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領主の妻を救え!で、勤務地を振り分けました②

「で、そのガキのお守りもあることをアルバートルは知らなかった?」


「あの人、遠征の調整は全部イヴォアールの旦那に任せきりですから。」


「そうか。それで俺の呼び出しに不機嫌だったんだな。ハハ、あいつは自分の失態に対して、狩りが失敗した猫みたいな誤魔化し方をするよね。」


「虎か豹みたいな人ですからね。」


 フェールは俺と話しながら簡単に彼が書いてた、アルバートル達が向かった竜人族の隠れ島の地図を笑いながら俺に差し出した。


「数百年前に財宝狙いの人間達に襲撃されて虐殺されたそうです。その日からここはガルバントリウム管理となりましたから、竜人族は散り散りに世界中に散るしかなかったんだそうです。リリアナは恐らく目的の古代竜の卵だけでなく、自分と同じ種族の卵も探しているのかもしれませんね。」


「――君はさ、悲しくなるぐらいに目端が利くよね。でさ、リリアナが好きならこの機会こそ、じゃないのか?」


 フェールは俺にドキッとしたような顔つきなり、その上、あからさまに頬を赤く染めてしまった。


「はは、俺っちはリリアナ姐さんにそんな感情はありませんって。」


「フェールはおっぱいが嫌いなんですよ。ダグド様。」


 カイユーが俺達の昼弁当を持って会議室に戻って来た。

 彼はフェールが領地に残ると聞くや、自分も残るとダグド領警護の居残り組を志願したそうなのである。

 ここまでアルバートルが読んでいて、フェールをダグド領に残したとするならば流石というべきか。


 脊髄反射の撃ちっぱなしカイユーがいては、子供の引率に支障が出るかもと、俺も普通に考えるからだ。


「そうなのか?アルバートルはフェールがおっぱい好きだって。」


「おっぱいに脅える男と知られるよりは、という団長の優しさですよ。俺は苦手です。ナイスバディのパナシーアに散々に性的虐待を受けましたからね。」


「ああ、すまなかった。」


「ほら、そういうのも嫌なんですって。」


 俺に微笑んで見せたフェールは普段の子供っぽさが無く、俺は彼が「フェール」を演じていたのかと、散々に傷つけられた彼の過去を思いやってしまった。


「そうですよ。あんまり気にしないでいいですよ。ダグド様。フェールはその代わりにちっぱいが好きなんだそうですから。」


 俺達の為に無心に皿を並べていたカイユーは、作業の手を止めずに淡々と言い切り、フェールこそが慌てた様にカイユーの背に抱きついた。


「おい!誰がそんなことを言い出したの!」


「え?団長。でも、ノーラは駄目だからね。」


「ノーラなんかいらないし!もう!あの団長は!俺が子供の引率があるの黙っていた事を根に持って!」


 俺はいつもの黒竜騎士団だと、フェールが書いた地図を手に取った。

 目的地には大きく赤く印がつけられて、そこに営巣し今では滅んだとされる竜の名前だって書きこまれている。


「サラマンダーか。」


 俺は目がしらに右手を当てた。

 俺が設定したサラマンダーは、巨大なウーパールーパー様だ。

 こいつから卵を貰うのか?

※誤字修正 竜神族→竜人族


※ダグドがフェールを中肉中背と言っていますが、フェールもちゃんと百八十近くはあります。

大男に偽装しているダグドや外見は巨人なモデル隊なアルバートル隊と比べると、一番背が低くて童顔な彼がダグドには中肉中背に見えるってだけです。

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