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《近々コミカライズ発売予定》道にスライムが捨てられていたから連れて帰りました  作者: イコ


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オークの廃道 2

 会社が通常営業になったことで、冒険者業が疎かになってしまいました。

 事務仕事の仕事内容は、それほど忙しい時期ではないのですが、現在は電子決済制度が導入された手続きに追われております。


 政府が、お金の管理をしたいのは分かるのですが、新しい制度に対応しなければいけない事務員は大変です。

 インボイス制度などと言われても困ってしまいますね。


 それも理解している人が少ないので、営業さんに領収書をもらう際に【インボイス登録番号がある物しかダメですよ】と言わなければなりません。


 そのたびに説明が必要なので、二倍しんどいのです。

 それも営業さんだけでなく、取引相手にも説明もしなければいけない場合もあり、電話対応で喉が枯れてきました。


 消費税のことです。と説明をするのですが、皆さんなかなか理解が難しいようです。


 最近はレシートに見慣れない番号があるでしょ?というと、なんとなくわかってもらえるのです。

 そう言えば、レシートといえば私の大好きなチキン屋さんは、レシートにその日に販売する産地を記載しているそうです。


 企業努力と言いますか、面白味を持たせているのは凄いですね。


 あっ、あまりにも忙しいので現実逃避をしていました。


「阿部さん。お電話です」

「ありがとうございます。こちらの書類をお願いします」

「はい」


 私が電話の対応をしなければいけないので、書類を矢場沢さんにお願いしなければなりません。

 矢場沢さんの仕事量も増えて、本当に申し訳ありませんね。


「今日は元気が出るランチを用意してきたので、もう少しだけ頑張ってください」


 小さな声で囁いてくれる矢場沢さん…… 

 最高ですか?あなたは私にとって天使です。

 ミズモチさんが癒やしなら、矢場沢さんは私の天使です。


 もう、私の人生は二人がいればいいのではないでしょうか?矢場沢さんにプロポーズして、私とミズモチさんをお世話をしてくれないですかね?


 ハァ~忙しいとバカなことばかり考えますね。


「やっと週末がやってきました!!!」


 地獄でした。


 本当に今週は地獄の一週間だったと言えるでしょう。


 仕事場で矢場沢さんのお弁当がなければ乗り切れませんでした。

 家に帰って、ミズモチさんの癒やしがなければ乗り切れませんでした。


 身体は凄く疲れています…… 

 疲れているのですが、ミズモチさんの為には行かなければいけません。


「さぁ、ミズモチさんやってまいりました。

 本日は午前中で終わりたいと思います。さくっと行きましょう」


《ミズモチさんはプルプルしながら、頂きますと言っています》


「ええ、ええ。もう好きなだけ食べてあげてください。魔石はぺっとしてくださいね」


 私は疲れすぎて、少しテンションがおかしな方向に進んでいたと思います。


「オーク!発見!察知さん、ナイス!」


 オークを見つけては、黒杖さんを構えて突撃をかけます。もちろん、油断はしません。基本も守ります。


「あのクソ上司!!!全て私に押しつけてんじゃねぇ!!!」


 私だってストレスは溜まるのです。


「営業さん!!!あなたも少しは勉強しなさい!!!社会人ですよ!!!給料貰っているなら勉強もしないとダメです!!!」


 1匹目を倒して、次を倒します。


 私が2匹目を倒している間に、ミズモチさんはボアを3頭も完食されていました。


「ハァハァハァ、取引先の子もなんで知らないのですか!!!あなたも事務仕事を仕事にしているなら知っておきなさいよ!!!」


 3匹目を倒したところで、私は息が切れてしまいました。


 ご近所ダンジョンのオーガさんよりも弱く、大勢のゴブリンたちにも対応したお陰なのか随分と戦い慣れてきたような気がします。


「ミズモチさん。いかがですか?」


 私が視線を向けるとミズモチさんの前には10個の魔石がありました。


「え~!!!あの大きなボアを10匹も食べたのですか!!!ミズモチさんの胃袋は宇宙ですね!!!」


《ミズモチさんはプルプルしながら、おかわりと言っています》


「まだまだ行けるのですね。なんだか私の方が胸焼けしてきました。ハァ~でも、少しスッキリできました。色々と私も溜めていたんですね」


 それから追加で3匹ほど、私がオークを倒して、ミズモチさんが10匹を完食したところで、レベルアップ音が聞こえてきました。


「あら?久しぶりですね。レベル7になりましたよ。ミズモチさん」


《ミズモチさんはプルプルしながら、おめでとうと言っています》


「ありがとうございます!!!ミズモチさんも随分と話してくれるようになりましたね。これから念話さんはどんな風に進化するのか楽しみでなりませんね」


《ミズモチさんはプルプルしながら、はいと言っています》


「ミズモチさんも楽しみですか?ハァ~キリもいいので帰りましょうか?」


《ミズモチさんはプルプルしながら、おかえりと言っています》


「まだ家には帰れませんけどね。冒険者ギルドに魔石を持って行くとしましょう」


 冒険者ギルドは慌ただしい様子で、インフォメーションに水野さんもいませんでした。私は仕方なく受付に向かうと、冒険者登録をしたときのスキンヘッド受付さんがおりました。


 私もスキンヘッドになってしまったので、互いに見つめ合います。


「カード」

「はい」


 私は冒険者カードと魔石を置きました。


 何故でしょうね……


 前よりも、何が言いたいのか分かるような気がします。

 スキンヘッドにしたから、以心伝心できるようになったとかでしょうか?


「こっちへ」

「えっ?」


 カードを返されると、スキンヘッド受付さんに奥へ案内されました。

 そこには水野さんの姿があり、スキンヘッドさんが水野さんの横に移動しました。


「あっ、ギルドマスター!と、阿部さん?」

「えっ?ギルドマスター?」

「はい。こちらは高橋ギルドマスターです。阿部さんは知らなかったのですか?」

「まったく知りませんでした」

「ギルドマスターは何のようで……あぁそういうことですか」

「えっ?なんですか?」


 私、何かしてしまいましたか?偉い人に裏に連れて行かれるとか恐すぎです。


「悪いことではありませんよ。阿部さんはモンスターパニックの功労者なので、報奨金が出ているんです」

「報奨金?」

「はい。ギルドマスターがここに連れてきたのは、報奨金を渡すためだと思いますよ。私も本日は臨時でお手伝いをしているので」


 色々と説明してくれた水野さんによると、モンスターパニックを手伝った冒険者全てに報奨金が出ているそうです。私が、なかなか冒険者ギルドに来ないので、渡すのが遅くなったということらしいです。


 ギルドマスターさん。さすがにそれは察することが出来ませんよ!!!

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― 新着の感想 ―
ギルドマスターだったんかい!ギルマス不親切すぎ!!受付上がりっていうより、格の高い冒険者の引退後の職業なのかな?
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