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A級試験を受けます

 水野さんから連絡が来たのは、一週間ほど経った5月の最終週でした。

 六月最後の週末に試験が開始されるそうです。


 カオリさんとの同棲は6月に入って良いタイミングで行いたいと思っています。

 ですから、その前に試験を突破できれば良いのですが、失敗しても仕方がないと思っておきましょう。


「こんばんは、ユイさんお話を聞きに来ました」

「こんばんは、ヒデオさん。それではギルドマスター室で話をしますので、こちらへどうぞ」

「はい。ありがとうございます」


 A級になれば扱いもVIPになるそうです。


 ギルドマスター室に入ると無口スキンヘッドギルドマスターが座っておられました。私は対面に座って視線が合えば互いに頷き合いました。

 

 いえ、何が言いたのか、全くわかりません。


「それでは私の方から説明をさせていただきますね」

「あっ! お願いします」


 ユイさんが私たちのやりとりを見かねて声をかけてくれました。


「A級試験は、阿部さんに五人編成のパーティーを組んで頂き、リーダーとして活動をしていただきます。活動場所は、こちらが指定したダンジョンで、特定の素材を取って来てもらうことです」

「なるほど、チームリーダーになってミッションを行うのですね」

「はい。場所は千葉にあるドラムダンジョンに行っていただきます」

「ドラムダンジョン?」

「はい。なんでも巨大なトカゲが千葉県の栄町に住み着いたそうなのです」

「巨大なトカゲ、まるで伝説の龍のようですね」

「まさしくです」

「はっ?」


 私はユイさんの言葉の意味がわからなくて、言葉を詰まらせました。


「えっと、どういう意味ですか?」

「ですから、龍、もしくはドラゴンだと言われています」

「えええ!!! ドラゴンってあの伝説の生き物ですか?!」


 どっ、ドラゴンなんて本当に存在していたら、人など簡単に殺されてしまうではありませんか!


「そうですが、阿部さん。ミノタウロスもブラックサンダーベアーも、そして、阿部さんが金沢で戦った城狸も十分に怪獣クラスだと思いますよ」


 ユイさんに指摘されて、私は前に戦った魔物たちを思い出して、その大きさを思い出しました。

 確かに、城狸さんは、今までの中で一番大きくて金沢の街が騒然とするほどだった。


「確かにあれほど大きくても」


 ミズモチさんは同じぐらい大きくなれます。

 

 ミズモチさんと龍が戦っている姿を想像するとやっぱり怪獣大戦争ですね。

 今までとあまり変わりがありません。


「ちなみにランクはどうなるのでしょうか?」

「B相当だと言われています」

「Bですか」


 ここまでのB級ダンジョンを思い出すと、厄介なのは金沢城公園の狸さんでした。そして、一番強かったのはミノタウロスです。


「不安ですか?」

「あっ、いえそうではなくて、意外にいけるかもしれないと思っただけですよ」


 危機感がないと言われてしまうかもしれません。

 ですが、どうしてもB級に危機察知さんが反応しないのですよね。


「頼もしいことです。さすがは我冒険者ギルドの稼ぎ頭です」

 

 ユイさんが褒めてくれます。

 その横でギルドマスターが何度も頷いて居ました。


「ちなみに一緒に行くチームはどうすればいいんでしょうか?」

「いきなり知らない者同士でチームを組むことは冒険者として危険ですので、阿部さんが選んでもらって構いません」

「なるほど」


 タツヒコ君達にお願いして、五人ということはあと一人入りますね。

 職業的には、シズカさんにお願いしたいところではありますが、シズカさんを一人を引き抜くのは悪いですよね。


 うーん、一人で行動されている方と言えば、やっぱりハルカさんでしょうか?


「声をかけてみますが、予定が合わない場合はどうすればいいですか?」

「一応、こちらでも用意はできますが、判断は受験者さんにお任せしています」

「なるほど。わかりました。色々とありがとうございます」

「それではA級試験の概要を書かれた、冊子と、今度の流れなどをまとめた資料になります」


 ユイさんは私にわかりやすいように書類を色々と用意してくれたようです。

 本当に何から何までお世話になりっぱなしで申し訳ないです。


「六月最後の土日になりますので、どうぞ準備をしてから向かってくださいね」

「わかりました。色々とありがとうございます」

「当日は、ギルドマスターが審査員として現場に同行します。ドラゴンを倒せたのか、そして獲得するアイテムが手に入れられたかなどは、ギルドマスターに聞いてみてください」


 ギルドマスター、話をしてくれませんからね。

 はい、いいえ、で答えてくれる質問をしないといけませんね。


「わかりました」

「それではあと」

「水野さん、大丈夫ですよ」


 ユイさんは心配して色々と言ってくれようとしますが、流石にこれ以上聞いても覚えられません。


 私はギルドマスター室を出て、ハルカさんにお願いしたいことがあるとメッセージを送りました。


 ハルカさんから、今晩会いましょう。と連絡が帰って来ました。


 カオリさんとお付き合いしたことも伝えなければいけませんね。


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