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待ち合わせに来たのは女神?

 いよいよゴールデンウィーク到来です!


 今日までに仕事を終わらせるために無理をしました。

 最後の方は残業を詰め込んでやりましたよ。

 もうあれです、1日、2日も休んでやりましたよ。

 他の企業さんが働いていないのに、私たちだけ働くなんて絶対にしませんからね。

 

 ゴールデンウィークを働いてくださる方、本当にありがとうございます!

 私は強引に休んでやります。

 冒険者になって、私はブラック企業にノーと言える社会人になりました。

 あの上司の唖然とした顔は一生忘れられませんね。

 

 カオリさんとミズモチさんと三人で新幹線に乗ります。

 北陸新幹線ができたおかげで、二時間半ほどで東京から、金沢に行けてしまいます。途中に通る軽井沢や長野も興味はありますが、終点までいってやります。


 大阪に住んでいるときに、石川から引っ越してきた友人がいたんですが、彼によれば石川はお寿司がとても美味しいそうです。

 どこの店に入っても問題ないそうですが、友人にお勧めされたお店に行こうと思っています。それに市場にも行きたいです。朝市が楽しみですね。

 それに綺麗な庭園もたくさんあって、行きたいところがたくさんありますね。


「お待たせしました」


 東京駅で待ち合わせしていると、私服のカオリさんがやってきました。

 なんでしょうか? 女神ですかね?


「おはようございます。今日もお綺麗ですね」

「なんです、いきなり。ふふ、おはようございます」


 本日のカオリさんは、旅行用の茶色いキャスターケースにクリーム色のワンピース、デニムのジャケット、靴は動きやすいスニーカーです。

 お化粧も薄いというわけではなく、かといっていつもの濃いわけでもありません。


 そうですね。

 大人女性の春コーデとでも言えばいいのでしょうか? とても素敵です。


「そういうヒデオさんも素敵ですよ」


 私は皆さんを驚かさないために、メイクをした顔に伊達メガネ、ハンチン帽、白いシャツにグレーのジャケット、茶色いパンツとカジュアルにまとめてみました。

 これでも四十歳の春コーデを調べてみたのですが、カオリさんに素敵と言われて嬉しいです。


「カオリさんの横に並んで恥ずかしくない格好でいたいと思ったのでよかったです」

「ふふ、そんなこと気にしないでください。ヒデオさんは、もともと背格好が高く、最近は体が引き締まってきたので、私の方が運動しないといけないって頑張っているぐらいなんですからね」

「えー! カオリさんは十分にお綺麗ですよ!」


 綺麗なのに努力するとか、カオリさんは凄いですね。


「はいはい。もういいですから、そろそろ行きましょうか?」

「はい。二時間半ほどですよね?」

「みたいです。私、北陸新幹線ができてから乗るのは初めてなんです」

「私もです」


 二人で顔を見合わせて笑顔になってしまいます。


 私は大きめのキャスターケースの中に、服と装備一式を入れてきました。

 ミズモチさんは背負っているリュックの中で気持ちよさそうに寝られています。


「向こうで美味しいものを食べたいので、駅弁は我慢ですね」

「ヒデオさんはいっぱい食べますからね」

「ええ、美味しいものにはお金を惜しみませんよ。それでもカオリさんの料理が一番美味しいです」

「はいはい、ありがとうございます」


 軽くあしらわれてしまいました。

 ふふ、それもまたいいですね。

 心が通じ合っているような気がします。

 いつまでも話していてはいけませんで、新幹線に乗り込む前の準備をしないといけません。


「それで行きましょうか」

「はい」


 本日は、朝早い新幹線にしました。

 お昼の時間帯は新幹線は人気の様子で、すでにいっぱいだったのです。

 ですが、朝早くにしてよかったです。

 これからどんどん増えていくんでしょうね。


「あっ、ミズモチさんのお弁当だけ買いますね」

「ミズモチさんは、ヒデオさんよりもさらに食いしん坊ですからね」


 前回は牛タン弁当でした。

 東京駅は広い上に様々駅弁当が楽しめるので、迷ってしまいます。

 ですが、今回は前から気になっていた釜飯さんを買うつもりなのです。


  パルプモールド容器という軽量化されて環境にも優しくなっているそうです。

 

「そろそろ時間ですね」


 釜飯さんを購入することができたので、私とカオリさんは飲み物を買って乗り込みました。


「ふぅ、新幹線に乗るだけでワクワクです」

「そうですね。今から別の場所に行くんだって気がしますよね」

「はい。私、実家が大阪なので年末年始に帰ったのですが、その時もなんだか嬉しい気持ちになりました」


 どこかに行くと思うだけで楽しいですね。

 それに今まで、どこかに行く時は一人でしたが、ミズモチさんと一緒に実家に帰って、ゴールデンウィークはカオリさんと旅行に行けるなんて、幸せですね。


「ヒデオさん。それでは旅行の開始を祝して」

「はい。乾杯といきましょう」


 ついてからも歩く予定なので、一杯だけです。

 ですが、普段は飲めない朝からビールって背徳感が半端ないです。


「私も楽しみましょ」

「はい。乾杯」


 ミズモチさんが釜飯の中で泳いでおられます。


《ウマ〜!》


 ミズモチさんを見ながら飲むビールは最高ですね。

 ツマミに購入したナッツは塩が効いてて美味しいです。

 カオリさんはスルメイカを選んでおりました。。

 渋いですね。楽しい旅の始まりです。

 

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― 新着の感想 ―
受賞したての直木賞作家じゃないんだから、もう退職しても良いのでは? ブラック企業に掛ける恩義は無い!
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