02-01
商隊と別れて八日後。途中で馬を二頭借り、カロンとカラシャ姉弟の三人は、精霊から告げられた街に到着しました。道中、宿泊した村や小さな町で、この街について聞いた噂があります。『自分の未来を見てくれる店がある』と言う噂でした。
「まぁ、考えるまでもなく……この『予言をする店』が、怪しいわけですが。」
あまりにもあからさまで、カロンはため息をつきます。苦笑しつつ、カラシャはそれに同意します。
「的中率も高いとなれば、『先見』の力が関わっていることは明白だしねぇ……。」
馬を牽き、屋台で買ったクッキーを頬張りながら、カラシャは言葉を続けます。
「ただ、先見をして貰うには、『自分が長く身につけているもの』が必要らしい。あと、大金。」
二人は、宿を探しながらそんなことを話していました。オルフェは、馬の背で首にもたれながら目を閉じています。
お金の事になると、カロンには当てがありません。それに対して、カラシャはたいしたことではないといったふうです。
「大金、ですか……。」
「金を用意するだけなら、私達にはそれほど難しくない。が、そこにオルフェの逆鱗があるかどうかを、どうやって確認するかだな。」
「もう少し、その店の話を集める必要がありそうですね。」
カロンはため息をつきます。お金については、カラシャに任せることにしました。
眠り続けるオルフェのこともあり、カラシャは少しばかり良い宿を取ります。
「カロン、すまないが同室にさせて貰った。」
馬を宿の厩に預けてきたカロンに、カラシャは、部屋を一つしか取らなかったことを、事後報告してきました。
「え、いや、でもいいのですか?」
「ああ、旅費は節約しておきたいし、それに、君は私達の護衛だ。同室で無ければおかしいだろう?」
女将から割り当てられた部屋へ入り、二つあるベッドの一つにオルフェをうつぶせにして横たえます。
「カロンは、そちらのベッドを使ってくれ。私はオルフェと一緒のベッドを使うから。」
部屋の荷台に、三人の荷物を置くカロンに、カラシャは声をかけると同時に風の魔法を使用する。声が外に聞こえないようにです。
二人は、それぞれ部屋に備え付けられている椅子に、小さなテーブルを挟んで向かい合わせに座ります。
「さて、例の店について、どう調べるかだが……。石がそこにあるかどうかは、オルフェを連れて行けばいい。アレは、あの子の命の元だからね。」
「でも、『先見』をしている人と直接は会えない……ですよね。『身に付けているもの』を要求されているわけですから。大金については、何か当てがあるのですか?」
「ああ、それは簡単だよ。カロンにも使える手だ。」
ここから二章です。
1日1回更新です。
21時に『世界設定』で特殊な魔法の設定を公開します。




