ベースが冒険者の服。

 厚手の布地だけど防御力は皆無だ。

 上下セットで下がズボンタイプとスカートタイプがあったがズボンタイプを買う事にした。


 スカートタイプは、女性用という事もあり、可愛らしいデザインだったけど、

 私は職業がら着られないのだ。


 何故かと言うと、倒れたメンバーの頭を支えてポーションを飲ませる際に、

 相手の目線が丁度しゃがんだ私のスカートの高さになってしまう。

 つまり、スカートの中が見えちゃうのだ.......マジ不遇職。


 ベースの上に付けるのが、左右の腕にそれぞれソフトレザーの篭手。

 私が着ると腰の上くらいまであるが一応はハードレザーの胸当てと脛当て。

 頭は、革製で頭頂に薄い鉄板を張った革製の帽子。


 装備を一通り決めた私は、ケインさんの許可を貰い試着して鏡を見た。

 鏡にはちょっと可哀想な子がこちらを見て呆然とした表情で立っていた。

 可哀想な子は、当然私だった......


 普通はある程度装備をすれば、何の職業か、少なくとも前衛物理職とか、

 見た目で分かるのだけど、私に関してはさっぱりだった。


 強いて、それでも強いて言うならば、ちょっとイキった探検隊?

 もうそれは冒険者ですらないのではないだろうか。


 私がションボリ立っていると武器を選び終わった三人がこちらにやって来た。


「武器は選び終わったの?」

 三人は私に返事をするとそれぞれ選んだ武器を見せてくれた。


 竜司君は、鉄製の片手剣を二本。

 これで双剣の能力が使えると喜ぶ反面、武器二本分で相当お金を使ったらしく、

 防具はあまり良い物が買えないと嘆いていた。


 詩ちゃんは、白木の両手魔法杖で

 杖の先端には黒い小さな魔石がいくつかついていた。

 魔法攻撃力が上がるらしい。


 属性に特化した魔石がついた杖もあるらしいけどお高いらしい。

 特に氷系の魔石は、他国からの輸入物しか無いので、

 この店では扱ってないみたいだった。


 問題なのが大和君。

 鋼の短剣を三本買ったみたいだ。

 三本も?と私が尋ねると、短剣は使用する鋼材も少なく、

 小さな鉱石で作れるので、長剣に比べて全然安いらしい。


 それで何が問題かと言うと、

 私に短剣に属性付与して欲しいと言ってきた。


 錬金も大失敗すると武器まで壊れてしまうらしいので、

 勘弁して欲しかったのだけど、三本中一本でも属性がつけば十分元が取れるし、

 三本とも壊れても良いからとお願いされた。


 大和君は、暫く高火力のスキルを覚えられないらしく、

 大型モンスター相手だと出来る事が無いのだ。


 大和君の気持ちは痛いほどわかるので、私は引き受けてしまったけど、

 責任重大で気がおもい。


 三人は、そのまま防具を見て回るらしいので、私は蒼君の方に行く事にした。

 ケインさんと相談しているみたいだ。


「鋼の大盾(ラージシールドが欲しいんですが流石に手が出なくて、

 銅製は柔いので論外として、鉄製の良い盾は無いですかね?」

「中古で良いなら昨日仕入れたばかりで店頭にまだ並べていないが格安の鋼の大盾があるぞ?」

「本当ですか?見せて貰えますか?」


「これだ」

 ケインさんは、奥から大盾を持ってきて蒼君に見せた。

「これは......いい盾ですね、値段はどれくらいですか?」

「この値段だな」

 ケインさんは、まだ新しい値札を蒼君に見せた。

「本当に安いですね、新品の半値くらいじゃないですか。

 ですがそれでも全財産出しても届きません」


 私は無利子無催促でお金を貸してあげたかったけど、

 絶対に蒼君は受け取ってくれないだろう。


「本来なら冒険者相手はいつもニコニコ現金払いしかやってないんだが、

 大事に扱ってくれそうなんで、分割でいいぜ」

「本当ですか!ありがとうございます」

「ああ、その代わり完済するまで死ぬなよ」

「はい!」


 お金を払って蒼君は、ケインさんから盾を受けると、

 我が子のように抱きかかえて頬ずりをしていた......

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