●3●詩菜と優太
いつからだろうか。俺は城崎詩菜のことが好きになっていた。しかし、この気持ちは初めてではない。過去に一度あった記憶があるが、でもなぁ、小学校に入ってからそんなことはなかったと思うしなぁ。幼稚園の時なんか全く覚えてないし。親とかだったら覚えてたりするかな?
「赤城君、部活いかないの?」
「え?あぁ、城崎は行かないのかよ。」
俺は掃除をした後、カバンに手を突っ込んだままボーっとしていた。
それを見て城崎は気になったんだろう。
「私は・・・、うぅん、そうだね、私も行かないと。」
そうは言ったものの、城崎は動かなかった。もしかして、待ってくれてるのか?いや、そう思うのは早いかな。・・・ききたかったことがあるんだった。
「城崎、俺、前から、結構前から、気になってることがあるんだ。」
「・・・なにかな?」
城崎は笑顔でそう言った。
「その・・・こんな俺にさ、出会った時から毎日話してくれるのが不思議に思って。最近は女子ともあまり話してないだろ?」
「それは・・・・・。」
詩菜はどうやら言葉が出てこないようだった。ここは俺から言うべきなんだろうか。
「優太のことが、好きだから・・・かな。」
「ん・・・!!!!」
どうしよう、恥ずかしくて何も言えねぇ・・・!
「・・・お、おれもだよ。」
と、しか言えなかった。突然のことすぎるだろ!駄目だ、今はまともに話せそうにない。
「し、詩菜!続きは帰りにしよう!今は何も言えそうにねぇ。」
「あ、うん。私も。先部活行くねっ。」
いや、もう、俺たちが2人のときって都合よく誰もいなくなるんだろうか。そっちの方が好都合だからいいんだけど。
・・・都合よく・・・こんなこと何度だ?