2 振り返るとそこは宮殿でした。
俺の名前は高岡 凪。特技は料理、裁縫、家事。
趣味はゲーム、神社巡り、映画、ネット小説、DIY。
好きな物は妖怪や神様。
俺は確かレンタルビデオ店で〈ファンタジー・キングダム〉を買って今家に帰ろうとしていたはず……
なのになんで宮殿の目の前に立っているのだろうか……
まさか誘拐?事件?いや、待てこれはもしかして、今流行りの異世界転移ってやつかな?
んー分からない。あれ?よく見ると人が居る。話しかけて見る?でもなあ誘拐犯とかだったらどうしよう。
「誘拐犯のわけがなかろう」
ん?今あの人誘拐犯のわけがないって言った?
「だからそうじゃ」
え。あの人俺の心読んでる?
怖いけど思い切って話しかけてみるか……
「あのすみません。ここは何処ですか?俺は確か帰り道を歩いていたはずなんですが……」
「ここは、君が居た地球とはまた違う次元の世界じゃ」
「はぁ。」
「君を呼んだのは理由があるんじゃ。まぁ座って話を聞いてくれ」
うわっ。いきなり五畳半の畳部屋に、ちゃぶ台それと器に入ったおせんべい、あとお茶が出てきた。この人今魔法使った?本当に神様?
「ふぉっほっほ。これくらい造作もないわい。まぁ座ってくれ。」
「あ、はい。失礼します。」
話を聞くとここはやっぱり地球ではなく、〈イプス〉と言う世界で剣と魔法を使い生活しているみたいだ。
目の前にいるお爺さんは〈イプス〉を想像し作った創世神様らしく名前をゲネシス様と言うらしい。
この世界では、神様は自然に乗っ取り造られていて、火や風、水に土はもちろんのこと、植物や生命、泉や月などの色んな種類の神様が存在しているらしい。人間は自分の職業に応じて信仰していて、この神様だけとかはなく臨機応変にやっているみたい。例えば漁師なら『太陽神、海神、生命神、風神』みたいだ。
その話を聞いて、ゲネシス様にイプスの神様はみんな心が広いですねと言ったら嬉しそうにしていた。
それで俺がこの〈イプス〉の世界に呼ばれた訳は、神様を育てて欲しいとの事だった。
理由としては、他の神様達は自分に割り振られた仕事をしていているのだか、場所を取られて力が無くなってきているもの、それに信仰されすぎていて体が力に追いつかず暴走寸前のものがいて、世界を壊しかねないと思ったゲネシス様が力を抑えるため体を小さくしているがいつ暴走するか分からないから徐々に力を体に慣れさせることをして欲しいと頼まれた。
それに暴走はいつ起きるか分からないためスキルを授けられた。
〈鑑定〉〈アイテムボックス〉〈完全防御〉
この3つだ。それに魔法を使えるように頼んだらこっちにわざわざ呼んだのだからと、〈全魔法属性〉と〈魔力無限〉も付けてくれた。
ゲネシス様曰く「場合に応じてスキルを授けるからの。ふぉっほっほ。」らしい。
あと、定期的に他の神様について報告欲しい。との事だった。詳しくは、生と死の神 リーンが教えてくれると言っていたが誰なんだろうか。
…………
……
…
「とまぁ話はこんな感じじゃ。引き受けてくれるかの?」
「スキルを授けられた以上断れませんよ。それにもう元の世界には帰れないのでしょう?」
「そうじゃのぉ。それはすまない。」
「いえいえ。寂しいと言えば嘘になりますが、せっかく剣と魔法の世界に来たんですから楽しまなきゃ損ですからね。」
「そう言ってくれるとわしもありがたいわい」
「そうじゃ。リーンを紹介せにゃ。リーンはこっちにおるんじゃ。」
そう言われて、ゲネシス様について行くと資料がいっぱいある部屋に着いた。