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湊さんからのクリスマスプレゼント

 久しぶりの戦闘で疲れてしまったので、家に帰ってからすぐに寝付いてしまいました。もう考えることをやめたいと思うときもあるのですよ。


 朝、目が覚めて……昨晩のことを思い出せば……


「どうして頭が光るのですか!!!」


 普通は手から出ますよね?もしくは杖から?私の黒杖さんからは魔法が出ないのでしょうか?魔法使いさんって杖もってますよね?ハァーなんなんでしょうね。


「もういいです。ミズモチさんの魔法も見られましたからね。ミズモチさんはあれだけ大量の水を吐き出していたのに、水餅サイズになっていませんね?どういう原理なのでしょうか?」


 ミズモチさんが縮みました。


「ふふ、縮んでほしいわけじゃないんです。ハァ~クリスマスに何も予定がないって、あっそう言えば湊さんに予定を空けておいてほしいと言われていましたね」


 私はスマホを取りました。


【湊】『今日のお昼にお会いしたいのですが?いかがですか?』


 おお、本当にクリスマスにオジサンに会うんですね。

 お昼からなら、先に冒険者ギルドに行くのもありですね。


【私】『はい。大丈夫ですよ。どこに行けば良いでしょうか?』


 よし。返信ができました。


【湊】『よかったです。それでは冒険者ギルドでお願いします』


 おや?冒険者ギルドですか?ふむ、どうやらクリスマスは全く関係ないのですね。


【私】『承知しました。それではお昼に冒険者ギルドへ向かいます』


 ついでにドロップアイテムも換金しましょう。

 カリンさんいますかね?水野さんにもあれ以降会っていないので、どうなったのか聞かないといけませんね。

 ハァ~仕事が忙しくて色々とやらなければ行けないことが残っていますね。


「ミズモチさん。私は出かけてきますね。ご飯はいつもの場所においておきます」


《ミズモチさんはプルプルしながら、はいと言っています》


 ふふ、すっかりコタツがお気に入りですね。

 コタツスライムって可愛いです。


「さて、出かける準備をしましょうか」


 本日は冒険はしないので、装備は必要ありません。

 ですが、杖を持ち歩くことは定番になってしまったので、黒杖さんとドロップアイテムをリュックに入れてスーパーカブさん発進です。


 さすがにパンパンで重たいですね。


 冒険者ギルドに入ってインフォメーションを通ると、水野さんの姿がありませんでした。

 クリスマスなのでデートですかね?水野さんは美人さんなので、まぁ仕方ないですね。


 ちょっと残念な気持ちになるのは、お気に入りの店員さんに会えなかった悲しさといった感じでしょうか?


「カリンさん。ドロップ品をお持ちしました」

「おっ、久しぶりだね。鑑定するよ」


 ゴブリンの剣(状態 不良)

 ゴブリンの木の盾(状態 不良)

 ゴブリンの弓(状態 不良)

 ゴブリンの矢×5(状態 不良)

 ゴブリンの木の杖(状態 不良)


「うん。どれも魔力量が多いな。それに弓と矢がセットでそろって居るから、よし。鑑定終わったよ」


 前回が2品で25万でしたからね。今回はどれぐらいになるのでしょうか?


「ゴブリンの剣が10万。木の盾はあまり需要ないから5万。ゴブリンの弓と矢のセットで15万。ゴブリンの木の杖は25万だね。合計55万だよ」


 はっ?いやいやいや、ゴブリンの剣は需要があるって前に言っていました。

 それに弓と矢のセットが高いのもなんとなくわかるんですが、どうして木の杖が25万なんですか!!!


「うん?ああ、杖が高い理由は魔力の伝達力が強いからだよ。初心者マジシャンとかは木の杖しか買えないから、基本的に木の杖は人気なんだよ。

 その中でも阿部さんが持って来てくれたこいつは、かなり魔力量が多い上に伝達させる力が強い。ということは魔法になれていない子でも魔法が上手く使えて、消費魔力も節約できるからいいんだよ」


 丁寧に説明してくれるカリンさんに冒険者カードを渡して入金してもらいました。


「そうだ。今日も何か買っていくかい?」

「あっ、いえ。今日は待ち合わせしているので」

「そっか、残念。まぁ必要な物があればいつでも言ってくれ」

「はい」


 男前なカリンさんと別れて、私は待ち合わせ場所である冒険者ギルドの入り口へ向いました。

 そこには白いフワフワコートを着た。可愛い女の子が立っていました。


 それはまるでドラマを演じる女優さんがテレビから出てきたような綺麗な子でした。


「あっ!阿部さん。冒険者ギルドの中にいたんですね。メリークリスマスです!」

「えっ?私ですか?」

「うん?ああ、そういうことですね。私、湊です。湊静香です。レベルが3になったんです」

「はい?」

「私も驚いているんですけど。レベルが上がったときに、もっと可愛くなりたいって願っていたみたいです。

 そしたら、魅力+1っていうスキルにあって、ほとんどのスキルポイントを使っちゃったんですけど、思い切って取っちゃいました。そしたら、自分史上一番可愛くなりまして」


 湊さんが、サイレントのメインヒロインをされている美人女優さんのような美少女になってしまいました。

 元々可愛かったですが、なんだか輝いて見えます。

 あれですかね?私の発毛と同じで、レベルアップは、その人の願望を叶えてくれているのでしょうか?


「阿部さん。私……どうですか?」


 上目遣いに見上げてくる湊さんはあざと可愛いです!オジさん、もう顔が真っ赤でどうしていいかわからりません。ですが……きっと湊さんが言ってほしい言葉は……


「可愛いです。凄く」

「……まっ、まぁ分っていますけど」


 湊さんの顔も赤いような気がしますね。


「そっ、そんなことをはどうでもいいのです。今日は、阿部さんにクリスマスプレゼントを渡したくて」

「クリスマスプレゼントですか?!」

「はい!でも、本当はこの間のお礼も兼ねています。ですから、私だけじゃなくて、パーティーとしてですが。受け取ってください」


 そう言ってクリスマスプレゼントの包装をされた紙袋を渡されました。


「あっ、ありがとうございます!!!私、社会人になってクリスマスプレゼントを初めて頂きました」

「ふふ、阿部さんの初めてを頂きました」


 あっ、ヤバいですね。その微笑み見ては惚れてしまいます。メチャクチャ可愛いです。


「あっあの、ここで開けても良いですか?」

「はい!」


 包装を丁寧に外していくと、大きな服が現われました。


「これは?」

「ローブです」

「ローブ?」

「はい。冒険者の装備なんですけど。阿部さんって胸当てとヘルメットしかしていませんよね?全身の装備はしていなかったので」


 私のことを心配して選んでくれたんですね。


「ありがとうございます。着てみてもいいですか?」

「はい!」


 私は上着を脱いで、頂いたローブを着てみました。

 上下が一続きなっていて、袖のついたワンピース形式のゆったりとしたローブは、思った以上に軽くて全身が包み込まれている安心感があります。


「うわ~凄く似合っています!」

「そうですか?」

「はい。神父さんみたいです!」


 スキンヘッド+ローブ=神父さん。

 なるほど!!!クリスマスですもんね!

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