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砂時計<2>

後から気づいたんだけど、大好きなお兄さんから貰ったのは嬉しいとして今時『砂時計』なんて早々使わない。


しょうがないから、中学校の入学式が終って何日か経っても使わないまま、自室の机に置いたまま。

 

「ねぇお姉ちゃん、中学校どんなの?」

 

妹は今年から小4になる。

色々と噂も入ってくるから、心配なんだろうか?

それともただ単に興味?


まぁいっか


「疲れるけど・・・慣れてきたら普通じゃない?」


実際慣れないところでの生活はすごく疲れたけど、早々から五月病になってもいられない。

 

「そういえば、4年生って1番いい感じの時だと思うから、存分に楽しんどいたらいいよ」


本当にそう思う。

高学年みたいなプレッシャーも特に無いし、それほどたくさんの先輩がいるわけでもない4年生って、今思えばすごく楽だった気がする。

 

そう言うと妹は、そうなんだ、と何も無かったかのように見ていたテレビに向き直っていた。

 

それにしても暇・・・。

そういえば最近爪もガタガタだし、髪もパサパサだし、ストレスでもたまってるのかな。

 

リビングには家族が揃っていたけど、別に家族が好きなわけじゃないし、普段話すわけでもない。

どうせ家にいるなら1人が1番だから、自室に戻って本でも読むことにした。


そしてふと机の上の読みかけの本を取る―と同時に。

貰ったまま使ってない、砂時計が目に入った。


最近机の上は、貰ったばかりのプリントと教科書でゴチャゴチャしてたからあんまり目に付かなかったけど・・・。


あれから1週間と数日が過ぎるけど、その砂時計に変化は何1つ無い。

正直貰ったばかりの時の様子を全て覚えてるわけじゃないけれど、大きな変化は見当たらないと思った。

そうだ、あの時計は多分3分だから、3分でどれだけ読めるか試してみよー♪

そんなことを思いつく。


久しぶりに触るその砂時計は、少し埃っぽかった気がする。

ひっくり返したら、中の砂がサラサラと落ちだした。

急いで本を読み始める。


この時はまだ何も思ってなかった。

全部落ちたら、砂時計の色でも変わるのかな、くらいしか、思ってなかったから―・・・

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