四国旅行 終
大塚国際美術館のボスを倒して、魔石が落ちたことでホッと息を吐きます。
今回はドロップ品はありませんでしたが、レベルが上がってくれたようです。
ありがたいことにこの美術館はエレベーターも完備してくれているので、ボスモンスターを倒した後は、エレベーターが起動してくれて地上に戻ってくることが叶いました。
早速、カオリさんが冒険者ギルドへ連絡を入れて、ダンジョン解放部隊がやってきてくれました。
カオリさんには外で待っていて、もらって私とミズモチさんが同行してエレベーターでボス部屋に戻って解放されるのを確認しました。
Aランクになれば、相当量の魔力が大塚国際美術館に内包されていたようで、かなりの時間がかかって解放されました。
「ふぅ、なんとか無事に戦いを終えられた実感がやっと持てました」
大塚美術館からの帰りは、冒険者ギルドが用意してくれたハイヤーで移動をします。今回のダンジョン解放は徳島の方でも解放を願っていたようで、かなり喜んでもらえました。
「そうですね。お疲れ様でした」
「いえいえ、カオリさんとミズモチさんがいたからこそ攻略できたのです。今回のMVPはカオリさんに間違いないですよ」
「そんなことはないですよ」
「そんなことありますよ。地下一階までカオリさんがほとんどの魔物を一人で倒してくれました。地下二階ではミズモチさんが、そして私はボスを倒しただけです」
私は今回つくづく仲間の大切さを思い知らされました。
カオリさんがいなければ、のっぺらぼうマネキンは絶対に全てを倒すことはできませんでした。
カオリさんが知恵を授け、魔法を放ち、魔物を倒してくれたことで、道を作ってくれました。
「ですから、ありがとうございました。カオリさんがいなければ今回のダンジョンは攻略できなかったことは事実です」
「そういってもらえて嬉しいです」
「ゆっくりと休むことにしましょう」
「はい!」
私たちはホテルに戻って一日どっぷりと眠りました。
緊張の連続でしたからね。
寝てしまうと起きるのが、やっとでしたね。
「さぁ、四国も本日で最後です。徳島といえばうずしおですね。徳島県立渦の道をフェリーで観光です」
最終日とはいえせっかくきたので、観光はしておきたいです。
阿波踊り会館にもよって、移動しながら私たちは徳島空港を目指しました。
両親に絆ギルド、ユイさんカオリさんへお土産を送り終えて、
新幹線や車だとすごく時間がかかってしまうので、今回は飛行機で東京まで帰ることにしました。
飛行機で三時間かかりましたが、これが一番早い帰宅手段だったのです。
羽田空港に着いて、自宅まで電車でのんびりと帰ります。
ずっと家から離れていたので、体としては疲れていないと思いながら疲れていたようです。
家に帰りつくといつも通り旅行から帰ってきた時のルーティンとして片付けをして部屋の空気を入れ替えます。
シャワーを浴びて、買ってきた弁当を食べて眠りにつきました。
疲労が押し寄せてきたようです。
カオリさんも同じだったようで、今回は1日ゆっくりと眠るようにしました。
二人とも何かを言わなくても、ゆっくりとしたいという気持ちが伝わってくるので、ただ静かで穏やかな時間を過ごすことにしました。
何か特別なことをするのではなく、ネットで配信された話題のドラマを見たり、少し前の映画を楽しんだり、それだけでは時間が余ってしまうので、ご当地で買い貯めしたお酒の数々を楽しみ。
自堕落で、のんびりとした日々を三日程過ごしたところで旅支度をしました。
「カオリさん」
「はい?」
「京都から帰ったら引っ越しをしませんか?」
「良いのですか? この家は気に入っていたのではないんですか?」
「気に入ってはいましたが、もしかしたらこれから家族が増えるかもしれません」
私たちの間に子供ができるかもしれない。
白鬼乙女さんを迎えることができるかもしれない。
この家には二十年間住んだ思い出があります。
ですが、もしも全ての事件を解決できたなら、心機一転するのもありだと思うのです。
「ヒデオさんがしたいようにしてくれていいですよ。私はどこでもヒデオさんがいてくれるのであれば問題ありません」
「ありがとうございます。家なので、私一人では決められません。移動がしたい場所もないので、広い家があればいいなと思うぐらいです」
「ふふ、漠然としていますね。まぁ東京じゃなくてもヒデオさんのご実家近くでも私は問題ありませんよ。まぁ冒険者ギルドの人たちとは仲良くなれたので少し寂しくは感じますが」
カオリさんの憂いを帯びた顔を見て、私は東京から離れるつもりはないことを伝えます。
「どこかに行くのも便利なので、拠点は東京に残したいと思っています。ですが、これは区切りみたいなものだと思ってくれれば嬉しいです」
「はい! どんな場所でもヒデオさんがいいと思うところで大丈夫です。お金はたくさん、ヒデオさんが稼いでくれたので。マンションでも立てますか?」
それもありかもしれませんね。
冒険者を引退した後の資金調達にもなりますので。
「またゆっくり考えましょう」
「はい!」
私たちは旅支度をして、東京駅へ向かいます。
目的地は京都です。
酒呑童子ダンジョンへ挑戦します。




