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パーティーの報酬分配

 ボス毒蛇を倒して、水の中に落ちた魔石を拾うのに苦労しました。

 そんな苦労を終えた我々は、ダンジョンから帰還して、冒険者ギルドに戻ってきました。


 長さんに連絡して、ギルドのパーティールームを貸していただき。


 パーティーとして、報酬の分配を行います。


 今回は、ボス毒蛇を倒すこともできて、大量の魔石と、ボス毒蛇がドロップした蛇の皮、毒袋などをカリンさんに鑑定していただき、高値で売れることがわかりました。


 そして、私としてはレベルが上がってくれたのが一番嬉しい結果です。


「えっ?! こんなにもらってもいいの?」

「しっ、師匠! ボスを倒したのは師匠ですよ!」

「多い!」

「まぁ阿部さんやからな」


 ダンジョンのボスモンスターは何度も復活するのですが、今回のボス毒蛇さんはレアボスさんだったそうです。普段のボス毒蛇は炎を纏ってはいないそうです。


「前回もそうでしたが、パーティーですから均等に分配しましょう。それぞれが役割に応じて仕事をしているのがパーティーです。誰がどれだけ働いたのかは関係ありません」

 

 レアボスさんは、二属性持ちの強力な魔物でした。


 魔石が普通のボスよりも大きく。

 魔石の大きさからA級のボスとして認定してもらえました。

 そのため報酬も多くなっております。


「五人で分けても一人につき帯が二本はまぁまぁやね」

「帯?」


 ハルカさんの発言がわからなかったようで、サナさんが首を傾げました。


「お札に帯が巻いてあるやろ? それを帯っていう言い方をするんや」

「へぇ〜そうなんだ。帯二つ。こんなに稼げたのは初めてだよ」

「ああ、前回のエレファントでも一人の取り分は、この五分の一ぐらいだったからな」


 サナさんとタツヒコ君は、大きいお金を見て素直に喜んでくれます。

 私も内心では皆さんとパーティー戦をしてここまでの大成果を出せたことに喜びを感じています。


「うわ〜最近って、稼いでもすぐに藤丸のご飯と自分の装備で無くなっちゃうんだようね。それに家に入れる生活費もあるし助かる!」


《ワン!》


 藤丸君も嬉しそうです。


「ふぅ、確かにまとまって稼げるのは気持ちが楽になるな」


 タツヒコ君も人生の苦労を味わっているのでしょうね。

 私もあまりお金に関しては得意ではありません。

 カオリさんに相談しているので、最近は少しずつ改善しています。

 若い間は欲しい物も多いでしょうから大変でしょうね。


「服買いにいく」

「綾波さんいいなぁ〜私も行きたい」

「ええなぁ〜うちもそうしよかな」

「俺はパス。今日は疲れたから帰る」

「そうですね。明日はお休みにしてお互い。ゆっくりと休みましょう」


 タツヒコ君の言葉を聞いて、私が話をまとめると。

 女性たちは三人で出かけて行きました。


「良かったのですか?」

「はい。本当に疲れているんです。誰かとずっといるってだけで疲れるものですね」


 今まで友人らしい友人がいなかったタツヒコ君は、ぎこちなくはありますが頑張っていることが伺えます。


「タツヒコ君は本当に頑張っていますね」

「なんです? 急に」

「最初は人とのコミュケーションをとることを苦手としていました。ですが、飲み会に参加したり、女性たちとパーティーを組んだり、たくさんの人間関係を経験しています。それはあなたにとって成長だと私は思うのです」

「……ハァ、そりゃ勇者だと思っていたのに冒険者になったらビーストテイマーの方が強いって知ったら萎縮もします」

「うん? ビーストテイマーの方が強い?」


 どういうことでしょうか?


「わかっていないのがまたタチが悪い。世間では最弱と呼ばれるスライムが、二属性持ちのレッドポイズンサーペンダーを倒せるなんて聞いたことないですよ」


 なるほど、ミズモチさんに出会ったことで自信を失い気持ちを改めたというわけですね。わかります。いつもミズモチさんには私も助けられていますからね。


「師匠」

「はい」

「俺、必ず強くなります。師匠やミズモチさんが頼りたくなるぐらい強く」

「ええ、あなたならなれます」


 突き出された拳をぶつけ合い。

 ミズモチさんが二人のぶつかり合った拳の上に乗ってくれます。


「それでは失礼します」

「はい。ゆっくり休んでください」


 私はミズモチさんと共に家に帰る間にカオリさんに連絡を入れました。


《明日は休みになったので会えますか?》

《はい。大丈夫ですよ》

《ありがとうございます。来週は遠出をするので、本日、買い物に行きたいのでよろしくお願いします。お付き合いいただけれ嬉しいです》

《わかりました。買い物デートですね》


「デート! ふふふ、なんだかただ買い物に行くだけなのに響きがいいですね」


 私はスーパーカブさんに乗り込んで。明日のことを考えてウキウキしました。


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