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ご紹介します

 オークナイトを倒した私たちは、水野さんへ報告するためにハルカさんの車で冒険者ギルドへやってきました。


 ハルカさんが、冒険者ギルドに報告することで仕事を終えた気分なると言うので、ダンジョン終了後にすくに来たのです。


「さぁ、行こか」

「はい」


 冒険者ギルドに仲間と入るのは初めてです。

 湊さんたちとは、冒険に行ったときも現地集合現地解散でしたからね。

 なんだか、仲間がいるって誇らしい気持ちになります。


「うん?ヒデオさん。どこいくん?受付は奥やろ?」


 いつものくせで、インフォメーションに向かってしまいました。ですが、私が冒険者ギルドで報告すると言えば、水野さんなのです。


「私の担当してくれている方はインフォメーションの水野さんなんです」

「水野さん?」


 私はハルカさんを連れて、インフォメーションに向かいました。


「水野さん、お疲れ様です」

「あ、阿部さんお疲れ様です。本日はどうされたのですか?」


 相変わらずお綺麗ですね、水野さん。


「はい。本日はオークナイトを倒したので、ご報告に参りました」

「オークナイト!凄いじゃないですか!阿部さんが成長しているのがよくわかります。オークナイトはC級ですが単独で倒すには大変な魔物なんですよ!」


 水野さんが褒めてくれるのは嬉しいです。


「はい。本日は強力な助っ人がいるのです」

「助っ人?」

「水野さん、ご紹介します。こちら大阪で知り合った梅田遥香さんです。それでハルカさん、こちらがインフォメーションをしながら、私の担当をしてくれている水野結さんです」


 私は、二人にそれぞれをご紹介しました。


「へぇ~メッチャ綺麗な人やね。ヒデオさんがいつもお世話になってます。梅田遙香です」


 うんうん。ハルカさんはやっぱり誰にでも気さくに話しかけられる良い人ですね。


「これはご丁寧に、私なんて全然ですよ。

 梅田さんの方がスタイルがよくてモデルさんのようにお綺麗ですね。水野結です。

 阿部さんには、冒険者さんについて色々と助言をさせて頂いております」


 相変わらず出来るお姉さん系の水野さんは、受け答えも大人ですね。

 パンク系のハルカさんに、私だったら物怖じしてしまいそうです。


 水野さんは、まったく気後れされていませんね。


「ハルカさんは、Bランク冒険者さんなので、色々とご教授頂いております」

「そうなんですね。阿部さんも成長されていますが、先輩冒険者の方に色々と教えてもらうのは良いことです。知らないことも多いので、ベテランの方に教えてもらってください」

「ベテランっていうほどやないけど、そうやね。ヒデオさんの世話はさせてもらうつもりやで」


 お二人が顔見知りになってくれるのはありがたいですね。水野さんはインフォメーションをされていますが、元々受付をされていたので、冒険者さんのことをよく分かってくれています。

 ハルカさんは、大阪からこちらに出てきて、冒険者としては優秀なのはわかりますが、女性の知り合いがいないと不安でしょう。

 水野さんが色々と手助けをしてくれると助かります。


「……そうですか。今後、顔を合わせることも増えると思いますのでよろしくお願いします」

「そうやね。よろしく。そや、さっそくやねんけど、美味しいご飯屋さん知らへん?なんやこっち来てから出汁の味があんまりせんくて美味しく感じへんねん。うどんのスープも真っ黒で、なんかミタラシ団子のタレみたいやろ?」


 ああ、それわかります。関西から東京に来たときに黒いうどんのスープに驚きました。

 でも、お寿司の赤酢とかも最初はびっくりするんですけど、食べ慣れていくと美味しいんですよね。

 私、石川県の方にいったことがあるんですけど、あっちのお寿司は絶品でしたね。


「そうですか?こちらには様々な地域の食べ物が集まっているので、お好みの食べ物はいくらでもあると思いますよ。美味しい物で言うなら、浅草にお味噌汁屋さんがあります。それと銀座には洋食屋さんとか?

 この辺でしたら、近くにカフェあるんですけど、レトロな雰囲気で素敵な店内に美味しいサンドイッチを出されています」


 あれ?水野さんもあのカフェを知っているんですね。

 あのカフェは本当に美味しいですからね。


「そうなんや。やっぱり美味しい店は地元の人に聞くのが一番やね」

「ええ。それに東京に来たら、月島のもんじゃは絶対食べてほしいです」

「もんじゃ?お好み焼きやなくて?」

「はい。月島もんじゃって有名なんですよ」

「そうなんや。知らんかったわ」


 私も月島もんじゃ大好きです。生クリームが混じった濃厚もんじゃは絶品でしたね。

 それにしても女性同士っていいですね。

 食の話ですぐに打ち解けてしまうのですね。


「ハルカさんは、こちらに慣れていませんからね。水野さん。色々と教えてあげてください」

「はい。冒険者さんのサポートをするのも私の仕事ですから」

「ありがとうございます!それと、ハルカさん。食べ物なら私にも聞いてください。

 穴場のおでん屋さんとか、最近韓国料理屋さんデビューもしましたので」

「韓国料理?新大久保の方?」

「えっ?知ってるんですか?」

「まぁ、あっちは有名やからね。観光ガイドに乗っとったよ」


 ええ、私長くこちらに暮らしてますが、全然知りませんでした。


「まぁ、ヒデオさんが色々連れて行ってくれるならええか」

「はい。水野さんご紹介のカフェは本当に絶品です。サンドイッチが美味しいです!」

「ですよね」

「はい!」

「なんや二人で!じゃあ、二人がオススメなら今から行こうや。夕食の時間も近いしな」

「いいですね。ミズモチさんも、あそこのサンドイッチが大好きなんです」


 ハルカさんの歓迎会も出来て居なかったので、本日は歓迎会も兼ねて私が奢りますよ。


「水野さんも行かれますか?」

「すいません。まだ仕事なので、お二人で行ってきてください」

「そうですか。残念です。それではハルカさん。ミズモチさんと三人で歓迎会と行きましょう!」

「ありがとうな。水野さんもまたね」

「はい。いってらっしゃいませ」


 水野さんに見送られて、私たちは冒険者ギルドを後にしました。


 カフェのサンドイッチはハルカさんにも絶賛して頂きました。ハルカさんは、カフェではコーンスープを頼むそうです。私、コーンスープをカフェで頼んだことがなかったですが、頂くと美味しいのですね。


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