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水野さんに報告を

 ご近所ダンジョンさんでの死闘をなんとかくぐり抜けました。家に帰ってからは放心状態です。

 ご近所ダンジョンさんの、魔物の強さはやっぱり特別だと感じます。


 A級ダンジョンは不思議ですね。

 高位ダンジョンだから、そうなのかもしれません。

 ですが、ダンジョンの変化は危険なような気がします。

 水野さんへ、報告しておいた方がいいかもしれませんね。


 灰色ゴブリンを倒せたのは、私なりに冒険者としての成長しているからでしょうか?

 新しい魔法を取得した後で本当によかったです。

 そうでなければ突破口が見出せませんでした。


 不測の事態が、いつ何時起こるとも限りません。

 冒険者になったからには鍛錬を怠ってはいけませんね。


 水野さんに教えて頂いたハードヨガは、週一で続けています。初日ほどの筋肉痛は出なくなりましたが、90分はハードです。

 トレーナーに相談すると、10分コースの短縮運動を教えてくれました。

 トレーナーが撮られたnewtubeがあるそうで、ダンジョンに行かない日はnewtubeを見ながら、トレーナーの運動をして身体を鍛えています。


 そのおかげか、最近は身体が引き締まって来た気がしますね。


「水野さん、ちょっといいですか?」

「あっ、阿部さん。どうしました?」

「実は、A級ダンジョンのことなんですが」


 私は、アプリで閉鎖になっているご近所ダンジョンさんに、大岩がなくなって入れるようになっていることを報告しました。


「えっ?そうなんですか?それは大変ですね。A級ダンジョンが活動的になっているなら、凄く危険なので調査をしなければいけません」


 あっ、やっぱりそうですよね。A級ダンジョンさんですもんね。


「阿部さん、良ければ調査に協力いただけませんか?」

「えっ?私でいいんですか?」

「はい。目撃者の阿部さんに同行してもらった方がいいと思います。あと数名の調査してくださる冒険者を付ければ」

「それなら私が行こか?」


 声をかけられて振り返ると、梅田さんが立っていました。


「ハルカさん。お久しぶりです」

「お久しって、まだ一週間くらいしか経ってないやん。

 それよりもA級ダンジョンの調査するって?」

「あっはい。うちの近所なんですけど、ボスさんしかいないので危険はないダンジョンなんです」

「うん?危険がないのに調査するん?」

「それが最近まで大岩で入り口が閉じられていたんです。昨日は、ミズモチさんの魔力補給が出来ればと思って、行ってみると大岩が無くなっていたんですよ。

 A級ダンジョンですから、水野さんに報告しました」

「なるほどな。どうなってるかわからんってことやね。よっしゃ、なら私も協力するで、水野さんええかな?」


 くノ一さんのハルカさんが来てくれるなら、確かに調査にはうってつけですね。


「ちょっと待った!私もその調査に一緒に行きたいです」


 そう言って現われたのはシズカさんでした。


「シズカさん?」

「ヒデオさん、こんにちは」

「はい。こんにちは」

「結さんも、遙香さんも、こんにちは」

「湊さん、こんにちは」

「シズッチ、挨拶はええけど。どうしたん?調査やで、面白いことも儲かりもせえへんで?」


 お金を稼げないことをわかって協力をしてくれているハルカさんは本当にいい人ですね。

 それにやっぱり専属で冒険者をしている。ハルカさんと、シズカさんなので、私の知らない間に名前呼びをするほど仲良くなられたのですね。


 A級ダンジョンに大勢で行ったことはないです。

 彼女たちが調査してくれるなら、私としては信頼が出来るのでありがたいです。


「全然問題ありませんよ。今日はユウ君たちも帰ってしまって、一人でヒマをしていたんです」


 言われてみればユウ君と鴻上さんの姿が見えませんね。


「まぁええか、水野さん。三人で調査にいくけどええの?」

「はい。三人で大丈夫です。それでは正式な調査依頼として、それぞれのアプリに送信しておきます」


 冒険者アプリに依頼内容が記載される。


 A級ダンジョンの調査


 報酬日当で三日間、数万円と記載されていた。


 私には十分な報酬ですが、高給取りなハルカさんとシズカさんには悪いことをしましたね。


「あっ、阿部さん」

「はい?」

「少しお話をいいですか?」

「わかりました。すみません。お二人とも先に行っていてもらえますか?」

「早くしてな。私の車でいくから~」

「はい。ありがとございます」


 お二人を見送ってから水野さんの元へ戻ります。


「あの~お話とは?」

「阿部さんは、二人を名前で呼ばれているんですね?」

「ふぇ?あっはい」


 意外な質問に一瞬何を聞かれているのかわかりませんでした。


「……私のことも結と呼んで良いですよ」

「へっ?」

「阿部さんの専属として、少しぐらいは仲良くなるのも大切だと思うのです。ですから、結と呼んでいただけますか?」


 何でしょうか?いつもクールで厳しく見える水野さんがムチャクチャ可愛く見えます。


「もっ、もちろんです!」

「よろしい。それではヒデオさん。これからもよろしくお願いします」

「はい!よろしくお願いします。ユイさん」


 何でしょうか?私は幸せ者ですね。

 皆さんからこんなにも仲良くして貰って、さて、ご近所ダンジョンの調査です。

 途中でミズモチさんを拾って貰わないといけませんね。


 何があるのかわかりませんから……


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― 新着の感想 ―
いい加減、ご近所ダンジョンで頻度は低いが ボス部屋以外でも魔物が徘徊する事あるって 報告しないとダメなんじゃね? 水野さんはボス部屋以外では敵がいないと 思ってるから気軽にお願いしてるけど、A級 ダン…
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