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破壊竜の名のもとに

 グロブス召喚で現れた武器にアルバートルとティターヌが目を輝かすかと思ったが、意外と反応は物凄くうっすかった。


「なんですか?これ。なんか、ちっさい、です。」


 え?


 十メートルの砲身などデカ過ぎるだろうとその半分にしたことで威力はどのぐらいになるのか計算もしていないが、長い砲身という電磁カタパルトから射出される砲弾は一撃で怪獣ぐらいは倒せるだろうものだぞ?

 確かに砲身はガトリングと比べ物にならないが、それ以外はコンパクトだからティターヌにはありがたみが少なくかんじたのだろうか?


「これの弾はこれですか?確かにライフルよりはかなり大き目というか幼児の肘から下ぐらいの長さに太さですが、このサイズでしたら俺の砲弾の方が威力があるのではないですか?」


 完璧なサーチアイでも未知の武器では戦闘力の計算や表示をしないのだろうかと、俺は思ったようなリアクションが貰えなくてかなりがっかりしていた。


「ごめん。今回だけ使って。」


「ほら、団長にティターヌ、迷っている間は無いですよ、もう蓮池の上です。俺達はダグド様を信じる、それだけでいいでしょう。」


 アルバートルもティターヌも無言となると身を屈めてレールガンの照準を合わせはじめ、俺はイヴォアールを始末していなかった自分に感謝をした。


「さあ、くるぞ。」


 艦を空中に固定させた。

 巨大鶏は宮殿を乗り越えて俺達の艦を目指して襲いかかって来た。

 俺は蓮池の水をしたから突き上げて上昇させた。

 高圧の水槍は鶏を貫いて動きを止めた。

 さあ、俺の銃騎士達の集中砲火だ。


 たった二発だが。


 キュアアアアアアアア。


 鳥は叫び声をあげて微塵に消えた。


「あ、やば。」


 ガッシュン、ガッシュン、ガッシュン、ガッシュン、ガッシュン。


 鳥を貫通した弾丸は真後ろの宮殿の塔に突き刺さり、それはぽっきりどころか弾の威力によって粉々に弾け、威力の凄さに驚く俺達の目の前で弾の進行方向にある塔すべてが同じように次々と崩壊していった。

 そして、破壊するものが無くなった砲弾はそのままぎゅーんと空の彼方までまっすぐに飛んで行ったのである。


 戦意も復讐心もなんも無くなった俺達は、ただただ呆気にとられたようになって砲弾が飛んで行った方向だけを見つめていた。


「すいません。ダグド様。俺にはあれは手に余ります。ガトリングで十分です。」


「うん。そう言ってくれる君でうれしいよ。ティターヌ。……。ねぇ、アルバートル。聞きたくないけれど、あれはどこに消えた?」


「……。言いたくないですけれど、一つはガルバントリウムの教会の鐘にぶち当たって落ちました。あと一つはイグナンテスの寝室の壁を打ち破ったそこで落ちました。きっと、イグナンテスはびっくりしたでしょうね。」


 俺達はレールガンは封印しようと心に決めた。

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