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 そして、重要なのがこの2枚目の紙である。

 この紙が『誰』から送られてきたものかを明かす前に、少々、シェルトネーゼ家と私の関係について説明させて頂きたい。


 私がこのマルタナ村へ来て、数カ月経った頃。


 精神年齢は30歳を越えたおばさんではあるが、ずっと一緒に暮らしていた家族の事を思い出しては、感傷に浸っていた。


 いわゆる、ホームシックというやつである。

 お父様もお母様も忙しいらしく、領地には来てくれない。

 手紙はたまにくれるけど、やっぱり実際に会ってハグとかしたいお年頃(としごろ)なのである。


 

 ガイの弟の件で、エマニエル伯父様の仕事をさらに手伝うようになり、私はお父様からのお仕事の手紙を、よく目にするようになった。

 そこには、私の知らない『ひたむきに』お仕事をされるお父様の姿があった。



 6月某日


 エマニエルへ

 シェルトネーゼ領における周辺地域の治安状況についてまとめた資料を送る。

 できれば今年中に来年度上半期分の予算や人員を資料にまとめて送ってほしい。

 国に提出するものは、11月中に作成してくれると助かる。


 ファウストより 



 7月某日


 エマニエルへ

 先月送った資料は確認していただけただろうか。

 返事がなくて、無事到着しているか心配だ。

 できれば、手元に届いたかどうかだけでも、連絡をくれるとありがたい。


 そういえば、この間、一人で過ごすのが寂しいと言っていたが、そろそろいい人を見つけてみてはどうだろうか?

 老後一人で過ごすのは、味気ないだろう。


 この間のパーティーで、エマニエルによさそうな人を見つけた。

 近いうちに姿絵を送る。


 ファウストより



 8月某日


 エマニエルお兄様へ

 この間送った姿絵は見てもらえただろうか。相手の女性が返事を待ちわびている。

 書類到着の返事もないようだが、もしかして何かあったのだろうか?


 エヴァンスからはお兄様は元気だときいて安心している。

 どうか、内容はなんでもいいから、返事を書いてくれないだろうか。


 そういえば、エルーナがそちらに行きたいと言い出した。

 あれから2年、殿下の婚約者候補に名があがり、マルタナ村近くにネイマルの山賊が出始めて、王都に移り住んだが、もうだいぶそちらの治安も良くなっているときく。


 王都には旧クロイ神派の貴族が集まりだしている。

 エルーナが狙われるのは時間の問題だろう。

 急で申し訳ないが、今月中にはエルーナをそちらへ向かわせる。

 よろしく頼む。


 ファウスト



 10月某日


 エマニエルお兄様

 エルーナはそちらでうまくやっているでしょうか。

 エルーナからは手紙をよくもらいますが、たまに解読不能な文字が数個みつかります。

 できれば、字を少し丁寧に書くよう、それとなく伝えてもらえると嬉しいです。


 それとお兄様へ紹介した女性の件ですが、先日伯爵家の次男と婚約が決まりました。

 こちらから進めておいてはなんですが、なかったことにしてもらえるとありがたいです。


 あと、6月に送った資料、目は通してくれましたでしょうか。

 エヴァンスからきいた話によると、今立て込んでいるときいております。

 私が手伝えないのは本当に心苦しいですが、その分こちらで情報をかき集めています。


 とにかく、返事だけでも頂けないでしょうか。

 よろしくお願いいたします。


 ファウスト



 10月下旬某日


 エマニエルお兄様

 最近はめっきり空気も冷え込み、冬が本格的に近づいてきています。

 お兄様は変わりなくお元気でしょうか?


 さて、本題に入りますが、国に提出いたします書類の進捗の確認でございます。

 そろそろ期限が迫っておりまして、書類はまだかとヘイゲル宰相よりつつかれております。

 どうかお願いですから、お返事だけでもいただけないでしょうか。

 お願いいたします。本当にお願いいたします。


 ジュリアス殿下とユリアの婚約も順調に進み、妻のマリアンヌも忙しい毎日を送っております。

 私も毎日2、3時間しか寝る時間がありません。このままだと過労で倒れてしまいます。

 どうか、どうかお願いですから、国へ提出する書類だけでも、原案でも構いません。走り書きでも構いませんので、お送りいただけませんでしょうか。


 よろしくお願いいたします!!!


 ファウスト



 手紙単体で送られて来るものもあれば、書類の中に同封されているものもある。

 手紙のみであれば、エマニエル伯父様は読んでいるみたいだったけど、書類に同封されているものに関しては、開けていないので読んでいないようだ。


 ちなみに、10月以降の手紙に関しては書類に同封されたものが多いので、読んでいないだろう……。

 ということは、エマニエル伯父様はお父様の現状を知らないわけで……



 そう、その時まさに、シェルトネーゼ家の危機がせまっていたのである。



 ――……お父様が危ないっ!!(過労死)


さて、2章始まりました。

どうも、ぽぽろです。


半月ぐらいの間隔が空きましたが、また皆さまに後書きにてお会いできたことを嬉しく思います。(リアルタイム勢の方、本当にありがとうございます!)

(はじめましての方もありがとうございます!)


今日は少し早い時間に投稿をしてしまいましたが、明日は活動報告にも書かせていただきましたとおり、午前11時前後と午後18時前後(だいたいお昼ご飯の時間と帰宅時間に間に合うぐらい)に投稿しますので、よろしくお願いいたしますm(__)m


1章に引き続き『悪役令嬢はダイエットして従者となる』にお付き合いいただければ幸いです。


では、また次回お会いしましょう~


ぽぽろ

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