4. 土方歳三
歴史が好きな『モトヤ』と『ソウマ』の何気ない日常。
また『モトヤ』がズレたことを言っているので『ソウマ』が困っています。
こっそり...聞いてみましょう。
【モトヤ】最近さ、寝不足がひどいんだよね。
【ソウマ】へぇ、寝れないのか?
【モトヤ】うん、なんか夜中に急に「俺、このままでいいのかな?」って悩み始めちゃって。
【ソウマ】それ完全に思春期のやつだろ。お前、歳いくつだよ。
【モトヤ】大人になったからこそ悩むのよ。人生の方向性に。
【ソウマ】じゃあ具体的に何に悩んでんだよ?
【モトヤ】やっぱさ、「男として生きるなら、一本筋を通して生きたい」とか思うわけ。
【ソウマ】なるほどな。いい心がけじゃん。
【モトヤ】だから、俺も土方歳三みたいに生きていこうかなって思ってるんだよ。
【ソウマ】急にレベル上げすぎだろ。土方歳三とか幕末の英雄だぞ?
【モトヤ】でもほら、「喧嘩は勝たなきゃ意味がない」って土方も言ってたし。
【ソウマ】いやお前がやってるのは人生相談だろ。誰と喧嘩するつもりだよ。
【モトヤ】だからさ、こないだ母ちゃんと激しくやり合ったわけ。
【ソウマ】身近すぎるわ。その喧嘩に土方の名言いらねーだろ。
【モトヤ】でも結果、完全に負けちゃって。俺の心の五稜郭が陥落したわけよ。
【ソウマ】心の五稜郭ってなんだよ。母ちゃんが明治新政府か。
【モトヤ】そうよ、母ちゃん新政府軍。俺、完全に幕府軍。
【ソウマ】いや、だいたい何の喧嘩だったんだよ?
【モトヤ】洗濯物を洗濯カゴに入れるかどうか。
【ソウマ】それ幕末関係ねぇだろ!土方、洗濯物で戦ってねぇから。
【モトヤ】でも、そういう小さいことでも勝ちにこだわるのが土方歳三流よ。
【ソウマ】母ちゃんかわいそうだろ。こだわらずに入れろよ。
【モトヤ】でもさ、「願いが叶わずとも最後まで願い続けて死ぬべきだ」って言ってたし。
【ソウマ】そこまで深刻な問題じゃねぇだろ。それに願いは叶える努力が大事だよ。
【モトヤ】俺も土方みたいに規律に厳しくなろうと思ってさ、自分に『局中法度』作ったわけ。
【ソウマ】自分にルール作ったの?どんな内容よ?
【モトヤ】「朝起きたらまずトイレに行く」「夜寝る前に歯磨きする」っていう。
【ソウマ】それただの日常じゃねぇか。局中法度ってほど厳しくねぇだろ。
【モトヤ】いや、それが意外と守れないのよ。
【ソウマ】それ土方歳三に謝れよ。お前のルール緩すぎて「鬼の副長」も呆れてるよ。
【モトヤ】まあでも、土方は仲間に優しかったっていうし、きっと許してくれるよ。
【ソウマ】お前、土方の懐の広さに甘えすぎだろ。
【モトヤ】やっぱり、俺には『鬼の副長』とか無理かな。
【ソウマ】お前の場合は『ユルユルの副長』だよ。
【モトヤ】そんなユルくないよ!俺も緊張感をもって生きてるつもりだから!
【ソウマ】どこがだよ。お前が緊張感なんて言うの、寝る前にスマホの充電が20%切った時くらいだろ。
【モトヤ】いや、もっと緊張感あるわ!昨日なんかコンビニで財布開けたら残金が320円しかなくてさ、完全に鳥羽伏見の戦いだったよね。
【ソウマ】お前の鳥羽伏見、スケールちっちゃいな。何と戦ってんだよ。
【モトヤ】「ここでおにぎりを買うべきか…それとも明日の朝ごはんに回すべきか…」っていう幕末ばりの葛藤がね。
【ソウマ】幕末の志士たちは日本の将来で葛藤してるのに、お前は明日の朝食で葛藤してんのかよ。
【モトヤ】いや、朝食って結構人生の将来を左右すると思うんだよね。
【ソウマ】いや、どんだけ小さい将来だよ。幕末の偉人に失礼すぎるだろ。
【モトヤ】違うんだよ!朝食を決めるってことは、その日一日の気持ちを決めるってことなのよ。
【ソウマ】だとしても幕末級の葛藤には絶対なんねぇよ。何食ったらそんなに変わるんだよ。
【モトヤ】例えばさ、朝ごはんを納豆にするかパンケーキにするかで、その日一日のキャラが完全に変わるからね。
【ソウマ】そこまで極端な変化ないだろ!朝納豆食べたらどんな一日になるんだよ?
【モトヤ】納豆食べたら、一日ねばり強く過ごせるかなって。
【ソウマ】ベタなダジャレやめろよ!お前のねばり強さなんて、昼前には消えてるだろ。
【モトヤ】逆にパンを食べると西洋文化に染まって開国派になっちゃいそうでさ。
【ソウマ】お前の人生、パンか納豆でそこまで変わらねぇよ!
【モトヤ】でもそれくらい朝食って重要なんだよ!土方歳三だって毎日葛藤してただろ?
【ソウマ】土方の葛藤は戦争や生き死にの話だからな!お前の葛藤はコンビニのパン売り場で完結してんだよ。
【モトヤ】まぁでも、パンか納豆か決められないから結局お茶漬けにしたの。
【ソウマ】結局どっちも選ばねぇのかよ!土方だったら絶対そんな中途半端な選択しねぇよ。
【モトヤ】でもね、俺は土方の名言を胸に刻んでるのよ。「我、この地にて戦いを止めるつもりなし!」
【ソウマ】いや、お前コンビニで戦ってるだけだろ。名言を軽く使うな。
【モトヤ】いや、ほんとに真剣なんだって!毎日が池田屋事件だと思ってるんだから。
【ソウマ】お前、池田屋事件をどう捉えてるんだよ。
【モトヤ】池田屋事件っていうのは、つまり選択肢が一つしかない状況ってことだろ?
【ソウマ】全然違うわ!勝手に歴史を軽くまとめんな!
【モトヤ】でもさ、俺だって追い込まれてるよ。昨日も母ちゃんに言われたよ。「いい加減働きなさい!」って。
【ソウマ】そりゃ言われるだろ。葛藤する暇あるなら働けよ!
【モトヤ】そこで俺は土方の精神を貫いたわけ。「男子たるもの、願いが叶わずとも最後まで願い続けて死ぬべきだ」ってね。
【ソウマ】いや、お前が願い続けてんのは「働きたくない」っていうダメな願いだろ!土方はそんなこと言ってねぇよ!
【モトヤ】じゃあどうすりゃいいんだよ!俺には土方歳三ほどの覚悟が足りないってのか?
【ソウマ】足りないどころか、お前の覚悟、今のところゼロだよ。
【モトヤ】いやいや、覚悟はあるよ。今日だって朝、シャワーを浴びる時、冷水シャワーに挑んだんだよ?
【ソウマ】その程度で覚悟語るなよ。土方歳三と比べると小さすぎるわ!
【モトヤ】いやいや、完全に五稜郭の戦いぐらいの覚悟で浴びたんだから!
【ソウマ】シャワーごときで函館戦争級の覚悟なんて出るわけねぇだろ!
【モトヤ】でも浴びてみたらさ、予想以上に冷たくて「無念…」って敗北宣言したよね。
【ソウマ】お前の函館戦争、一瞬で敗北かよ!せめてもう少し粘れよ!
【モトヤ】だから明日からは熱めのお湯にするっていう戦略変更を考えてる。
【ソウマ】それ戦略じゃなくて完全な敗走だろ。土方が聞いたら泣くぞ。
【モトヤ】でもさ、人生ってのはそういう細かな判断の連続だろ?俺だって幕末の志士みたいに必死に判断してるんだから。
【ソウマ】お前の判断はだいたい間違ってるけどな。
【モトヤ】いや、幕末の志士も絶対間違えることあっただろうよ。坂本龍馬も多分、お茶かコーヒーか迷った日あるはずだよ!
【ソウマ】坂本龍馬、そんな些細なことで迷うか!そもそも幕末にコーヒー飲んでねぇよ。
【モトヤ】だから俺も、そういう幕末の英雄に憧れて、今日から小さい葛藤でも立派に戦って生きるよ!
【ソウマ】お前のは葛藤じゃなくてただの日常の迷いなんだよ。いい加減にしろよ!
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