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スノーベアーの雪山 2

 ロープウェイで上がってこれる近辺には、スノーベアーが一体ずつ現れてくれるので、ミズモチさんと二人で戦えば対応できます。


 群れで襲われるとまだ恐いように感じますが、ミズモチさんならなんとかしてくれそうな頼もしさを感じてしまいますね。


 これが進化したミズモチさん力なのですね。


 最初は、大きさと攻撃力の強さにビビってしまいました。


 戦ってみれば、私の白金さんも対応できることに嬉しさを感じてしまいます。


【進化ミズモチさん】『ヒデ〜乗って〜』


「えっ?乗るとはどう言うことですか?」


 スノーベアーたちとの戦いが一段落すると、雪の上で大きくなったミズモチさんが乗ってと言いました。


 私は言われるがままに、ミズモチさんの上に乗ってみました。


 乗り心地としてはあれですね。

 人をダメにするビーズソファーです。

 全身が沈み込むような柔らかさと程よい弾力。


【進化ミズモチさん】『ヒデ〜いくよ〜』


「ふぇ?どこに行かれるのですか?」


 私が沈み込んでくつろいでいると、ミズモチさんが動き出しました。

 ミズモチさんに包まれていると、寒さもあまり感じません。


 雪道など関係ない速度で、ミズモチさんは雪山を滑りながら疾走しておられます。


「みっ、ミズモチさん!!!凄いです!!!私、重くないですか?」


【進化ミズモチさん】『ゼンゼン〜ダイジョウブ〜』


「あっ前方に、スノーベアーさんです!」


【進化ミズモチさん】『ゴウゴウ〜!!!』


 ミズモチさんからアイスアローが発射されて、スノーベアーさんを倒してしまいました。

 倒すコツを掴んだんですね!!!凄いです!!!


「ミズモチさん、雪は冷たくないですか?」


 雪の上を滑っているのです。


 ミズモチさんのプルプルお肌が冷たくならないのか心配になります。


【進化ミズモチさん】『ダイジョウブ〜キモチイイ〜』


 これはあれですね。ミズモチさんの形態変化ホバークラフトバージョンですね! 雪山でもスイスイと進んでいくミズモチさん素敵です!


「それにしても早いです!ミズモチさん止まることはできますか?」


【進化ミズモチさん】『は~い!』


 少しばかりスベり落ちてしまいましたが、ミズモチさんはゆっくりと停止してくれました。


「凄いです!雪山をスイスイですね!」


【進化ミズモチさん】『ボク~スゴイ~?』


「はい。スゴイです!良ければ、もう一度ロープウェイで上に登って降りてくれませんか?」


 私スキーは苦手ですが、ミズモチさんがいれば雪山も怖くありませんね。


【進化ミズモチさん】『イイヨ~』


 さっそくロープウェイまで降りて頂き、もう一度上へと登りました。


「疲れてはいませんか?」


【進化ミズモチさん】『ボク~タノシ~』


「ふふ、それはよかったです」


 ロープウェイが到着して降り立つと、そこには三メートルほどの大きな黒い鹿がいました。


「えっ? 鹿?」

「フィーヨ!!フィーヨ!!!」

「えっ? えっ? えっ?」


 目が合った鹿は突然鳴き出して、角から稲妻を飛ばしてきました。


「ええええ!!!!魔法を!!!ミズモチさん、アイスウォール!」


 前にでたミズモチさんが氷の壁を作ってくれて、雷を遮断してくれました。


「これはピンチですね」


 先ほどの鳴声は仲間を呼ぶための声だったようです。

 似たような大きさの鹿が集まってきます。


 冒険者アプリを調べると、現われる鹿のような魔物は、ブラックサンダーディアというそうです。


「雷を撃ち群れで行動する。スノーベアーと対立していて、スノーベアーの数が減ると現われて襲ってくる…………あかんことしてますやん!!!」


 はっ!つい関西弁が…………


「とにかくミズモチさん逃げましょう!」


【進化ミズモチさん】『ヒデ~乗って~』


 私はミズモチさんの上に飛び乗りました。

 ミズモチさんは先ほどの速度よりも早く滑走を始めます。


 ですが、さすがは雪山の魔物です。


 ミズモチさんの速度についてきます。


「白金さん!私に力を貸してください。伸びてください!!!皆さん、まとめて薙ぎ払い!!!」


 私は自分の魔力を理力の杖へと流し込みます。


 理力の杖さんは、魔力を流し込むことで攻撃力を上げて、私の思う通りの形を変えてくれるとカリンさんは言っていました。


「伸びてください!!!白金さん!!!」


 私の願いが通じたのか白金さんが伸びて行きます。

 ミズモチさんも私に協力してくれました。


 高速でミズモチさんが回転してくれることで、金の杖が囲んでいた鹿たちを吹き飛ばします。


 私はしっかりとステッキを持っているだけで、薙ぎ払いが発動している状態です。


「「「「「キャン!!!!」」」」


 まとめてブラックサンダーディアさんたちが悲鳴を上げていきます。


 完全に倒せなくても牽制ができれば逃げる時間は稼げるのです。


「まだまだ!!!最後の魔力を振り絞って行きます!!!フラッシュ!!!」


 一番初歩的な魔法ですが、視力があり、私たちを必死に追いかける動物型の魔物には目くらましが効果的です。


 私の発光する頭部に驚いて、ブラックサンダーディアたちは追いかけてくる足を止めました。


「ミズモチさんやりましたよ!私たちの大勝利です!!!」


 ミズモチさんは高速で滑走して雪山を脱出してくれました。


 今日は、お肉を奮発しないといけませんね。


 鹿肉でも食べに行きましょうか?

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― 新着の感想 ―
こんにちは。 雪山、角から雷を放つ鹿……仮面ライダ○ギャレンみたく腕に雷食らって大怪我しなくて良かった(小並感
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