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《近々コミカライズ発売予定》道にスライムが捨てられていたから連れて帰りました  作者: イコ


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四国旅行 8

 私たちが地下に降りていくと、近代的な名画やバロック時代の名画が一部屋一部屋に飾られていて、圧倒されるほどの美しさを誇っています。


「ゆっくりと美術館にくる機会ってほとんどありませんでしたが、美術品の価値もわからない私でも知っているような名画ばかりですね」

「はい。ゴッホやムンクなんてよく聞いたことがありますよね。私も見たことがないので、こういう形で見れて嬉しいです」


 敵が現れないので、ついつい美術品鑑賞をしてしまいます。


 ダンジョンになってしまったことで、現在は人がいないので私たちの貸切状態です。地上階にいたのっぺらぼうマネキンは姿を見せていないので、なんだか拍子抜けしてしまいますね。


「のんびりとした雰囲気ですね」

「はい。ですが、何をしてくるのかわかりませんからね」


 私たちが警戒しながら、個室に入ったところで危機察知さんが反応を示しました。振り返ると黒いのっぺらぼうマネキンがこちらを見ていました。


「えっ? 黒?」

「先ほどの魔物とは違うのでしょうか?」

「どうでしょうか? ただ危機察知の反応はオレンジです。まだ対応可能だと思います」

「わかりました。それでは!」


 カオリさんがブラックホールを展開して、落とし穴を作ります。


 ですが、黒いのっぺらぼうマネキンは、カオリさんが作り出したブラックホールに落ちることなくその上を歩いてきました。


「えっ?」

「おや?」

「ヴュ?」


 三人とも、驚いている間に黒いのっぺらぼうが近づいてきます。


「ヴュ〜!」


 一番早く動いたミズモチさんが体当たりをしましたが、ボヨンと互いにダメージを受けていない様子で跳ね返ってきます。


「えっ? ミズモチさんの体当たりが効果ありません!」

「これは! もしかして一階、二階で倒した方法が効かなくなっているのではないでしょうか?」

「なるほど、では二人の攻撃では倒せないことになるので、私が」

「いえ、ヒデオさんは後にいてください」

「えっ?」

「もしも、相手がこちらの攻撃を蓄積しているくタイプなら、ヒデオさんは切り札ということになります。ですから、ここは私とミズモチさんで対処します!」

「ガヴュ〜!」


 ミズモチさんもやる気になって二人で前に出ます。


 寂しくはありますが、ここは二人に任せることにしました。


「ミズモチさん。私は攻撃力が非力です。魔法は自信がありますが、ブラックホールが効果ありません。ミズモチさんはまだ魔法があるので、そちらで攻撃をして欲しいのですが、《毒》は絶対に使わないようにお願いします」


 カオリさんがミズモチさんに指示を出して、二人が黒いのっぺらぼうの前に立ちました。

 カオリさんは、理力の杖と呼ばれる魔力を攻撃力に変えることができるステッキを取り出しました。


 私のように杖術を習っているわけではないので、ただ殴るだけではありますが、魔力を込めることでかなり強力な攻撃にはなるはずです。


「カオリさん!」


 カオリさんが迫る黒いのっぺらぼうに向かってステッキを振り上げましたが、相手の動きの方が早いです。

 殴りかかろうとする相手に、ミズモチさんが気づいてカオリさんを引き寄せました。


 さらに、自分の背中にカオリさんを乗せて、高速で動き始めます。


 私のように操作技術がないカオリさんでは、ミズモチさんにしがみつくことしかできません。

 後ろから見ていることがこんなにも不安で心配だと思ってもいませんでした。


 二人は大丈夫でしょうか? カオリさんが戦わなくても、私とミズモチさんでなんとかできたかもしれない。


 ですが、カオリさんは戦えないことを悔しいと言われていました。

 ですから、私はここは彼女の意思を尊重して我慢するしかないのですね。


「カオリさん! ミズモチさん! 頑張ってください!」


 私にできるのは二人を応援することだけです。


「はい!」

「ヴュ〜!」


 カオリさんはミズモチさんにしがみついているだけだと思えば、しっかりと返事をしてミズモチさんの背中で黒い球体を作り出していました。


「あれは?」

「ブラックボール!」


 闇魔法が効かないのかと思いましたが、魔法を変えてカオリさんが放った黒い球体は、黒いのっぺらぼうマネキンの脳天を撃ち抜いて魔石へ変えてしまいます。


「おや?」


 意外な決着にどうやら技を変えて放つことができれば、倒せるということでしょうか? これも新しい発見ですね。

 

「倒せました!」

「よかったです。お二人が危険な相手と戦っている姿を見るだけでハラハラしてしまいます」

「ふふ、私がいつも二人を心配しているのが伝わってよかったです」


 カオリさんがイタズラを成功させたような顔をしています。

 ですが、私がいかに心配をかけているのか分かるので、申し訳ない気持ちにもなります。今後はもう少し考えた行動をしないといけませんね。


 危なくなるとついつい集中してしまうので、気をつけなければいけません。


「さて、次に行きましょう」

「はい」


 その後も黒いのっぺらぼうマネキンに遭遇して、カオリさんが使った技は通用しなくなっていくのを感じます。

 どうやらカオリさんの予想通り、こちらが倒した技は他の魔物に共有されて蓄積されていくようです。

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