5. 伊達政宗
歴史が好きな『モトヤ』と『ソウマ』の何気ない日常。
また『モトヤ』がズレたことを言っているので『ソウマ』が困っています。
こっそり...聞いてみましょう。
【ソウマ】なあ、モトヤ。最近、俺ちょっと悩みがあってさ。
【モトヤ】どうしたんだよ、珍しいな。お前が悩むなんて、伊達政宗がタピオカ飲んでるくらい意外だぞ。
【ソウマ】いや、例えが独特すぎんだろ。政宗がタピオカ飲んでるシーン、一ミリも想像できないわ。
【モトヤ】あれだぞ、片目だからさ、ストロー刺すの難しいんだよ。
【ソウマ】関係ねえよ。何でも片目のせいにするんじゃないよ。しかも、政宗はそんな不器用じゃねえし。
【モトヤ】まあまあ、悩みって何よ?
【ソウマ】最近、眠れなくてさ。ベッドに入っても全然寝付けないんだよ。
【モトヤ】なるほどな。じゃあ、伊達政宗方式で考えたらどうよ?
【ソウマ】何だよそれ、伊達政宗方式って。
【モトヤ】だから、『馬上・枕上・厠上』ってあるだろ。考え事は馬の上、寝る前、トイレの中でするといいって。
【ソウマ】寝る前に考え事するから眠れないって言ってんだよ。
【モトヤ】じゃあ馬に乗れよ。
【ソウマ】東京のマンションに馬いるか!通勤どうすんだよ。
【モトヤ】だから乗って行けよ。武将なら当然だろ。
【ソウマ】俺、普通に電車で通勤してる一般人だわ。駅前に馬繋いでたら事件だろ。
【モトヤ】いや、むしろ人気出るぞ。SNSで「駅前に伊達政宗現る」って拡散されるから。
【ソウマ】それ不審者扱いだろ。普通に警察くるわ。
【モトヤ】ならトイレだよ、トイレで考えろ。
【ソウマ】考え事じゃなくて、寝る方法を聞いてんの。トイレで寝るのかよ。
【モトヤ】伊達政宗だったらトイレでも寝れるだろ。
【ソウマ】そんな政宗嫌だよ。武将としてのプライドが便器で台無しだわ。
【モトヤ】あと、ほら、眠れないときは「羊が一匹、羊が二匹…」って数えるだろ?あれも政宗方式で数えりゃいいんだよ。
【ソウマ】伊達政宗方式で羊数えるって何だよ。
【モトヤ】敵が一人…敵が二人…。
【ソウマ】緊張感がすごいな。絶対寝れねえよ。
【モトヤ】秀吉が一人…家康が二人…。
【ソウマ】増えちゃだめだろ。秀吉と家康は一人ずつだわ。
【モトヤ】それか、ずんだ餅を一個ずつ数えるとか。
【ソウマ】逆に腹減ってくるわ。余計眠れなくなる。
【モトヤ】じゃあ、やっぱり眼帯の位置をずっと考えるとか。
【ソウマ】考える要素ゼロだよ。右目に決まってんだろ。
【モトヤ】それは偏見だぞ。伊達政宗だってたまには逆にして気分転換したかもしれないだろ。
【ソウマ】そんな軽い気持ちで眼帯してないだろ。ファッションじゃないんだから。
【モトヤ】いや、『伊達男』の語源だぞ。めっちゃファッションだろ。
【ソウマ】それは服の話で、眼帯は違うの。ちょっと歴史を誤解してるな、お前。
【モトヤ】まあ、でもお前の不眠症、理由は明確だな。
【ソウマ】なんだよ、教えてくれよ。
【モトヤ】完全に秀吉のプレッシャーだろ。
【ソウマ】何で今、秀吉が俺にプレッシャーかけんだよ。何と戦ってんだ俺は。
【モトヤ】現代社会という戦国だろ。
【ソウマ】うまいこと言うなよ。でも政宗はうまく適応したんだろ?秀吉とも家康とも。
【モトヤ】じゃあお前も、上司にちゃんと土下座する練習しとけよ。
【ソウマ】だから俺、会社員じゃねえって設定だろ。てか政宗も土下座下手だったろ。
【モトヤ】逆に堂々として逆ギレすればいいんだよ。「遅れて何が悪い!」って。
【ソウマ】即クビだよ。政宗はそれで許されたけど、俺は社会的に許されないわ。
【モトヤ】じゃあ政宗がなぜ許されたか考えてみよう。答えは簡単だよ。
【ソウマ】なんだよ。
【モトヤ】ずんだ餅の差し入れだろ。
【ソウマ】餅一つで許されるか!秀吉甘すぎるだろ。
【モトヤ】いや、むしろ餅が甘いんだよ。
【ソウマ】上手くないよ。てかそれが言いたかっただけだろ。
【モトヤ】おいおい、そんな怒るなよ。ほら、政宗も言ってるだろ、「怒り過ぎると冷静さを失う」って。
【ソウマ】お前のせいだよ。
【モトヤ】最後は政宗方式で仲直りだ。宴会しよう、宴会。
【ソウマ】だから寝れないんだよ!
【モトヤ】馬連れてくるわ。
【ソウマ】だから、馬はもういいって言ってんだろ!
【モトヤ】何だよ、お前。せっかく政宗が大事に育ててた愛馬、持ってこようと思ったのに。
【ソウマ】いや、政宗の馬、もうとっくに死んでるだろ。400年以上前だぞ。
【モトヤ】じゃあ、馬は諦めるからさ、政宗みたいにキリスト教でも学ぶか。
【ソウマ】眠れないからって宗教変える必要あるか?しかも政宗は別に入信はしてないからな。
【モトヤ】でもローマ行っただろ、あいつ。
【ソウマ】行ったのは支倉常長な。本人は仙台で留守番だよ。
【モトヤ】留守番って…そんな寂しいこと言うなよ。せっかく政宗も「俺もローマ行きたかったな~」って思ってたかもしれないのに。
【ソウマ】いや、知らねえよ政宗の本音なんか。推測で歴史語んなよ。
【モトヤ】じゃあ政宗の気持ちになって考えてみろよ。俺が政宗な。
【ソウマ】面倒くさい設定にするなよ…。
【モトヤ】なあ、ソウマよ、わしローマ行きたいんじゃ。
【ソウマ】知らんがな。政宗そんなキャラじゃないだろ。
【モトヤ】頼むよ、一緒にバチカンでピザ食おうぜ。
【ソウマ】ピザなんか無いよ、当時のローマには。てか政宗がそんな食いしん坊キャラかよ。
【モトヤ】だって政宗はグルメだろ?ずんだ餅の次はピザだよ、ピザ。
【ソウマ】ずんだ餅とピザが同じ感覚なわけないだろ。江戸時代にチーズないわ。
【モトヤ】じゃあ、政宗的には何を食えば満足するんだよ?
【ソウマ】政宗は鮭が好きだったらしいぞ。
【モトヤ】ローマに鮭ないだろ。どうすんだよ。バチカンで鮭定食頼むのか?
【ソウマ】頼まないよ。バチカンの法王が作ってくれないだろ、鮭定食なんて。
【モトヤ】じゃあもう、我慢してずんだピザにしようぜ。
【ソウマ】すごい嫌だよ。絶対まずいだろ、ずんだピザ。
【モトヤ】いや、政宗は新しいこと好きだろ?新しい料理も発明しちゃうタイプだよ。
【ソウマ】ずんだ餅広めたのとは話が違うんだよ。仙台名物が台無しだよ。
【モトヤ】お前さっきから細かいな。そうやって枠にとらわれてたら政宗になれないぞ。
【ソウマ】別になりたくないよ。俺は普通に寝たいだけなんだよ。
【モトヤ】分かったよ、じゃあ政宗もやってた茶道を学んで、精神を落ち着けて眠ろうぜ。
【ソウマ】まあ、それは悪くないかもな。茶道は確かに心が落ち着くからな。
【モトヤ】だろ?じゃあまず俺がお茶を点てるから、お前が飲む役な。
【ソウマ】いいよ、じゃあ頼むわ。
【モトヤ】では一服、毒味をお願いいたします。
【ソウマ】毒入ってんのかよ!政宗の毒味制度を再現すんな!
【モトヤ】だって毒入ってるかもしれないじゃん。俺政宗だから、命狙われてるし。
【ソウマ】お前誰にも狙われてねえよ。いいから普通のお茶点てろよ。
【モトヤ】あ、やべ。眼帯が落ちてきて茶碗が見えないわ。
【ソウマ】眼帯取れよ!ファッションで不便な思いするな!
【モトヤ】ファッションじゃねえよ!これは政宗のプライドだよ!
【ソウマ】お前のはただのコスプレだよ!早く外せ!
【モトヤ】もう、うるさいな。こんなやつには、ずんだ餅の粉末入れてやる。
【ソウマ】だから、茶道の常識崩すなって!政宗が泣いてるぞ!
【モトヤ】いや、政宗は笑ってるよ。新しい試みだからな。
【ソウマ】それ政宗じゃなくてお前の考えだろ。勝手に偉人の気持ちを代弁すんな。
【モトヤ】まあ、なんだかんだ言って、政宗も俺たちの漫才見てくれてるだろ。
【ソウマ】政宗がこんな漫才見たら、仙台に呼び出されて怒られるわ。
【モトヤ】安心しろよ。仙台行くなら馬連れてくるわ。
【ソウマ】だから馬はもういいって!
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