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02-08

 部屋の中央にあるやや大きめのテーブルに、その日に『予言をする店』で預かった客の持ち物が、使用人の手で並べられました。

 預かり物を使用人は、この部屋の主に一礼をするとすぐに部屋を出て行きました。部屋の主は、耳を澄まして使用人が部屋から十分離れたことを確認し、それから並べられた品々を見つめました。


「……届いた……。」


 今、少年の目は、布でできた立方体に注がれています。彼に告げられた、その持ち主の依頼は『捜し物と回収できる時期』。

 意図を理解しているが故に、少年は震える手でそれを手で包み、静かに心を集中させます。求めていた人達からの依頼、ようやくつかめたと心の中で涙します。

 そして、少年が探したのは、彼等の依頼に沿う中で『どうすれば、玉と共にこの屋敷を出られるか』と言う『先』でした。そして、その道筋を読みつかめた少年は、それを紙にしたためます。その内容は、人によっては、『計画書』と呼ぶかも知れません。


 次に少年が行ったことは、テーブルにおいた石を手に『覚り』力で周りの気配を探ることです。以前、彼が行った先見では、依頼品と共に持ち主の関係者が忍び込むところまでが見えていました。

 書簡を取りに来る人間は、ベルを鳴らすまで部屋に近づきません。少年は部屋の中を歩き回ります、自分の持つ弱い『覚り』の範囲は、この部屋のやや高い天井を抜けるぐらいだったため、部屋の中を歩き回らなくてはならないのです。

 そうしてしばらく部屋を歩き回った少年は、窓際に立ち先ほどまで自分が座っていた場所の天井を見つめます。


「……そこに潜む方にお願いがあります。」


 その言葉に、誰も何も反応はありませんでした。それでも彼は言葉を続けます。手にした石を見えるように前に出して。


「この石を迎えに来るとき、わたしも一緒に連れて行ってください。わたしは、これ以上望まない先見はしたくないのです。」


 長く沈黙の時間が経ちます。少年は、次第に不安になり持っていた石を握り胸元に引き寄せ俯いてしまいました。


「……名前は?」


 彼の耳の側で女性の声がしました。少年は思わず周りを見回します。


「少年。名前は? 大きな声でなくて良い。」


 再び、少年の耳元で声が聞こえました。


「プシュケイ、です……」


 そうか、と、声が聞こえると同時に、人の気配は消えました。

二回目の更新です。今日の更新はここまでです。

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