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とんでもない喫茶店

作者: Ken Ohnaka

やんちゃで多感なハイスクール時代。

学校が終わると、ませガキと連れもって

茶しばきタイムがやってくる。


「昨日開店した喫茶店があんねんけど、今日行こけ!」


他の4人が声を揃える。


「ええやないか!行こ!行こ!」


それぞれ吸ってるヤニの銘柄が異なるので、

こめかみに絆創膏貼ってるババアの煙草屋で、そそくさと買う。ババアも手慣れたもんで、5人の異なるの銘柄を覚えとる。


なんや!かんや!ちゃんや!まんや!

喋べくり倒して、喫茶店にとうちゃこ。

店内には誰一人おらずオッサンのような顔したオバサンと、

カリカリに痩せて顔色の悪い気の弱そうなオッサンが。


「イラハイ!」オッサンオババが言う。


奥まったテーブルに座るませガキ5人。

それぞれがメニューを眺めオーダーする。


ませガキ.1

「俺、クリームソーダ!」


オッサンオババ

「あいよ!クリソいっちょう!」


ませガキ.2

「俺、アイスミルクコーヒー!」


オッサンオババ

「あいよ!冷ミーコーいっちょう!」


ませガキ.3

「俺、レモンスカッシュ!」


オッサンオババ

「あいよ!レスカいっちょう!」


ませガキ.4

「俺、オレンジスカッシュ!」


オッサンオババ

「あいよ!オスカいっちょう!」


一同、眼をあわせて笑いに堪える。


最後のオーダーはヤングボーイの僕だ!

他の4人が笑いを堪えながら、

どうにか誤魔化して煙草に火を着けようと格闘する。


ませガキおやっさん

「俺、メロンスカッシュ!」


オッサンオババ

「あいよ!メスカいっちょう!」


一同、撃沈して笑い転げて咳き込むわ!

火を着けた煙草飛ばすわ!水をこぼすわ!

腹筋つって痛い痛いゆうわ!


それを見ていたオッサンオババの一言…。

「スカッシュもん!まだあんで!」


笑い転げるヤングボーイおやっさんが聞く。

「どんなスカッシュもん?」


オッサンオババが葡萄もって高らかに言いよった。


「あいよ!ブスカいっちょう!」


一同、身を捩らせて笑い床を転げ回る。


数日後。

それぞれが異なるフルーツを手にして、

喫茶「愛の館」に向かうのであった。


はたして5人が持ってきたフルーツとは?


ませガキ.1

「俺、バナナや!」


一同、揃って。

「あいよ!バスカいっちょう!」

一同、笑いが生まれる。


ませガキ.2

「俺は、柿やで!」


一同、揃って。

「あいよ!カスカいっちょう!」

一同、笑いが増長する。


ませガキ.3

「俺な、梨持ってきてん!」


一同、揃って。

「あいよ!ナシカいっちょう!」

一同、笑いがよじれてくる。


ませガキ.4

「俺、イチゴ!」


一同、揃って。

「あいよ!イスカいっちょう!」


ませガキ.おやっさん

「驚くな!俺、レタスや!レモンでレスカやろ…。

レタスならどないなる?」


一同、揃って。

「レタスカや!ギャハハ!」


全員!喫茶「愛の館」行くまでに

涙チョチョ切れるほど、笑い倒したのであった。


散々笑い散らかした5人は、

喫茶「愛の館」へと。

すると、店の前に人だかりが…。

しかも警官もいてロープまで????。


近くにいた煙草屋のこめかみ絆創膏のオババに聞いてみた。


ヤングボーイおやっさん

「なんや?どないかしたん…?」


こめかみ絆創膏オババ

「あんたらかいな。驚いたらあかんで。あのな昨日の夜にヤクザがようさん来て、この店の中で大暴れしたらしいわ。ほんで、ここのマスターぶち切れて包丁振り回して2~3人病院送りになってん!あのマスターな、つい最近カタギになって第二の人生始めたらしいねんて!」


5人の顔が硬直する。


そう言えば昨日散々笑って帰ろうとしたら、

カリカリに痩せて顔色の悪い気の弱そうなマスターが、

無言でペティナイフ研いでいた…。

ちらっと見た顔はキングコブラのような鋭い眼光だった。


もしフルーツやレタスを持ち込んでいたら5人は、

確実にボコボコにされて、

大阪港にコンクリート詰めで沈められたかも…?


その後…。

5人は金輪際スカッシュもんは頼まないと決心したのである…。

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