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格納庫は秘密基地

 俺は檄を飛ばすために、自分の兵隊をぐるりと見渡した。

 

「さて、君達は――。」


「くうぞく~。」


 俺はうんざりとシロロを見下ろした。

 そして、子供よりも我慢強そうな大人達こそ爆発しそうだと気が付き、俺は解り易いように乗っている地面を下降させた。


「うわっ。」


「おわっ。」


 七人の男達は突然の事に驚きにバランスを崩したが、その崩した体つきのまま明るかった空間が暗くなっていくと一斉に上を見上げ、ぽっかりと空いた四角い空間が閉じられていくことに、おお、と声をあげた。

 完全に空間が閉じ切るのと、地面がガチリと格納庫の床に到達したのは同時であり、その時には彼らは言葉を完全に失わせていた。


「どうした、喜ばないのか。お前ら全員が突撃できるんだぞ。」


 彼らが今まで目にしていた飛行機よりも巨大な輸送機が、目の前で彼らにその姿を現したのだ。


 大きいと言っても二十人程度しか運べないが、大きな翼を持った巨大な鳥は、地下を照らす灯りによって不気味な陰影迄も作り出していた。


「水に、浮かんでいますよ。」


 茫然とした声をあげたのはデレクであり、最近竜騎士の連中が俺が何でもできると思い込んで感動まで薄れさせているなと皮肉に思いながら、新鮮な若者に自分の傑作を紹介した。


「水面を離発着できる点で滑走路は不要となる。」


「羽が折れているでは無いですか。」


「外に出たら翼を開くよ。鳥ってはそんなものだろう。さぁ、乗れ。空賊は海賊と一緒だろ。大きな船に乗って空という海に飛び込み、デズデモーナ姫を奪還してくるのだ。」


「お、おう。」


 素直なフェールがまず俺の激に小さく答え、そんなフェールの背中をカイユーがバシッと叩いた。


「いくぞおおおおおおお!」


 カイユーが大声で騒ぎ立た。

 それを合図にしたように、ティターヌが、イヴォアールが、エランが叫び、アルバートルに背中を叩かれたデレクも叫び、アルバートルも声をあげた。


「うきゃあああああああああああああ。」


 全てを台無しにしたシロロの叫びを合図に、テンションの下がった彼らはのそのそと空賊船に乗り込んでいった。

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