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さぁ、リアルゲームの時間だ

「ええ~。ゲームする~。」


「あ、俺がシロちゃんの見守りをしますので、あと、そうだ!ついでに姐さんの見守りもしましょう。」


 俺はゲーム機なんてどうして作ってしまったのだろう。

 シロロもフェールも外に出たがらないという、今までになかった行動を取り始めたのだ。


「経験値稼ぎはどうした!」


「ダグド様!シロロ様に勝てたら経験値が加算されますから大丈夫です!」


「まじかよ!」


 俺は驚いた声を出したままアルバートルを見返すと、彼は俺に恨みがましい目線を寄こしながら大きな舌打ちをした。


「君が夢中になっていたのはそれが理由か!全く。俺の竜騎士は先が読めない馬鹿野郎ばかりだ。いや、俺の子供もだね。」


 当たり前だが俺はゲーム馬鹿達の注目を浴びた。

 前世の俺はゲームプログラミングが生業だった男であるのだ。

 俺は偉そうに胸を張ると、ゲームショウでの自社ブースで客引きをしたあの頃のノリで叫んでいた。


「黒靄妖怪一匹につき一ポイント!ポイントの一番高い奴にゲーム機か、あるいは新作ゲームをプレゼントしよう!」


「うきゃあああああ!」


「よっしゃああ!」


 シロロの雄たけびはわかるが、アルバートルよ、お前は大概にしろよ。


「待ってください!」


 フェールがアルバートルとシロロを押さえたことに、剣騎士養成学校に入学できた彼はやはりイヴォアール並みに優等生だったのだと頼もしく思った。


「この面子じゃ、俺が一番条件が悪いです。団長は飛び道具なし、シロちゃんは魔法無し、そして俺は魔法だけ使用にしませんか。」


「ちょとまて。君が一番卑怯じゃないか?」


「そんなことないです!俺のファイヤーボールはヨワヨワなんです!」


「フェールったら!フェールは光のくし刺し魔法を習得したばかりです!」


「ああ!シロちゃんたら!俺のステータスを勝手に覗くなんてエッチ!」


「エッチじゃないもん!」


「俺を暴いて丸裸にしたじゃない!」


「じゃあ、僕も丸裸になって――うぷぷ。」


 俺はシロロが風呂じゃない状況で服を脱ぐことにトラウマを持っている。

 彼のイースターエッグさん変身は二度とお目にかかりたくない恐怖の姿だと、俺はシロロを抱き上げて口を塞いでいた。


「よし、こうしよう。シロロは巨大はさみのみ。フェールは魔法のみでいいよ。アルバートルは大好きなナイフサバイブだ。いいな。」


 シロロはジトっとした目で俺を睨んだが、アルバートルは数秒考えた後ににやっと俺に口元を歪ませて見せた。

 なんて嫌な奴。

 フェールが勝ったらフェールから確実にゲーム機を奪うつもりだ。


「では、俺も参戦だ。行くぞ!」


 俺の掛け声に応える者がいるわけもない。

 奴らは俺の参戦という言葉を聞くや、俺を打ち負かすために三人一斉に監視部屋を飛び出していったのだ。


「あいつらめ。賢いな。同率一位を目指すつもりか。まあ、それが一番だ。」



「これは何?」


「ダグド様特製のパスタよ。坊主びねりっていうの。ダグド様はね……。」


 俺はモニターに振り返り、ノーラとアールの料理風景をしばし眺めた後、モニターの電源をぶつりと落とした。


「恋人よりも父親の名前を出している女の方が男には口説きづらいって、君はわかっていてやっているのかな。わかっていなくても、君は一人でも大丈夫だね。」

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