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中ボス的な戦い方で

 飛行艇は地上の戦闘にかまけている暇は実は無かった。


 カイユー達三人を地上に放った後すぐに、サラマンダーではなく、ファイヤーバードの攻撃を受けたのだ。


 ファイヤーバードは真っ赤な尾羽の長い巨大な鶏の姿でしかなかったが、鶏って奴はとっても凶暴だったと追いかけられた前世の幼いころの記憶を呼び戻してくれるほどだった。


 ティターヌのガトリングの弾は撃ち込まれた先から炎の中で溶け落ちるだけであり、鉄をも溶かす炎をまともに受けれないと、飛行艇は高度を上げ下げしながら速度を上げることで攻撃を何度か交わしていた。


 サラマンダーとシロロ隊の戦闘に関しては、俺はシロロとエランの無事だけ祈って見ない事にしているので、俺の注意は危機にある飛行艇にこそだ。

 シロロが命じる度に空飛ぶ蚕が白い糸をサラマンダーに吐き出し、その糸は不燃糸だからか、巻き付かれたサラマンダーは数秒だけ炎を失って硬直する。

 そして、その隙にエランがサラマンダーにライフル弾を撃ち込んでいるのだ。


 アルバートル達に逃げ回れとしか言えない俺としては、自分が不甲斐ないと思い知らせる戦いなど知りたくはない。


 俺はストーリー前半部で死ぬ予定というれっきとした中ボスなんだよ!

 ストーリー後半予定キャラ達の強さ自慢について行けるか!


 なのに俺を信じて、自分の弾丸が全くの無駄とわかりながらもティターヌは金色の瞳を煌かせ、諦めることなく必死でガトリングのクランクを回している。


 くすんだ金髪の長髪と黒ずくめという格好の彼がガンガン動く後ろ姿に、ヘビーメタルバンドライブみたいだと俺が一瞬思ってしまった事は彼には内緒だ。

 彼はきらきらと金色に輝くが、ゴールドの輝きではなくチタンの炎色反応の方の色であるので、落ち込んで燃え尽きられたら困るではないか。


「アルバートル。近くに大量の水は無いか?」


「宮殿の庭にある蓮池はどうですか?」


「さいこう。では、アルバートル、イヴォアールと操縦を代わってくれ。俺も魔王様方式の戦術を取ることにした。」


「はははは、水を掛けて、その一瞬に俺達が全弾をぶち込むのですね。いいですよ。そろそろ俺は椅子に座っているのに飽きてきた所ですからね。」


「頼もしいね。では、ティターヌもそのガトリングは一旦消して。」


「俺もエランのようにライフルですか?すいませんが、俺はガトリングの性能をあげる事ばかりでライフルを持っていませんよ。」


「そうだね、新しい武器を団長から注文を受けていたからね、それを渡す。使えなかったらいったん退こう。サラマンダーを墜としたらしいシロロ様とエラン様にタッチ交代だ。」


 アルバートルとティターヌは俺を最初に撃ち殺すぞという風な低い笑い声をあげると、俺の惚れ惚れするようなバリトンでグロブス召喚と叫んだ。

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