Nameloss・M【シナリオOP】(本編の元ネタ)
これは本編の元ネタですが、本編ではありません。本編はシーン00からどうぞ。
*これは小説化前に書いていたシナリオのオープニングフェイズを手直ししたものです。実際の小説本編の元ネタではありますが、もう中身は大部分が乖離しているので、ミドル、クライマックスと続いても本編とは違う話だとご了承ください。これらの前提で『大丈夫だ。問題ない』という方はどうぞ。今後、時間が出来たら、ミドル、クライマックスも上げていきたいと思います。
オープニング・フェイズ/マスター
その巨大なサイロには並々と水銀が満たされていた。
薄暗い電灯に照らし出された水面は震えている。
壁面内部の一室。
其処には震えの中心であるサイロ最下層を特殊な撮影機器で監視し、映し出すディスプレイが複数存在しており、そんな場所で一組の老人と老女がテーブルで話し込んでいた。
老人「それで事態を収拾出来る目処は付いただろうか? ドクター」
老女「一つ、可能性を探して来たよ」
老人「ほう?」
老女「もしかしたら、どうにかなるかもしれない」
老人「どうにか、では困るんだがな……」
老女「まぁ、やらないよりはマシだ。ただ、仮にどうにか出来たとしても、後々新しい問題になるかもしれないがね」
老人「どういう事だ?」
老女「何、昔から言うだろう? 目には目を。歯には歯を。だから、破滅には破滅をって事さ」
老人「……分かった。そちらに全て任せよう。期限は2週間後……それまでに頼む」
老女「ああ、人生八十年。まだまだ、やりたい事があるからねぇ。偶には世界を救うのも良いだろうよ。名も無き奇蹟を期待するよりマシだとだけ言っておこう」
老人と老女が話し合う最中。
幾つもあるディスプレイの中で紅の輝きが強まり、水銀の中に蠢くものが輪郭を取り戻し始める。
それは巨大な翼に包まれた巨人。
そのように見える何かだった。
水面がグラグラと揺れて、ディスプレイもまたガタガタと揺れる。
老人と老女は同時に同じ画面を見つめて、僅かに表情を引き締めた。
水銀の奥、巨人の胸に彫られた文字がAL粒子によって浮かび上がり、読み取れる。
【Archon】
古の時代。
偽の神を顕した名はしかし、すぐに色と輪郭を失って水銀のベールの中に隠されていった。
オープニング・フェイズ/PC①【仕事の流儀】
君は今日も得意先から言われて非合法の荷物を運んで埠頭に向かっている。しかし、今日の取引はどうやら毛色が違うようだ。君が向かった先にはキャッシュもカードも用意されてはいなかった。そして、非合法の取引現場の近くではフォーチュンによるガーディアンの戦闘が始まりつつある。
場所【鳳市埠頭】
登場者PC①、PC②、テロリスト①、フォーチュン①。
判定(反射)PC①PC②【フォーチュンのいる埠頭から離脱する】目標値8。
成功【君達はフォーチュンの目を掻い潜り、離脱する事に成功した】
失敗【フォーチュンから辛くも逃げ出した君は今後、特定の判定に-1のペナルティーを受ける】
【結末】仕事を何とか終らせ、PC①の住宅に辿り着き終了。
オープニング・フェイズ/PC②【見知らぬ場所】
君はALの代金代わりにされて、今の所有者であるPC①の塒に連れて来られた。既に前の所有者の手を離れた君は一応の自由だ。しかし、何をすればいいのかはまるで分からない。早急に【ミッション】を得る必要があるだろう。それは君が自発的に得るものかもしれないし、PC①から与えられるものかもしれない。とりあえず学校にでも行くせるかとPC①は君の存在に困り顔で悩んでいる。
場所【PC①の住宅】
登場者PC①、PC②。
判定(理知)PC②【PC①の要望で料理を作る】目標値12。
成功【君の料理は何故か素晴らしい出来だった】
失敗【君の料理はそもそもが料理なのかも怪しいものだった】
【結末】料理の結果に付いてPC達が話し合い、結論が出て終了。
オープニング・フェイズ/PC③【目覚める力】
君は幻影騎士団の団長に呼ばれて、イヅモへと潜入していた。明日からは学校に通う事になるだろう。其処には敬愛するサナート・レムリアの占いによって、既に大いなる災厄に近しい者がいると判明している。団の貸し切る倉庫内で君は明日に備えて部屋で装備を点検していたが、不思議な声に導かれて女王陛下から預かった【神皇】の下へと歩き出していた。
場所【PC③の住宅】
登場者PC③、幻影騎士団団長、騎士団員A、B、C。
判定(理知)PC③【機体に選ばれた君はその操縦者に相応しいか試された】目標値10。
成功【君は確かな力を持っていると団員達から賞賛を受け、強化賦活剤×1を購入判定無くポイントを払わずに入手する】
失敗【君はまだまだ未熟だが、頑張れと全員に応援された】
【結末】PC③が任務である学校への潜入に意気込みを語って終了。
*オリジナル機体とする場合は変質した自機に対するRPを行なう。
オープニング・フェイズ/PC④【本当の自分】
*PC①②③のオープニングから数日が経っているものとする。
君は重役の仕事の一環として旧世紀の遺跡の発掘現場へと赴いていた。其処は過去に東亜連邦の研究所があった場所だ。会社と繋がりのある老女が陣頭指揮を取って発掘する現場にはヴェッセーラ重工の最新機材が所狭しと並んでいる。護衛も付けずにやってきた君は其処で運び屋として呼ばれたPC①とPC②に出会う。そして、君は自らが成すべき事を知る事件に遭遇するだろう。
場所【東亜連邦の遺跡】
登場者PC①、PC②、PC④、発掘作業員、ヴェッセーラ重工職員、老女。
判定(反射)PC②、PC④【君達はいきなり遺跡の崩落に巻き込まれた】目標値10。
成功【君は速やかに民間人を脱出させる事に成功し、次シーンにおいてラウンド初めから出撃が可能だ】
失敗【君は脱出に手間取り、次シーンにおいてラウンド2から出撃しなければならない】
オープニング・バトル/PC全員
遺跡より数百m離れた虚空に巨大な空間の亀裂が入っている。その傷の内側から湧き出したのは10m近くあるだろう奈落の獣達。そして、傷を更に抉り開く数百mを軽く超えるだろう黒い“腕”だった。既に周囲は亀裂から生じた爆風で森林が焼き払われており、跡形も無い。辛うじて遺跡の影で守られた車両で発掘作業員達が逃げ出していく。しかし、それを奈落は見逃そうとはしなかった。
PC①は最初からラウンドに登場。
PC②とPC④は判定によって登場出来るラウンドが変化。
PC④はPC①とPC②を監視していた為、いつでも登場してよい。
【敵】セブンヘイズ・ビースト×7 未知の巨腕×1
イベント1【復活の時】
PC①は逃げようとする車両を守るべく無事だったライトニング・ミーレスで出撃する。しかし、巨椀の攻撃によって、その命は尽きようとしていた。その中で彼は不思議な思念を感じ取る。それは契約を求める声。それに応えた時、PC①の前には遺跡に封印されていた旧き時代の遺産が姿を現す事となる。
イベント2【災厄とは何か?】
PC達の活躍によって巨椀は打倒されたかに思われた。しかし、力を隠していたエネミーは復元を果たし、更に巨大となって彼らを襲う。その時、PC①の機体はAL粒子とも奈落の力とも違う緑色の炎を発現し、真の力によって、敵を恐ろしい程に圧倒して粉砕する。この時、浸食を受けた主人公(要RP)をPCの誰かがハウスルール上のPC固有特技で癒してラウンドは終了となる。
【エネミーデータ】
セブンヘイズ・ビースト
種族アビス・ビースト
レベル2(モブ) サイズS
移2 行7 FP7 EN14
体7+2 反7+2 知7+2
理7+2 意7+2 幸7+2
命7 回7 砲7 壁7
武装1:七爪
攻:(斬)7+/白兵7 C値:7
対:0 射程:1
防御:斬0/刺0/殴0
特技 《プロテクション 7》《剛打 2》
巨大な七つの爪を駆使する奈落獣。漆のような黒い体に七本の尾を持つ。攻撃に際してクリティカル値7という破格の能力を持つが、FPは極めて低い。ほぼ全ての数値が七とその倍数で固められている。特技により、必ず7点のダメージを軽減する。名前の通り、七が嫌いになる事請け合いの存在。初期ステータスでは地味に厳しいかもしれない。範囲攻撃で一網打尽にする事をお勧めする。
【エネミーデータ】
未知の巨椀
種族アビス・ビースト
レベル10(モブ) サイズXL
移0 行1 FP100 EN44
体16+5 反16+5 知16+5
理16+5 意16+5 幸16+5
命10 回0 砲12 壁0
武装1:巨椀
攻:(殴)20+/白兵15 C値:12
対:範囲1(選択) 射程:2
防御:斬15/刺15/殴15
特技 《射程延長3:巨椀》 《攻撃力上昇 5》 《プロテクション 5》 《☆ライバル属性》
とにかく巨大な漆黒の巨椀。純粋物理打撃を極めれば、それは即ち天災。移動出来ない部位オンリーなエネミー。何処かのゲームにいるような手だけのラスボスに腕を生やして固定化したような存在。近付くと範囲攻撃が飛んでくる。攻撃を回避しないので早めの総攻撃で沈む漢らしさを発揮してくれるだろう。
PC④【本当の自分】
【結末】奈落より尚恐ろしきモノがあると知り、PC④がPC①とその機体を監視する事を決意してシナリオOPのシーンは全て終了。