表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少年に恋した魔術師  作者: にゃんまげ
=Chapter1=魔術師との出会い
5/8

●4●封印された記憶の解除


修学旅行が終わった後の事だった。ある日、詩菜の様子が変になった。


「詩菜、おはよう。」


俺はいつも通り詩菜に挨拶した。いつもだったら返してくれる詩菜だが、今日はしてくれなかった。それどころか、初めて本気で怒っているような顔を見せた。


「優太・・・ちょっときて。時間がないからはやく。」


詩菜は俺を、生徒があまり立ち入らない場所に連れてきた。


「優太、何やってるの・・・。昨日私でなんとかするから学校を休んでって言ったのに!」


どういうことだ?昨日そんな話をした覚えがない。


「そんな話してないぞ?突然どうしたんだよ・・・。」


「どうしたもなにもっ・・・、え、忘れたの・・・?」


「忘れたとかじゃなくて、多分言ってないかと思うけど。」


詩菜は言葉を詰まらせた。そして少し落ち着いた様子でこう言った。


「優太だけは・・・巻き込みたくない。だから、今の会話は無かったことに。」


・・・巻き込みたくない?


「巻き込みたくないってどういうことだ、何かあったのか?」


「・・・私、一つ優太に大事なことを隠しているの。それを知ったら、後戻りできなくなる。」


「俺にできることならなんでも協力する。だから、教えてくれ。」


「・・・わかった。目を瞑って。」


俺は言われるまま目を瞑った。すると、詩菜は手を俺の額にあてた。そして何かボソボソと呟いた。・・・!!!一瞬、頭痛がした。


「ごめん、我慢して、もう直ぐ終わるから。」


頭痛が治まると、妙な感覚がした。・・・あれ、そうだ。確か昨日、詩菜は俺に学校に来るなと言っていた。何故だったか・・・。


「・・・はっ、思い出したっ!!!」


何故こんなことを忘れていたんだ?昨日、詩菜は俺に向かって学校を休めと言っていた。それは何故かって?


うちの学校の生徒が、20人も殺されたからじゃないか!!!!!


「記憶を封印されたようね。関係者の全員の記憶を封印するなんて、ただものじゃない。・・・いや、まさか、750人殺し終わったんだとしたら!!!」


「詩菜っ!!!どうなってるんだこれは!何故俺は昨日の出来事を忘れていたんだ?」


「記憶封印魔法を食らったの。その封印を、私が解いたの。」


「記憶封印魔法だって?魔法?そんなものがあってたま・・る・・・かっ。え、詩菜が、封印を解いた?」


「ごめん、これが私が隠していたこと。私は・・・魔術師なの。信じてもらえないよね。でも絶対に誰にも言わないで。」


その時、予鈴のチャイムが鳴った。そろそろ教室に戻らないといけない。


「取り敢えず、昼休みもう一度話そう。昨日の殺人のことも、魔法のことも。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ