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《近々コミカライズ発売予定》道にスライムが捨てられていたから連れて帰りました  作者: イコ


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仲間に会いに行きましょう

 ゴールデンウィークも終わり、約束していたタツヒコ君から、メッセージが届きました。


《タツヒコ》『師匠、ゴールデンウィークが終わって、レベルが十になりました。一度、一緒にダンジョンに行きませんか?』


 タツヒコ君のお誘いメッセージに私は嬉しい気持ちになりました。


 こうして、私を必要としてくれる後輩がいるのです。

 まだまだ私も捨てたものではありませんね。


 週末になったら、一緒にダンジョンに潜る約束をして、私は気分上々に仕事をしました。連休明けで暇に過ごせると思っていましたが、さすがの我が社です。

 意味がわからない仕事が山積みになっております。


 もっと事務員の増員をお願いしたいです。

 一応、広告には社員募集をしているようですが、月給の額面20万では誰もきてくれません! 一応社会保障などもついていますよ。

 新人さんは手取り15万ぐらいになりますが…… 誰も来てくれませんね。


「カオリさん。今週末は、後輩の子達に付き合ってダンジョンに行ってきます」

「はい。私もゴールデンウィークの片付けなどもあるので、今週は夜だけお伺いしますね」


 夜にはカオリさんがきてくれるので、嬉しいです。


 木曜日の段階で、お伝えして金曜日の晩には日付が変わる前には全ての仕事を終えました。これで土日の出勤は必要ありません。


「おはようございます。タツヒコ君」


 待ち合わせ場所である冒険者ギルドに到着すると、タツヒコ君と、サナさん。藤丸くん。そしてもう一人。


「おはようございます。師匠」

「先生。おはようございます」

「はい。サナさんもおはようございます。それと」


 私が最後の一人である、綾波雪乃アヤナミユキノさんに視線を向けます。


「先生、ユキノさんは、私たちが困っているときに助けてくれたんだ」

「師匠、ユキノさんに命を救われて、それからは一緒のパーティーを組んでいるんだ」

「そうだったんですね。二人を助けて頂きありがとうございます」

「別に、私は」


 照れたように顔を背ける綾波さんは、クールな女性という印象があります。


「綾波さん、初心者講習以来ですね」

「はい。えっと?」

「阿部秀雄と申します。呼び方はお好きにどうぞ」

「はい。阿部講師」

「それとこちらが私の相棒のミズモチさんです」


 《ユキ! よろ〜!》


「と言っておられます」

「スライムが話している?」

「はい! テイマーなので」


 若干、ミズモチさんに引いているところがあります。


「ユキノさん、ミズモチさんは見た目は可愛いけど、凄く強いんだよ」

「そうです。ユキノさん、師匠も強いけど、ミズモチ師匠はもっと強いです」


 サナさんと、タツヒコ君が弁護してくれて、ユキノさんが私とミズモチさんを交互にみます。


「似てる」


 ツルツルだからですか?


「今後はよろしくお願いします。それで? 本日はどこに行くのですか?」

「ふふふ、先生、その前に」

「師匠、こちらをご覧ください!」


 二人が、私にそれぞれのスマホ画面を見せてきます。

 そこには冒険者アプリが起動されていて、二人のライセンスランクが記載されていました。


「Cランク? お二人ともCランクに上がったのですか?」

「そうなんだよ。先生がいない間にレベルを上げて、ランクも上げちゃいました」

「先生に目にみえる形で、成長を示したかったんです」


 二人とも、会わない間にちゃんと成長しているのですね。


「それだけじゃないよ」

「そうだな」

「「ユキノさん。お願いします」」


 二人が声を揃えて、ユキノさんに話を振れば、仕方ないなぁ〜と照れながら、綾波さんがスマホの画面を私に見せてくれます。


「Bランク! 凄いじゃないですか、私と同じですね」

「そうなんだよ。ユキノさんは狩人ってスキルを持っていて、相手の場所とかも特定しちゃうからバンバンモンスターを倒せるんだよ」


 察知さんみたいなものですね。


「それに、サバイバーってスキルで、外での生活もお手のものなんです」


 B級試験はダンジョン内で、1日を過ごしますからね。

 綾波さんのスキルは最適ですね。


「ユキノさんがいるから、私たちはC級ダンジョンを全部走破したんだよ」

「まぁこの周辺だけですけど」

「それは凄いですね。では、本日は?」

「本日は、B級ダンジョンに挑戦したいんです」

「ほう、それは凄い! 皆さんが強くなってくれるのは本当に喜ばしいことです」


 会わない間に、こんなにも弟子が成長しているのを知るって嬉しいですね。

 それに、新たな仲間を得て、新たなことに挑戦する。青春ですね。


「それで? どこに行くんですか?」


 ワクワクした気持ちで、私が問いかけると、二人が満面の笑みで私の前にダンジョン名を示しました。


「エレファントダンジョン?」

「はい! 最近発見されたらしいよ」

「元々は、マンモスの化石が発見された場所らしいです。考古学者の方が発掘をしていた山だったところがダンジョンになったとか。ですが、ダンジョンが出来て現れた象種に攻撃も通じないそうです」


 私も行ったことのないダンジョンです。

 

「面白そうですね」

「やっぱり、先生ならそういうと思ったよ」

「師匠の実力は分かりませんが、僕らも活躍をお見せできると思います」

「足手まといにならないならいい」


 三者三様、言い方は違いますが意気込みが感じられていいですね。

 改めて、四人と二匹でホーンブレイク再始動です。


 《ゾウ〜ゴハン!》


 ミズモチさんはどこでも変わりませんね。

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