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作戦会議 

 私はユイさんに呼び出されて、二人で冒険者ギルドにある応接間にいます。


「さて、この間ご近所ダンジョン。コホン、もとい白夜叉姫ダンジョンに行かれたとmainを頂いたことについてですが」


 白鬼乙女さん。正式名称を白夜叉姫しろやしゃひめと言うそうです。私はひな祭りの日にご近所ダンジョンさんに向かう前に、ユイさんにご近所ダンジョンさんに魔力供給のために行ってきますと、連絡しました。

 

 私が家に帰ってくると、ユイさんから連絡があり、封鎖されているご近所ダンジョンに何をしに行くのかという話になりました。

 そこで、封鎖はされていないので、ミズモチさんの魔力供給のためにたまに行っていることを報告しました。


「A級ダンジョンだと言っても、白夜叉姫ダンジョンは、ボス部屋以外は無人だと他の冒険者から報告を受けています。ですが、ヒデオさんは、灰色をしたゴブリンなどを確認をしたことがあり、ヒデオさんだけが出入りができると?」

「はい」


 私はこれまでのことを洗いざらい話しました。


「ふぅ〜カリンから報告される。アイテムはそこで手に入れたのですね?」

「そうです」

「いったいどうなっているのでしょうね。私では説明できません」

「私もさっぱりです。ただ、白鬼乙女さん。あっ、白夜叉姫さんは何を考えているんでしょうか?」

「わかりません。ですが、していることはまるで、ヒデオさんを育てているように感じますね」

「育てている?」

「はい」


 私はこれまでのご近所ダンジョンさんについて考えました。

 初めてゴブリンさんが出現した時、髪を引っ張られて、初めてレベルが上がりました。

 それから多くの経験をダンジョンで体験しました。


 いきなりゴブリンが現れたり、複数いたり、待ち伏せされたり、武器を持っていたり、どの相手も、いつも私は倒すのがギリギリでした。

 ですが、倒した後はドロップアイテムを手に入れて、レベルも上がって恩恵を受けました。


 また恩恵はカリンさんが言うように、大きかったです。


「そうなのかもしれません」

「なぜ、そんなことをするのでしょうか?」

「それはさっぱりです」

「ふむ。とにかく、ヒデオさんが今後も白夜叉姫ダンジョンに行かれるのであれば、もっとレベルアップが必要です」

「レベルアップですか?」

「はい。現在、ミノタウロスダンジョンを攻略されていましたよね?」

「ミズモチさんが牛を食べたいというので」

「理由は、この際どうでもいいとしましょう。白夜叉姫ダンジョンに行かれるのであれば、最低限としてミノタウロスダンジョンを攻略する実力をつけてください。ミノタウロスダンジョンのボスはA級認定を受けていますので」


 私はゴクリと唾を飲み込みました。

 スノーベアーダンジョンで、出会ったビッグブラックベアーさんでもかなりの脅威でした。

 長さんや、元さんがダメージを与えてくれて、シズカさんが回復してくれて、最後は全員で弱らせたところを倒すことができただけです。


「怖いですか?」

「はい。スノーベアーダンジョンボスは皆さんが居たから倒せたと思います。普通の魔物とボスモンスターはレベルが違うと言いますか、強さの次元が突然変わるのです」

「ですが、ヒデオさんが行かれている白夜叉姫ダンジョンはボス部屋しか存在しない小規模なのに、A級判定を受けています。それもモンスターが出ないという前提でです。ですが、もしも、ダンジョンボスが強力な存在だとするなら、A級を超える。S級のボスということになるんです。それは災害級の強さを持つ相手なのですよ」


 ユイさんの言葉に私は、唾を飲み込みました。

 ゴブリンが溢れた時、たくさんの冒険者さんが傷つきました。

 スノーベアーダンジョンでは、ダンジョンボスによって雪崩が起こされました。


 白鬼乙女さんは、それらを超える災害級……


「ヒデオさん。とても危険なことをしていたと自覚してください。そして、これはヒデオさんが何らかの現象に選ばれたことを意味します。もしも、ヒデオさんがダンジョンに行かなくなった時、何が起きるのか想像もできません」


 もっと来いと言われてしまいました。

 

「ですから、ヒデオさんは他の冒険者さんよりも強くなる必要があるということです」

「わかりました。どれだけできるのかわかりませんが、ミノタウロスダンジョンを攻略してみます」

「はい。もしも、一人が不安であれば、ハルカを誘ってあげてください。ヒデオさんの力になりたいと言っていましたので」

「はい。ありがとうございます」


 私はユイさんと話し合ったことで、白鬼乙女さんが何を考えているのか考えるようになりました。

 白鬼乙女さんは、何を思って私を育てようとしてくれたのか? どうして私が倒せるモンスターをいつも仕掛けてきたのか? どうしてアイテムをくれたのか?


 ふと、手元にある白金さんが目に映りました。


「仲直りできましたが、まだまだあなたのことを知らないといけないようです。まずは、もっと強くなって会いに行きますね」


 私は、ミズモチさんとミノタウロスのダンジョンへと向かいました。




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