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チーム・ホーンブレイク結成

 私はタツヒコ君、サナさん、綾波さんの三人とグループを作って、一斉にメーセージが見える。


 チームホーンブレイクのグループチャットに集合を呼びかけました。


 彼らは専業で冒険者をしているので、私を混ぜてくれているのがありがたい話です。


《タツヒコ》『了解しました』

《サナ》『はーい!先生』

《綾波》『わかった』


 三人にはA級試験を受けることは伝えてあります。

 そのため今回は、ハルカさんとの顔合わせのために集合していただきました。

 

 場所は私が設けることになったので、皆さんが満足してご飯が食べられるところで個室の焼肉店を予約しました。

 少しだけお高くはありますが、私の昇格のお手伝いをして頂くのでお礼を兼ねています。


 私が仕事終わりに向かうと、店の前に待ち合わせてしていたハルカさんと合流しました。

 本日のハルカさんは、ジーパンにクマのぬいぐるみが自分で頭を外しているイラストが描かれたTシャツに、淡い色のシャツを羽織ったラフな装いです。

 帽子にメガネをつけておられるのは、有名人のようです。


「お待たせしました。ハルカさん」

「そないに待ってないよ。それよりも緊張するなぁ〜ヒデオさんの弟子たちなんやろ? ウチで大丈夫なんかな?」

「それは問題ないと思います。みなさん良い人ですから」

「はいはい。ヒデオさんにかかれば誰でもいい人やわ」


 私はハルカさんを伴って中へと入りました。一番奥である上座にハルカさんに座っていただき。私は横に座ります。

 対面には三人に座ってもらおうと思っています。


 ハルカさんと三人の印象に話していると、三人が部屋へと案内されて入ってきました。


「お待たせしました。師匠」

「先生、待った?」

「お邪魔します」


 三人が部屋に入ってきて、それぞれに挨拶をしてくれます。


「皆さん。お疲れ様です」


 一先ず座ってもらい、ハルカさんの前にタツヒコ君、サナさん、綾波さんの順番で座っていきました。


「皆さん本日は私の昇格試験に協力してもらうために集まってもらいました。顔合わせも兼ねているので、まずは紹介からして行きますね。ハルカさん」


 私が名前を呼ぶと、帽子とメガネを外したハルカさんを見て、サナさんが立ち上がりました。


「梅田遥香さんですよね!」

「ええ、そうよ。よろしくね」

「誰?」

「綾波さん、ハルカさんは冒険者ギルドの顔って言われるぐらい有名な人だよ!」

「ああ、俺でも知ってる。師匠の知り合いだったんですか?」

「そやで。地元が一緒やねん。そんで」


 ハルカさんが私との出会いから、これまでの関係を説明してくれて自己紹介をしてくれました。

 ハルカさんを知らない綾波さんのことも考慮して丁寧に説明してくれている内容を聞いていると、ところどころ聞いていて恥ずかしくなりそうなところもありますが、概ね私のことも間違ってはいません。


「せやから、阿部さんに助けられて、その恩を返すためにこっちに来てん」

「そうだったんですね! 冒険者ってやっぱり大変なんだ!」

「色々あると思います。俺たちで力が貸せることがあればなんでも言ってください」

「協力する!」


 三人はハルカさんの話を聞いて、ハルカさんのことを好きになってくれたようです。


 今度は三人が自己紹介を兼ねて、自分のことをハルカさんに語るように自己紹介をしました。その内容には、私も知らない内容が含まれておりました。

 家族構成や冒険者になった理由。今の目標など、それぞれの考えが聞けて良い集まりになったと思います。


「皆さんの自己紹介が終わったので、そろそろお食事にしましょう。お酒を飲む人はちゃんと自分で調整して、たくさん食事を楽しんでください。本日は皆さんに協力してもらうお礼も兼ねているので、どんどん好きな物を頼んでくださいね」

「は〜い! 凄い高そうなお店だから楽しみ!」


 サナさんは素直に応じてくれて、タツヒコくんは戸惑いながらもメニューを開きました。

 メニューには金額が書かれていません。全て時価とだけ記載されています。


 私もこういうところに入るのは初めてなのですが、皆さんが喜んでくれたら嬉しいです。皆さんが好きに頼んだ料理は、どれもとても美味しかったです。

 食べるたびにサナさんなどは、喜びの声を上げてくれて、タツヒコ君は唸っておられます。

 

 ハルカさんと私はお酒と出てくる料理を楽しみ。


 綾波さんは黙々とお肉を食べていますが、頬が綻んでいます。


 全員が満足いくまで食事ができて、今後の抱負や冒険者の愚痴大会が始まってしまいました。


「私たち三人でしているので、装備の手入れやアイテム補給なんか色々とお金かかりますね」

「矢の補充は大事」

「藤丸はよく食べるしな」

「そうなんだよ」


 三人は稼いだお金の半分以上が次の冒険へ向けての経費になるそうです。

 冒険者も色々と大変なんですね。


「最初にいい装備がドロップしてくれたおかげで、ずっとそれを使ってるよ」


 ハルカさんはソロでされていて、私と同じでドロップ品に助けられた組です。


「師匠の装備もアンバランスだけど、高級品が揃ってますね」

「私は頂き物やドロップ品がほとんどです。自分で購入したのは胸当てぐらいでしょうか?」


 白金さんの手入れも拭いてあげる程度でそれほど手間はかかりません。

 一番お金がかかるのはミズモチさんの食事代ですが、ミズモチさんが稼いだお金だと思うので、それは換算しなくてもいいかもですね。


「今回は、私からの依頼ですので、報酬も弾ませていただきます。どうぞ私をリーダーとして助けてください」

「任せてください。師匠には色々としてもらってますから」

「そうだよ。先生! 役に立つからね」

「任せて」

「ふふ、ええなぁ〜慕われとって」

「ハルカさんも良ければ、我らがホーンブレイクに入りませんか?」

「へっ?」


 私の提案に三人が嬉しそうな顔をします。


「月に一度一緒に冒険をさせてもらう程度ですが、誰かと一緒に冒険をするって楽しいですよ」

「そうそう、助け合いもできますよ!」

「いつでも歓迎します」


 私の言葉にサナさんとタツヒコ君も賛同してくれました。


「まぁ考えとくわ。今回の仕事次第やな」

「よし! 頑張るぞ!」


 こういう時にサナさんの明るさは助かります。


「それでは改めて、チーム・ホーンブレイク頑張りましょう!」

「「「「おう!!!!」」」」


 綾波さんもこういうノリは一緒にしてくれるので、いい子ですね。


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