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答えを探して

 ヘリコプター以外、飛行機は空中で停止など出来ないものだ。


 しかしここは魔法世界であり、俺は飛行機の周りに空気の潮流をいくつも作り出す事で飛行艇をヘリコプターのように空中に留まらせた。


 眼下では俺の格納庫からマホーレンが出てきたところで、彼は俺達の飛行機を見上げるや、すぐに王宮の中へと走り込んでいった。


「われは黒龍ダグドを奉じるダグドの民であり、竜騎士のアルバートルである。先だってのアドブラ・マホーレンによる我が領土での破壊行動及びダグド様への不敬には許されがたし。われらはここに参上し、納得のできる謝罪と降伏を要求する。五分以内に答えが無い場合、われらはこの王宮を破壊する。」


 俺はマホーレンを追いながら、デレクによって消えた正義を探していた。


 俺達は哀れな女を救いに来たが、子殺しの女への庇護は想定外だ。

 どんなに哀れな身の上であっても、自分の不幸を他人に、それも抵抗の出来ない弱者に受け持たせてはいけないと俺は考える。


 マホーレンは走り、走りながら、彼のサラマンダーを召喚して俺達に放った。

 そして彼は衛兵に命令して、地下に向かわせた。


 衛兵によって地下から引きずられてきた女は、美しさなど全て剥ぎ取られた拷問後の姿だった。


「畜生。どうすればいいんだ。」


「まずはボウボウトカゲです!」


「そうだな。お前にできるか?」


「では、僕はダグダグ虫を呼びます。」


「うん、ってえ?ちょっと、何それ?」


 宮殿からは真っ赤な炎を纏った大きなトカゲがびゅううと飛び出してきて、そのトカゲは俺達の飛行艇に一直線に向かって来た。


「畜生!これが答えか。メーデーメーデー。総員、艦を動かすが衝撃に耐えろ。」


 アルバートルは叫び、俺は船を固定から解放し、そして、動いても直撃だろう炎の塊は数メートルの所でカキンという感じで進路を変えた。


「絶対防御です。」


「チートだな。」


「いいのです。僕は魔王様なのですから。ダグダグ虫ー!」


 彼は叫ぶと飛行艇の開口部からひょいと飛び降りてしまった。


「バカ!魔王様でも死んじゃうだろう!」


「幸いなる無垢な者にこそ慈愛と守りを与えたまえ!」


 エランがシロロの飛び出した後に飛び出す感じで身を乗り出し、神への祈りが効いたのかシロロの足首を掴んでくれたのだ。


「ありがとう。エラン。」


「いえ、って、うわあああああ。」


 エランも飛行艇から消えた。

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