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転生先が物語分岐の中ボスという微妙な立ち位置だった  作者: 蔵前
ダグドと乙女と押しかけ騎士団
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トレンバーチ攻略①

 ディ・ガンヴェルの都市のひとつであるトレンバーチであるが、ディ・ガンヴェルは首都を中心として城壁で囲まれた五つの都市が放射線状の街道にて繋がっているという造りの、一国というか連合国のような存在である。


 つまり、五つの都市のうち俺の領地に近いのがトレンバーチであっただけで、エレノーラ達は中心の首都エスメラルダに連行されてしまっていた。


 完全ではないが。


 トレンバーチからエスメラルダへは魔法によって結界が張ってある街道で結ばれているが、そこを馬車が走ってエスメラルダに辿り着くには半日以上はかかる。

 アルバートル隊が駆け付けたその時、エレノーラ達は護送車に押し込まれてしまい、その街道を走り始めたところであったのだ。


 アルバートルが先にエラン達を派遣させていたのは、エレノーラ達がトレンバーチから移動させられそうな時に備えた、妨害行動と報告の為だ。

 スクロペトゥムであるエランは遠くまで見通せるという鷹の目スキルを持っており、短銃使いのカイユーは連続撃ち、つまりマシンガンのように弾丸をばらまけるスキルを習得していた。


 俺はそれを聞いて二人だけでイケるんじゃないかと考えたが、自信を喪失中の騎士団の二人は慎重すぎる程慎重を重ねていたらしい。

 つまり、本隊がトレンバーチに辿り着くまで、エラン達は静かに控えてエレノーラ達を見守っていただけだったのである。


 ところが本隊の連中はあれだ。

 俺に鼓舞されたそのまま馬鹿正直に、やりすぎる程の攻撃を単なる街に繰り出したのである。

 静かに控えろと厳命されていた二人は驚いたろうな。


 まず、アルバートルの大砲によってトレンバーチの城門扉は完全に失われた。


 城門が破られれば、絶対に雇われ傭兵の五十人くらいがその穴から飛び出して来るはずだ。

 だがこちらにはチート成長したパラディンが二人もいる。

 反則的に強化魔法をかけるだけかけたイヴォアールとフェールの剣の前では、五十人くらいの生身の傭兵など簡単に蹴散らかされたことだろう。


 トレンバーチの重鎮は慌てただろう。

 いや、恐慌に陥っただろう。

 聞いている俺こそ、やりすぎ!と脅えているのだ。


 絶対に彼らはこのままでは殺されると考えただろし、助かるための命綱としてエレノーラ達を一蓮托生の相手に選んだだろう事も想像できる。

 彼らはその想像通り、エレノーラ達を護送車に押し込め、一路エスメラルダへと逃走したのである。

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