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プロローグ

 私はずっと見ていた。

 荒れ果てた町で一人佇む(たたず)彼のことを。

 あたり一面燃え上がった大地で生きている人は恐らく僅か。こういう時代だからと言ってしまえばそうなのかもしれない。でも、、、なぜこうなってしまったんだろうと私は思う。理由はわかってる。宇宙にいるアイツらのせいだと。

 それでもとても悲しくて悔しくて自分が許せなかった。守れなかった仲間を思うと、助けてあげられなかった彼を思うと。

 なぜ私に力がないのか。今だから思う、身体ではなく精神の力が欲しかった。それがあったら彼を助けることができたのに。

 後ろを見ると何人かが倒れていた。見た限りでは100以上いる。中には死んでる人もいると思う。私はすぐ後ろで何かをつぶやいていた少女を見た。近づいてみると、

 「お母さん・・・・・・お父さん・・・・・・」とずっと言っている。

 私は安心させようとその子を抱き寄せる。そうしたら腕を強く掴まれ序々に泣き顔になっていき泣いてしまった。その子はきっと我慢していたのだろう。一人になってしまった悲しさを。

 私は少女が落ち着くまで側にいた。そのうちスー、スーと音が聞こえてくる。いつの間にか寝ていたらしい。そして少女の抱きかかえて歩いた。向かう先は彼のところ。




 彼はただ立っていた。綺麗な銀髪は煤で黒ずんでいる。右手には槍を強く握っていてその矛先から血がこぼれ落ちている。

 彼は空を見上げている。それは彼がいつもしていること。彼は空を見て何を思っているのかはわからない。ただ、その後ろ姿はとても悲しそうだった。


「泣いてるの?」


 私はその後ろ姿からそう聞いた。他に言うべきことがあったかもしれないけど、この言葉が出てしまった。


「・・・・・・うん・・・・・・」


 少し遅れて返事がくる。


「・・・・・・悲しいの?」


「・・・・・・うん・・・・・・」


 この力ない返事を聞くだけで彼の心の状況がわかる。今だけでも助けたいと思った。


「夜空、こっちにおいで」


 もう火は消えているけど煙が一面に広がり真っ黒な空を見ている彼にそう言いうと、彼は顔をこちらに向けた。


「いや・・・・・・いい・・・・・・」


 そう聞こえた時、ちょうど空を覆う煙に隙間ができ、彼の顔を月明かりが照らした。


「今は・・・空を見ていたいから・・・」


 そう言った彼の蒼い目から涙が一筋流れた。落ちた雫は月の光で輝きとても綺麗で・・・・・・

 だから私は何も言えなかった。彼が救えなかった者はたくさんいるけど、今私の腕の中で寝ている少女は彼が救った命。これが命の重み、そして今はその命が愛おしい。

 また空を見上げてる。さっきはああ言ってたけど本当は寂しいんだと思う。そして私も・・・・・・

 だからとなりまで歩き二人で同じ方を向いた。


「あなたは一人じゃない・・・私だけは、ずっと夜空の側にいるから・・・」


 彼は何も言わない。けど何となく「うん」と聞こえたような気がした。

 

 

 見上げた空はとても辛く、悲しく、寂しい。そう思わせるような空だった。

読んでくださった方。只々ありがとうございますと感謝の念に付きません。この物語は中学校の時想像した物語でそれが10年近く経っても続いている想像なのでかなり中学生くさいかもしれませんが何卒よろしくお願いします。

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