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朝の日課

ここまでのあらすじ

通商とガルバントリウムは事あるごとにダグド領を手にしようと画策をしている。

前回は砂漠の腐れ王国がそれに乗ってダグドへの侵略を企てたが、我が領地には魔王様と対ラスボス仕様の騎士様達がいる。

もう、どっこーんドッカーンと他国への破壊活動に勤しんでくださいました。

ここまでやればしばらくはダグド領は安泰かと思うが、はは、どうなんだろう。(by ダグド)

 黒い小型飛行機は太陽を翼や尾翼に煌かせながら、ツバメのようにヒュンと冷たい空気を切って回頭した。

 水色の空には朝になったばかりの金色の光の帯が輝き、真っ白な雲にもなっていない靄が飛行機を包んでいく。

 目元には色ガラスのついた顔の半分隠れるマスクのような帽子を被り、綿入りでカーキ色をした厚手の飛行服を纏って飛行機を操縦しているのは、二十一歳になったばかりの若い女性だ。


「ダグド様!今日は真っ白な月だけじゃなく明星も残ってます!」


 彼女は毎日同じ時間に、毎日同じ飛行機による朝の散歩をしている癖に、いつも初めて飛行機に乗った日のようにはしゃいで楽しそうな声を上げる。

 俺がその声を聞いて嬉しいのは、俺も彼女と一緒に飛行機に乗っているからでもあるが、俺の作った飛行機が誰かをこんなに喜ばせることが出来たということこそ嬉しいのかもしれない。


 俺という破壊竜の生贄に捧げられた彼女だが、いまや完全に俺の娘のようなものなのだ。


「あ。」


「どうした?」


「ダグド様、光りました。」


「月か?星か?」


「違います。西の森で何かか大きく。後方、この機を起点にして、八時の方向です。また光った、きゃあ!」


「モニーク!」


 俺の飛行機は八時から飛んできた銀の矢のようなものに左の翼をもぎ取られ、そのままくるくると回転しながら西の森に墜ちていくしかなかった。



 俺の魔法力で飛んでいたのだとしても、羽が折れたら飛べやしない。

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