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Nameloss・M  作者: Anacletus
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Scene00「プロローグ」

出だし。つまり、始まり。

【メタリックガーディアンRPG二次創作】


[Nameloss・M]


Scene00「プロローグ」


―――イヅモ特別区鳳市高校2-1組最後列窓際。


 小さな事かもしれないが、幸せというのは大抵余人にとって理解し難い、あるいは“とてもどうでもいい類のもの”である事の方が多い。


『え~この第一次世界大戦時における技術進歩が人類にとって現在も大きな脅威となっている―――』


 つまり、常連になった店で頼んだツマミに少しだけ色が付くとか。


『その教訓が生かされなかったというのが各国の共通した歴史的に認めた事実であり―――』


 通っていたバッティングセンターでホームランしてしまうとか。


『という事で、第二次大戦は結局のところ今も大きな爪痕を残し―――』


 道端の自販機で釣銭を取ったら、誰かが忘れていったのだろう硬貨が二枚程増えていたとか。


『我々は世界情勢を左右する大きな存在感を―――』


 平和な日々をつまらない学校の授業中に春の日差しを借りて満喫エンジョイするとか。


『そこの君!! もう少し真面目に授業を―――』


 そんな事だ。


 然して、重要には思えないありふれた日常の中に埋もれる一場面ワンシーン


 それが程度の差こそあれど、幸せというものに繋がっている。


 生活に息衝いているのだ。


 世界の情勢がどうあれ。


 教師の講義がどうあれ。


 学校の成績がどうあれ。


 人間というのは言う程、身の丈に合わない願いを幸せとは思わないものなのだ。


『職員室に来るよう担任―――』


 キーンコーンカーンコーン。


「………あふぁ……んぅ……?」


 外を見上げれば、春の日差しも麗らかな大空を黒い鋼の巨人スーパーロボットが飛んでいた。


「平和だ……」


 呟けば、ようやくのように奈落獣アビス警報が学校全体に響き渡っていく。


 そう、世は今や機甲暦アーマード・センチュリー


 世界が超技術の汚染と国家の軋轢で分断される中。


 人々は自らの正義に殉じて戦う者達とその愛機を一つの名で呼んだ。


 ガーディアン。


 守護神とも神の如き機械だともされるソレを駆って戦う者達がいる限り、平和はきっと守られるだろう。


 それが如何に大きな代償を払う【幸福フォーチュン】なのだとしても……。

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