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ご近所ダンジョン 4

 タツヒコ君たちと行くようになり、装備を軽装にしていたのですが、ご近所ダンジョンさんは危険な場所だと最近では認識しています。


 ユイさんとカリンさんに頂いた、サークレット。

 カリンさんの元で購入した、スカル仮面。

 胸当を着て、ブーツを履いて、その上からシズカさんから頂いたローブを羽織ります。


 最後に白鬼乙女さんに頂いた白金さんを手にして、装備完了です。


「ミズモチさん、久しぶりなので、緊張しますね」


『ヒデ! ゴハン!」


「ふふ、ミズモチさんは変わりませんね。ですが、前回は灰色オーガさんに敗北してしまいました。白鬼乙女さんが助けてくれなければ、死んでいましたからね。白鬼乙女さんもいつも助けてくれるとは限りません。十分に注意していきましょう」


 スーパーカブさんをいつもの場所に止めて、ご近所ダンジョンさんへ向かいます。ご近所ダンジョンさんの入り口があった山道は、石畳が敷かれて、まるで神社などを歩いている印象を受けます。

 鳥居があれば、神社に来たと勘違いしてしまいますね。


「格式が上がったのでしょうか? まるで神様がいるような感覚を覚えますね」


 桜が舞っていた景色は、完全に緑に変わって美しい木が夜だと怪しく感じてしまいます。


「ミズモチさん、ダンジョンって洞窟の中だけではないのでしょうか?」


 他のダンジョンは山とか、坑道とか、テリトリーのような場所が区切られていました。ですが、白鬼乙女さんのテリトリーはどこまでなのでしょうか?

 

 初めて来たときは、一本道の洞窟だけでした。

 少しの間、通っていると分かれ道と小部屋ができました。

 半年ほど通っていると、洞窟の壁がお城のようになりました。


「そして、現在は洞窟までの道がまるで整備された巨大な神社のようです」


 これはご近所ダンジョンさんが外までダンジョンと化しているということなのでしょうか?


「ミズモチさん。ここでも魔力は貯まりますか?」


『ヒデ! ゴハンオイシイネェ〜』


「やっぱり」


 私は唾を飲み込みました。すでに魔力吸収はできているそうです。


「ふぅ、ミズモチさん。今日はここまでにして帰りましょうか?」


『ヒデ! キタよ〜』


「えっ?!」


 振り返ると、着物を纏った灰色のオーガさんがこちらを見ています。

 腰には刀を差した姿は様になっております。


「お侍さんですか?」


『ヒデ! 強い〜』


「ええ、ビシビシ感じます」


 忍者オーガさんも強かったです。

 ですが、それよりも強いことがわかります。


「ミズモチさん。頼りにしますね」


『ヒデ! いくよ〜』


 前回は相手の強さに圧倒されました。

 ですが、今回は柳先生に習った杖術上級もあります。

 レベルも上がりました。


「いきます!」


 私が白金さんを構えると、向こうも刀を抜いて、正眼に構えました。


「常の型、刺突!」


 私から攻撃を仕掛けて、ミズモチさんが回り込みます。


『アイスカッター、アイスアロー』


 ミズモチさんが放った魔法を刀で切ってしまいました。

 凄いですね。

 

「ですが、忍者オーガの時よりも私もレベルアップしているんです。攻撃の手は緩めません。オロチ!」


 もしも、スキルの補正がなければ、絶対できなかったと思います。

 ですが、理解して、スキルで補正してもらうことで、奥義が使えるようになりました。


「くっ!」


 武器は白金さんの方が良い物のようです。

 侍オーガの剣術捌きは素晴らしいですが、私のオロチに対して、刀の方が耐えられなくなって刃こぼれをしています。


『忘れないで〜』


 ミズモチさんも魔法を放ち、時に接近して体当たりを加えるので、侍オーガが距離をとりました。着ている着物が血に染まり、息も荒くなっています。

 今までの相手であれば、倒せていたはずですが、ここ最近の相手は強いです。


「ミズモチさん、協力をお願いします」


『は〜い!』


「合成魔法 額からビーム!氷で逃しません!アイスプリズン」


 コウモリを倒すために編み出した額ビームは私が思っていたよりも強力でした。 ミズモチさんが侍オーガを逃さないように氷の檻を作ってもらいました。


「グフっ!」


 私のビームを刀で対応しようとしましたが、刃こぼれした刀は、レーザーによって折られてビームは侍オーガの胸を貫きました。


「ふぅ、なんとか倒せました。まだ、洞窟の中にも入っていませんが、これ以上は進めませんね」


 白鬼乙女さんに会いたかったですが、流石にボスさんには早々に会えませんね。


「あんなに強い侍オーガを倒しましたが、レベルは上がりませんでしたね」


 ふと、気づくと魔石の横に巻物が落ちていました。


「これは初めて見ますね。またカリンさんに鑑定をお願いしないと行けませんね」


 私は洞窟の入り口に向かって、まず手を合わせてから、二拍子(二拍手)を行います。最後に一礼します。


「私にとっては、白鬼乙女さんは神様のようなものですね。礼儀を持って接したいと思います」


 私の横で、ミズモチさんもプルプルと頭を動かしておられました。

 もしかしたら、一緒にやってくれていたのでしょうか?


「さて、ミズモチさん帰りましょう。明日はゆっくりして、カオリさんに美味しいご飯を作ってもらいましょうね」


『ヤバ!ゴハン、うまっ!』


「ふふ、ミズモチさんも気に入ってくれてよかったです」


 平和ですね。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!


 ミズモチさんと話をしていると突然地震が起きました。


「ふぅ、落ち着きましたね」


 それほど大きくはありませんでしたが、いきなりでしたね。


 そう思って、もう一度洞窟を見れば、入り口が大きな岩によって閉じられていました。


「あれ?」


 それは前に見た大きな岩とは違う、黒く大きな岩でした。


「また、調査に来た方がいいですね。今日は疲れましたから、帰りましょう」


 白鬼乙女さんは大丈夫でしょうか?

 

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― 新着の感想 ―
スカル仮面でググったら、仮面ライダースカルっての出てきて、あ!コレだ!とワロたw 多分違う仮面なんだろうけど。
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