レベル15
目を覚ました私はご近所ダンジョンさんの入り口で寝ていました。
「ミズモチさん?」
辺りを見渡すと、ミズモチさんが入り口を見ておられました。
『ヒデ!帰ろう』
先ほどまでミズモチさんの声が聞こえていたのに、念話に戻ってしまいました。
「はい。帰りましょう。明日も仕事ですからね」
ふと、スマホを見てみるとメッセージが届けられていました。
【薫】「本日はありがとうございました。これからよろしくお願いします」
カオリさんらしいメッセージの後に、電話がかかってきていました。
時計を見れば、すでに四時間ほど前です。
返信をしないので、心配をかけてしまったのかもしれませんね。
「遅い時間になってしまいましたね。電話をかけるには悪いので、メッセージだけ送っておきましょう」
【私】「お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。カオリさんとお付き合いできる嬉しさのあまり、ご近所ダンジョンに言ってハシャイでしまいました。こちらこそお付き合いをお受け頂きありがとうございます。これからよろしくお願いします」
少し長い文章になってしまいましたが、遅くなった理由はお伝えしておいた方がいいですよね。私がメッセージを送ると、すぐに既読がつきました。
【薫】「ダンジョンに行かれていたのですか?!返事が遅かったので心配しておりました。ダンジョンに行くなら教えて欲しいです。返事がなくて何かあったのではないかと心配になってしまうので」
あちゃーやっぱり心配させてしまったようです。
ユイさんにも前に怒られたばかりなのに、呆然として迂闊でしたね。
【私】「すみません。浮かれていました(^◇^;) 今度から気をつけます!申し訳ありません」
【薫】「怒っているわけじゃないんです。ただ、心配で。こちらこそすみません。何をしていてもヒデオさんの自由なのに」
【私】「いえいえ、全然嬉しいです。ご心配をおかけしました。もう、家に着きましたので明日会社で。おやすみなさい」
【薫】「はい。おやすみなさい」
ふぅ。やっぱり報連相を忘れてしまうのは良くないですね。これからはカオリさんは私の彼女さんなのです。初日から心配をかけてしまいました。
家に帰り着いて、お風呂に入り。ミズモチさんと夜食の冷凍うどんを食べることにしました。買い置きしていたホルモンがありましたので、岡山の津山が有名なホルモンうどん風にしました。
最近はネットを調べると、すぐにレシピが出てくるのでありがたいですね。
お野菜とホルモンを炒めて、溶かしたうどんを入れて完成です。
味付けはレシピ通りに作りました。これは簡単で凄く美味しいです。
私出身が大阪なのですが、食べたことがありませんでした。
ビールにあって美味しいので、たまに作ろうと思います。
「さて、一息つきましたが。白鬼乙女さんのところで寝ていたので、あまり眠くありませんね。レベルが上がりましたのでスキルチェックをしましょうか?」
レベルが三つも上がったのは初めてです。
レベル 15(SP150)
SPのタッチすると項目が現われました。
・魔物の攻撃強化+14
・魔物の防御強化+14
・魔物の魔法強化+14
・魔物の魔法防御強化+14
・魔物の異常耐性強化+14
・魔物の回復力強化+14
・魔物の異常耐性回復+14
・魔物の声
・魔物言語学中級
・我慢
・三段階レベルアップ特典
やっぱりレベルが一気に上がると恩恵を受けられるのですね。
もう、毛についての項目は完全になくなってしまったので、悲しくはありますが。今回も全てのスキルを習得可能のようです。
段階を踏んで、スキルを習得するわけではないのが、不思議ですが代わりに特典があるということなのでしょうか?
私は全てのスキルを習得して、スキルの詳しい説明を見ることにしました。
new魔物の声
魔物が人の言葉を理解できるようになり、声を発することができるようになります。声帯をもたない魔物も体の一部を変化させて声を発せられるようになります。
えっ!ということは。ミズモチさんがやっとお話ができるのでしょうか?
「あっ、あのミズモチさん。何か話せますか?」
私が問いかけると、念話さんではなく。ミズモチさんがご自身の体をプルプルと震えさせております。何か言葉を発するのでしょうか?
『ムリ〜出ない〜』
しばらく待っていましたが、プルプルしただけで声を発することができなくて、念話さんで無理だと伝えられました。
どうやら、魔物の声に関しても訓練か、レベルアップがいるようです。ですが、ミズモチさんの声がもう少ししたら聞けるのかと思うとワクワクします。
new魔物言語学中級
幅広い魔物の言葉が理解できるようになる。敵対魔物の言語は理解しにくい。好意的な魔物や高位の魔物は理解ができることもある。
前よりもより魔物さんの言葉がわかるようになるということは、片言で聞こえてきた白鬼乙女さんとも普通に話ができるようになるのでしょうか?
new我慢
痛みや瀕死を我慢できる。我慢なのですぐに治療は必要。
これはスキルなのでしょうか?それともスキルとして我慢ができるというのは特別な力?なのでしょうか?よくわかりませんね。
new三段階レベルアップ特典
レベルを三つも上げられる高位レベルの魔物を倒したあなたには、新たなジョブをプレゼント。
・勇者
・奴隷商人
・鬼人ライダー
三つの中から一つ選択してください。
「なっ、なんですか? これは!ジョブって二つも持てるんですか?」
どうやら詳細を見ることができるようにです。
私はそれぞれの職業の詳細画面を見ることにしました。