3. 福沢諭吉
歴史が好きな『モトヤ』と『ソウマ』の何気ない日常。
また『モトヤ』がズレたことを言っているので『ソウマ』が困っています。
こっそり...聞いてみましょう。
【ソウマ】ねえモトヤ、この前お前、福沢諭吉にハマってるって言ってたけど、どういうこと?
【モトヤ】あぁ、福沢諭吉の生き方がすごく好きになっちゃってさ。俺も彼のように生きてみようかなって思って。
【ソウマ】福沢諭吉のように?お前が?全然イメージできないけど、具体的にどうするつもり?
【モトヤ】まずは俺も彼みたいに毎日勉強しようかなって。朝早起きして本を読む。
【ソウマ】おお、いい心がけじゃん。明日から早速やるのか?
【モトヤ】いや、それはまだ早いかな。まずは福沢先生がやったように、海外に出ていろんなこと学んでこようかなって思うんだよね。
【ソウマ】いきなり海外?お前パスポートも持ってないだろ。
【モトヤ】そこは柔軟に、海外っぽいところで代用しようかと。
【ソウマ】海外っぽいって、例えばどこ?
【モトヤ】コストコとか。
【ソウマ】規模ちっちゃ!スケールがショッピングモールじゃねえか!
【モトヤ】でもコストコ行ったら外国の文化いっぱいあるだろ?パンもピザもアメリカンだよ?
【ソウマ】確かにそうだけど、福沢先生が学んだ西洋の文明と、コストコのフードコート一緒にすんなよ。
【モトヤ】それにさ、「独立自尊」って言葉もあるじゃん。俺もこれからは誰にも頼らず生きようと思うんだ。
【ソウマ】いいこと言うじゃん。ついに親元を離れて一人暮らし始めるのか?
【モトヤ】いや、実家暮らしをやめて、すぐ隣のばあちゃん家に移住しようかなって。
【ソウマ】距離が近すぎるわ!それ、全然独立してないぞ。
【モトヤ】でも国境を越えるくらいの勇気いるんだよ?ばあちゃん、和室にいるのにアメリカ並みに陽気だし。
【ソウマ】知らんよそんなばあちゃんの性格。
【モトヤ】それにさ、福沢先生って新しいことに挑戦する人だったろ?だから俺も新しいこと始めようと思ってさ。
【ソウマ】いいね。何を始めるつもり?
【モトヤ】将棋。
【ソウマ】超古典的だが新しいこと始めるのはいいことだな。
【モトヤ】いや、俺にとっては最新のトレンドだから。しかも、将棋をしながら新しい名言を作ろうかなと思ってさ。
【ソウマ】福沢諭吉っぽく名言を言うのか?
【モトヤ】うん。「盤上に駒の上に駒を作らず、駒の下に駒を作らず…」
【ソウマ】駒が積まれてたら将棋盤じゃないだろ、ジェンガだよそれは。
【モトヤ】うわ、それ面白いな!将棋ジェンガ作っちゃおうかな!時代に遅れたらダメだって諭吉も言ってたしな!
【ソウマ】そんな変化求めてないんだよ。しかも将棋界も驚くだろうよ、急にジェンガ化したら。
【モトヤ】あとさ、諭吉はお金の使い方を大事にしたって言うから、俺もそれ真似しようと思って。
【ソウマ】へえ、いい心がけだな。節約でもすんのか?
【モトヤ】いや、俺はお金を大胆に使う方向でいくよ。
【ソウマ】お前それ絶対間違えてるぞ。
【モトヤ】金は天下の回りものだから、回転率を上げようと思って。
【ソウマ】それはただの浪費家の理屈だろ。福沢先生は経済的に独立しろって言ってんだよ。
【モトヤ】じゃあ、お金は使わず貯金箱に封印して自立を目指す!
【ソウマ】それも違う!お金は道具としてうまく使えってことだよ。極端すぎるんだよお前は。
【モトヤ】でもほら、俺なりの諭吉流だから。
【ソウマ】そんな雑な流派つくんな。
【モトヤ】ところで諭吉ってさ、ユーモアがあったんだよな?俺も似てる気がする。
【ソウマ】お前のはユーモアじゃなくてただの天然だからな。
【モトヤ】いや、俺も弟子と囲碁を打ちながらジョーク言うイメージだし。
【ソウマ】まず弟子なんて一人もいないだろ。誰を相手にするんだよ。
【モトヤ】近所のおじさん。
【ソウマ】それただのご近所付き合いだよ。師弟関係じゃないから。
【モトヤ】じゃあ俺、どうすれば諭吉に近づけるのかな?
【ソウマ】まずは真剣に本読んで勉強して、西洋の文明を学ぶことだろ。
【モトヤ】なるほど。じゃあ最初の一歩として、明日から本格的に取り組むわ。
【ソウマ】そうしろよ。で、何読むんだ?
【モトヤ】『はじめての海外旅行ガイド』。
【ソウマ】諭吉に憧れてんのに初心者向けガイドからスタートすんのかよ!
【モトヤ】だってさ、何事も基礎から始めなきゃいけないって諭吉も言ってただろ?俺も諭吉みたいに、まずはオランダ語から始めようかと思ったけど、オランダ語の本ってどこにも売ってなくてさ。
【ソウマ】いや売ってるわ!お前が探し方知らないだけだろ。
【モトヤ】そもそも俺、オランダのこと全然知らないんだよな。チューリップしか知らないんだ。
【ソウマ】オランダの知識が偏りすぎだよ。他にもあるだろ。
【モトヤ】あ、あと風車。
【ソウマ】それ旅行ガイドの風景で見ただろ。
【モトヤ】やっぱり諭吉みたいに外国語は難しいから、まずは身近なことから学ぼうと思ってさ。諭吉が大事にしてた「自分で考える力」っていうのを真似しようと思ったんだよね。
【ソウマ】それはいい心がけだな。で、何から考えるの?
【モトヤ】まずは「晩ご飯のおかずを自分で決める」ところから始めようと思ってる。
【ソウマ】レベルが低すぎるだろ!もっと社会とか世界について考えろよ!
【モトヤ】いやいや、お前は軽く見てるけど晩ご飯って意外と責任重大だから。自分で決めると人生変わるからな?
【ソウマ】大げさだな、ただの食事だろ。
【モトヤ】いいか、晩ご飯一つで人生の幸福度は変わるんだぞ。たとえば、俺が唐揚げを選ぶとするだろ?
【ソウマ】うん。
【モトヤ】すると、昼に揚げ物食べた母さんとバッティングして大喧嘩になるんだ。
【ソウマ】知らんわそんな家庭事情!そんな緊張感持って晩飯決める奴いないだろ。
【モトヤ】でも諭吉も言ってただろ、「人生は小さな選択の連続」だって。
【ソウマ】いや、それ多分諭吉言ってないと思うぞ。勝手に名言増やすなよ。
【モトヤ】それくらい諭吉なら言いそうじゃん?
【ソウマ】言ってないものを勝手に増やすのやめろよ。
【モトヤ】とにかく、諭吉みたいに柔軟で合理的に生きていくために、今夜の夕飯から慎重に考えようと思う。
【ソウマ】もうお前、それ諭吉関係なくただ腹が減ってるだけじゃないか?
【モトヤ】あとさ、諭吉が囲碁をやってたから、俺も囲碁やろうかな。
【ソウマ】さっき将棋って言ってなかった?どっちにするんだよ。
【モトヤ】でも囲碁って難しそうだから、「オセロ」で代用しようかなって。
【ソウマ】また微妙に方向がズレてきたな。
【モトヤ】で、その次は囲碁、将棋、オセロのいいところを融合した新しいゲームを作る!
【ソウマ】欲張りすぎて絶対失敗するやつだぞそれ。
【モトヤ】名付けて『盤上の文明開化』。
【ソウマ】諭吉の本をゲーム名にするな。だいたい融合させて何が生まれるんだよ。
【モトヤ】駒を積み上げて崩したら負けっていう。
【ソウマ】それさっきのジェンガじゃねえか!
【モトヤ】結局、人間は積み上げて壊しての繰り返しなんだよな…。
【ソウマ】急に哲学的にまとめるなよ!
【モトヤ】そう考えると、やっぱり俺って諭吉っぽいよな?
【ソウマ】いや全然違うわ、勝手に諭吉をお前と一緒にするな!もういい加減にしろ。
ありがとうございましたー!!!!
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では、また明日!




