第三話 変化と壊れ始め
どれぐらいの時間が経過しただろうか…
私は、家中の窓とカ-テンを閉め切り布団の中で怯え続けていた。
最初の頃よりかは、落ち着いてきている。
だが、脳裏には瞬きせずにこちらをずっと見続ける安田さんや複数人の住民の光景が思い浮かぶ。
そんな時だった…
ピンポーン…と家のチャイムが鳴った。
恐らく友人が戻ってきたのだろうと思いつつ玄関へと向かった。
私(それにしても...思ったよりも速かったな。近くの町まで往復で40分かかるし、友人は険しい山道には不慣れなはずだからそれ以上かかるはず…今の時間は…)
私は時間を確認した…
友人が出た時間から45分ほど…
あまりにも速すぎる…
私は出るか迷った…
ピンポーン…とチャイムは鳴り続けている。
私は出ないことにした。
その変わりに、友人に電話をした。
その瞬間だった
ピンポーン…ピンポーン..ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
チャイムが徐々に速まり、チャイムが連打されていた。
ドンドンドン…玄関を叩く音が聞こえる
「すいま-せん…誰かいますか-…」
どうやら、安田さんが訪ねてきたようだ。
私は…出た方がいいのか…
安田さんは、確かにいい人だ…
だが…
私は何か背筋が凍るような監視されているような気持ち悪く不気味な感じがした…
安田さん「留守のようですね…また今度来ます…」
安田さんの声はいつもよりも低く聞こえ、私の耳にはっきりと聞こえた。
まるで…私の傍にいるようだった。
違う…ウソだ!
安田さんは、私が玄関に入るところを見ていたはずだ…
なぜ訪れた…なぜ留守と言ったのか…また来るのか...
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…私が何をしたんだ…何か安田さんに何か酷いことをしてしまったのか…
まさか…殺されるのか…
私はそう考えてしまい、大きく肩を上下させ手が震えていた…
なら…やられる前に…
私は玄関にある真新しい鉄バットを見下ろした。
この鉄バットは護身用のために引っ越しの際に購入した物だ。
否…考えすぎた。
きっと…私が無意識に酷いことをしてしまったに違いない…きっとそうだ…きっと
私は、先程まで考えていた事を忘れようとしたがどうしても鉄バットから目が離せなかった。
そういえば…安田さんの家の周囲には私の家以外は無かったよな…
この村は、限界集落でそれぞれの家同士が離れている…
そして、高齢者も多い。
たとえ、家で何かあっても…
そして深夜に何かあってもこの村は誰も出歩かない…
助けを呼んでも…誰も来ない
友人「ただいま、防犯グッズを買ってきた…何してるん」
聞き慣れた友人が帰ってきたようだった。
その声だけで、私は今までの恐怖が嘘のように無くなり、楽になった。
手には防犯カメラや防犯フィルムなど防犯関係のグッズが沢山入っている袋を持っていた。
友人「なんか…思い詰めたというか…何か怖い顔してるよ」
私「ごめん…いざという時の事を考えていて...」
友人「確かにここらは高齢者も多くて、それぞれの家が離れているから悲鳴が聞こえても助けに来れないよな…ましてや深夜だと尚更…」
私「そうだよね…誰も助けには来ないよね」
友人「それより、早速防犯グッズを取り付けようよ!」
友人は気を取り直して私と一緒に防犯グッズを家に取り付けることにした。
やられる前にやる…か…
私は…私の中で何かが徐々に壊れ始めている気がした。
続く
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