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《近々コミカライズ発売予定》道にスライムが捨てられていたから連れて帰りました  作者: イコ


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スケルトンの墓地 

 山奥にひっそりと建てられたお寺は、いつの間にかお坊さんがいなくなり、近くに住む人たちもダンジョンの出現によって減少していった。


 供養するべきお寺の住職さんがいなくなった見捨てられた古寺には、スケルトンが地面から這い出て彷徨い歩く。


「ひっ!私幽霊ダメなのです!」


 本日は、シズカさんから一緒に冒険に行きたいということで、引き受けた冒険にやってまいりました。

 ユウ君たちも一緒だと思っていたのですが、本日はシズカさんとミズモチさんの三人でダンジョン攻略をするそうです。


「任せてください。プリーストの聖なる魔法が阿部さんを守ります」


 プリーストの装備だというシスター姿のシズカさんは清らかで頼もしいです。


 シズカさんが聖なる魔法を放てば、スケルトンが崩れ落ちて浄化していくのです。

 さすがは、プリーストさんですね。


「ミズモチさん」


 私がビクビクしているとミズモチさんが、スケルトンを引き連れて、シズカさんの元へ連れてきます。囮役をしてくれています。


「はい。浄化しますね。聖なる魔法よ」


 スケルトンさんが、浄化されていくと魔石だけが残されました。

 幽霊とスケルトンは別物なのでしょうか?魔石になってしまって骨はどうなるのでしょう?


 とにかく恐いです。


「阿部さん。恐かったら私と手を繋ぎますか?」

「えっ?良いんですか?」

「もう仕方なくですよ」


 シズカさんの白くて細い手を握ってしまいました。

 やっぱり手を握ってもらうだけでも怖いのが和らぎますね。

 今が、昼間だから何とか耐えられていますが、スケルトンの墓地ダンジョンには絶対に夜は来ませんからね!!!


 夜のスケルトンは強さも増して数が増えるそうです。

 さらにゴーストも出るそうなので絶対に近づきません。


「ふふ、そんなに恐いんですか?」

「はっ、はい。もう子供の頃からこういうのはダメで…… 元々、ビビリな性格でもありますから情けないです」

「そんなことはありませんよ。私は阿部さんのカッコいいところも見ているので、何だか可愛いです」


 年下女子に可愛いと言われました。

 見た目には、私の方がお坊さんみたいなのに情けないです。

 シスターとお坊さんコンビってスケルトンの天敵ぽいのですが、私は役立たずです。


「そういえば、スケルトンは光に弱いそうなんですけど。お昼でも出歩いていますね」


 そう言われてスケルトンを見れば、日陰を選んで歩いておられます。

 お寺には成長した木々がたくさんあるので、日陰が多くて彼らの歩く範囲が増えているのがわかります。


「これ、木を切れば退治できるのでは?」

「そうなんですけど。やっぱり木を切ろうとすると一斉にスケルトンが襲ってくるそうです」

「なるほど。でも、光があるのにスケルトンは襲ってくるんですか?」

「その時は、光に強いスケルトンが現れるそうですよ」


 自分の住んでいる家を壊そうとする人には怖いスケルトンが現れるのですね。

 魔法で光を当てたらどうなるんでしょうか?


「ライト」


 私の頭が光輝くと、何もしていないのに……


「GYAAAAaaaaa!!!」


 断末魔の雄叫びをあげて、スケルトンが勝手に浄化されていきました。


「えっ?」

「あれ?」


 日陰に入って「ライト」を唱えれば、その辺に歩いているスケルトンが浄化して消滅して行きます。

 こうやってみると、スケルトンは誰かの骨を再利用しているのではなくて、魔力が魔物を生み出しているだけのだと思いますね。骨も消滅して、残るのは魔石だけなのですから。


「凄い!阿部さんがいるだけで、どんどんスケルトンが倒せて行きますよ!」


 シズカさんが喜んでくれています。でも、何故でしょうか?スケルトンは倒せているのですが、心の何かが削られていくように感じます。


「阿部さん!」


 シズカさんの声でお寺の向こうから大きなスケルトンさんがやってくるのが見えました。どうやら、木を切って光を増したと誤解されたようです。


「あれは?」

「スケルトンファイターです。光に対して根性で耐えるそうです」

「根性で!!!」


 我慢しているだけなんですね!


「来ます!」

「ライトアロー!」


 私の額から飛び立ったアローがスケルトンファイターによって払い除けられますが、手で払ったせいで……


「GYAAAA!」


 なぜ、ダメージを受けているのでしょうか?


「えっと」


 シズカさんを見れば、私と同じように困惑しておられます。


「ライトアロー、ライトカッター」


 光の矢と刃を連続で飛ばすと、スケルトンファイターが避けようとしてカスリました。


「GYAAA!!!!!!!!」


 物凄い大ダメージを受けておられます!!!カスっただけなのに膝を折ってこちらを恨めしそうな顔で見ておられます。


「これは倒しても?」

「いいと思います」

「ミズモチさん。援護を!ライトソード!」


 私はトドメを指すために、威力が高いソードを頭から生やして近づきます。


 ミズモチさんが、ウォーターボールで援護をしてくれるので、近づくのは簡単でした。


「えい!」


 私は額から生える剣でスケルトンファイターの脳天を斬りました。


「GYAAA!!!!!!」


 スケルトンファイターは悲鳴をあげて魔石へと変わりました。


「あっ!レベルが上がりましたね」


 それから魔力が切れるまでスケルトンを倒して、日が暮れる前にダンジョンを出ました。


「凄いです!1日で倒した魔物の数が今まで一番多いです」


 スケルトンはオークと同じ程度で魔石が取引されています。


 二人で持っても溢れるぐらいの魔石を抱えて冒険者ギルドへ向かいました。

 スケルトンファイターの魔石は、オークナイトぐらい大きいのですが、スケルトンファイターの方が弱かったように感じます。


 何よりも、スケルトンたちが私の頭を見て倒れていく姿を見て、涙が流れたのは何故でしょうか?

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