表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏葬儀屋  作者: 燕兄さん
14/15

帰りの新幹線にて

 翌々日、柴田のお骨を持った妻と娘は帰りの新幹線の中にいた。

 妻は、骨壷を大事そうに抱え、二人シートの窓側に座っている。

「お母さん、朝からずうっとそうやって持っているよね」

「そうね。だって大事な人なんですもの。ちゃんと連れて帰って丁寧に供養してあげないとねぇ」

「そうだね。でも先生も仲間だなんてびっくりだよね。いったいどういう会社なのかしら」

「しっ、声が大きいわよ」

「大丈夫よ、ほら、そこの人だって寝てるし・・」

といって同じシートの列のとなりの人をチラリと見た。

 確かに、三人がけシートの二つを一人で占有して座っている太ったおばさんは、さっきから口を半開きにして寝ている。

 妻は、どこかで見たような人だなと思いながらも、明確な心当たりが見つからなかった。


 やがて、新幹線は二人が降りる駅に近づいてきた。

 二人は、荷物棚から荷物を降ろしたり、下車の準備を始めた。さっきまで口を開けて寝ていた同じシート列のおばさんも、同じ駅で降りるらしく、立ち上がって荷物の整理をしている。

 その時、列車にブレーキがかかりおばさんはバランスを崩し理穂の方に寄りかかってきた。

「あら、ごめんなさい」とおばさんは理穂に向かって言った後、理穂の耳元でささやくように

(村での出来事はもっと小さな声でね)

と話しかけた。

 ぎょっとした理穂は化け物でも見るかのように目を見開き、そのおばさんの顔をまじまじと見た。

 その太ったおばさんは、二人の驚いた顔を楽しむかのようにニッと笑って再び自分のシートに戻って下車支度を続けた。


 その横顔を見ていた恵子は、「あっ」と小さな声を上げささやくように理穂に言った。

(たしかあのおばさん、行きの新幹線でも近くに座っていた人よ。ということは・・)

 理穂は、母の顔を見てつぶやいた。

(あの人も浦河さんの仲間で、もしかして行く時から監視されていたっていうこと?)

 二人は、葬儀屋と名乗った浦河の会社の底知れなさに不気味さを感じていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ