●6●満月の登る夜、戦いは始まる
時間はすでに11時を過ぎていた。私は一人で学校のグラウンドに立っていた。黒幕を待ちながら、月を眺めていた。
「やはり、君は魔術師だったんだね。なんとなく察しはついていたよ。」
振り向くと、変わったマスクをつけ、コートを着た青年が現れた。流石に誰かはわからない。しかし、うちの学校の生徒であることは確かだ。
「死神の力を得たようね。でも元は人間。まだ慣れてないんじゃ無いの?」
「まさか、君一人相手なら余裕で殺せるようになったよ。」
「戦う前に名前を教えてもらいたいんだけど・・・教えてくれるよね?」
「あはははは、優太とでも名乗ろうかっ?」
___メサラウァーモス、我に武器を与え給え!___
そう言うと、詩菜の周りにいくつもの剣が浮いて現れた。50本はあるかもしれない。
「誕生して間もない魔術師が調子に乗るな。殺すつもりはなかったけど、死なない程度に痛みつけてあげる。」
「確かに誕生して間もない。しかし私は750人を殺してきた!そんな私に1本でもその剣を当てれるかな?」
「当てるじゃない・・・刺す!」
詩菜が手を男に向けると、浮いていた剣はガタガタと動き出し、高速で男の方へ飛んで行った。
「夜明けまで時間はたっぷりある。君がくたばるまで遊ばせてもらおうかッ?!!」
剣が飛ぶ音、それを弾く音が響きあう。
満月の登る夜、魔術師同士の戦いが始まった・・・。
=Chapter1= 完 To be continued…