金沢駅は綺麗で、駅近に観光地?
カオリさんと話をしていると、すぐに時間が経ってしまいますね。
前回はミズモチさんを富士山の上に乗せたりと遊んでいましたが、今回は景色を眺めながらカオリさんと話している間についてしまいました。
「金沢駅って凄いですね」
前回にきたときは、京都からサンダーバードに乗ってきました。
今回は、東京から北陸新幹線に乗ってきました。
どちらも電車から見える景色に趣があっていいですね。
「あれは何でしょうか?」
金沢駅を東口から出ると、能楽の鼓をイメージしたと言われる。
鼓門があります。さらに上を見上げれば網状のガラス張りのドームがあり、何でしょうか駅が芸術的な作りですね。
「観光ガイドには、能楽の鼓をイメージして作られた門だそうです。凄いですね」
「はい。私が昔きた時にはなかったので凄いです」
ふふ、先程から二人で凄いしかいっておりません。
金沢駅から観光ガイドによれば、一つの一つの観光地が、歩いて行ける距離だということなので歩いて観光をすることにしました。
バスや人力車などもあるので、観光で来ている人を楽しませる方法がたくさん用意されているのですね。
私たちが東口から道路に沿って歩いていると、最初に辿り着いたのは、近江町市場でした。朝一は賑わいがあるそうで、私たちは昼前に到着したので、ランチを食べることにしました。
「海鮮丼を食べたいのですがいいですか?」
「はい。ヒデオさんについていきます」
カオリさんに許可を頂きましたので、私は調べていた海鮮丼屋さんに入ることにしました。
どんぶりから溢れる海鮮たちに卵焼きがトッピングされた豪華な一品です。
「美味しいですね」
「はい!」
本当に石川県の海鮮は最高ですね。
ミズモチさんも、海鮮丼を満喫されております。
釜飯に続いて、本日は丼ミズモチさんです。
尾崎神社、尾山神社という案内看板を過ぎれば、そこからすぐに金沢公園の外堀が見えてきます。
金沢城は現在立ち入り禁止区域になっていて、観光はできません。
私が旅行先に選んだ理由の一つである金沢城跡には、現在立派な城が建っております。
本来は、金沢城は取り壊されているはずなのですが、魔力が満ちた金沢城公園には新たな城が建築されていました。
「ふぅ、近くで見ると恐ろしいですね」
「どうかしたのですか?」
「いえ、ここもダンジョンなんだと思うと怖いと思っただけですよ」
「そうですね。私はダンジョンに行ったことはないのですが、どこかここにきてどんよりと空が雲に分厚くなったように感じます」
日本海側、風が強くて天候が変わりやすいと聞いたことがあります。
どんよりと雲が多くなるのかも知れないですね。
「さて、もうすぐ美術館ですよ」
「金沢21世紀美術館ですね」
私は予約していた不思議プールに向かいました。
上からは人がいて、下からはプールの中にいる。
本当に不思議なアートです。
「カオリさんミズモチさんが水の中でプルプルしています」
「ふふ、ミズモチさんはいつでもプルプルですが、ここでならプルプルが水の中でふよふよですね」
ミズモチさんと混ざり合うアート。
もうこれは写真を撮らないわけにはいきませんね。
全てがミズモチさんのために存在しているように感じます。
「先程から、スマホの画面がミズモチさんばかりです」
「はい。容量だけは最大限増やしました」
「あ〜それはしちゃいますね」
この半年間で、私のスマホのクラウドはミズモチさんでいっぱいです。
どれだけ料金を支払っても惜しくないのです。
「ふふ、次はいよいよ兼六園です」
「凄い意気込みですね。何かあるのですか?」
「今の時期は緑が綺麗で、花もたくさんです」
私たちは兼六園に移動して花を見ました。
春の花は色とりどりでとても綺麗です。
その合間にミズモチさんがプルプルと花と戯れております。
「これはまた可愛いですね」
「でしょ。今回の旅で一番見たかった景色です。兼六園で戯れるミズモチさん」
「ふふふ、本当にこれは写真を撮らずにはいられませんね」
カオリさんと二人で、ミズモチさんの撮影会を楽しんでいる間にいつの間にか日も傾いてきました。時間とはあっという間に過ぎるものです。
金沢駅に着いたのが先程に感じているのに、いつの間にか5時間ほど過ぎてしまいました。
「さて、そろそろ本日のホテルに向かいましょうか? 1日目はこの近辺を散策しようと思っていたので駅前のホテルをとりました」
「ありがとうございます」
「いえいえ、旅行プランを自由にさせてもらってこちらこそ着いてきていただきありがとうございます」
金沢は綺麗で立派なホテルがたくさんあります。
本日は、カオリさんをご招待するために、糸目はつけませんよ。
とりあえず、良いとこそうなホテルを選ばせていただきました。
「うわ〜こんなにもいいところに泊まったことないです」
「私もです。でも、今回ぐらいは贅沢をしようと思ったんです」
「ふふ、ありがとうございます。お金はお支払いしますよ」
「いえ、これは私が冒険者として稼いだのですが、使い方に悩んでいたものです。どんどん使ってしまいましょう。貯金もあるので、今回は惜しみなく使いたいんです」
「冒険者ってすごいんですね」
「ええ。私も毎回驚いているんです」
カオリさんに使うなら、惜しみなく使いたいです。
「カオリさん、食事をいただいたら」
「ええ、わかっています。ダンジョンに行かれるんですね」
「すみません。旅の目的の一つなので」
「いえ、私はここまで少し疲れてしまったので、先に休ませていただきます」
「明日の夜はダンジョンにいかないので、一緒に呑みましょうね」
「ふふ、楽しみにしてます」
私はカオリさんに見送られて、部屋を出ました。
向かうのは、金沢城公園です。
ランクBの高ランクダンジョンに挑戦です。