●2●消えない違和感
数ヵ月だっただろうある程度新しいクラスにも慣れてきた。今は啓介と話していたところだった。
「なぁ、優太。少し疑問に思ったことがあるんだが。いっていいか?」
「ん?なんだ?」
すると啓介はニヤニヤしながら、
「城崎とはどういう関係だ?結構発展してたり?」
「うるせぇ、死ね。」
そういうと啓介は大笑いした。思った通りの回答だったんだろう。
最近はよく城崎と話すようになった。それが親友の啓介からしたら、何かの関係があるかのように見えたのだろう。
でもそんなことはない・・・とは言えないんだよなぁ・・・。
「二人とも何の話してるの?」
「うぁあお、突然話しかけるなよ、驚くだろ。城崎。」
突然城崎に話しかけられた俺は、驚いて乗っていた机から落ちそうになった。
そんな俺の反応に鼻で笑いながら啓介は、変な嘘をついた。
「い、いや、今日の晩飯の話を・・・。」
「嘘でしょ。」
そりゃ、嘘だってバレるだろぉぉぉ!嘘つくの下手だな、啓介のやつ。
「じょ、冗談だって。優太のやつ、お前に気があるってよ!じゃあな!」
「おいテメェ!勝手なこと言って逃げんな!」
あぁ、くそ気まずくなった。昼休みだから皆遊びに行ってるし、いつもは本読んでる奴も図書室に行ってるし・・・。二人っきりだと?!!!
「・・・赤城君。」
「はいいいぃぃぃっ!!」
「実際のところ、何の話をしてたの?」
あれ、これもしかして啓介の話、真に受けてないやつか?それはそれで助かったが。
ここは本当の話をするべきなのだろうか、どうしよう。
「よし、当ててみようか!・・・私の話だねっ!」
「やっぱり真に受けてるやつだ・・・。」
「まぁ嫌な話じゃないと思うから別にいいけどね。それより不知火君追いかけなよ。」
「あ、うん。行ってくるよ。」
俺は教室から出た。左右見渡してみると、トイレの方に啓介がいた。俺は急いで啓介を追いかけた。しかし、啓介は逃げようとするどころか、俺を待ってるように見えた。
「おいおい、勝手に逃げんなよ。」
「いや、お前らを二人きりにさしたらどうなるかと思ってね・・・というのは嘘だ。」
え、嘘なのか?てっきりそうと思ってしまったが。
「どうもな、お前らは何か関係があるように見えるんだが。」
「またその話かよ、もういいよ・・・。」
「そういう意味じゃなくてさ、おかしいと思わないか?出会ってから1日目で、すでにお前らが仲がいいと思ったんだが。」
「うっ、で、でも、別に俺だけじゃないだろ。他の女子とかとも話してなかったか?」
「話してはいた。ただな、慣れていなかったんだろうが、あいつは笑っていなかった。お前と話してる時以外な。」
「観察しすぎだろ。変態か。」
「城崎からは何かを感じてね、別に取ったりしないよ。城崎はお前のものだから。」
俺は啓介の脛を蹴った。啓介は痛い痛いと、けられた足を上げながら教室に向かった。