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砂時計

第3話。


やっと話が展開しそうでホッとしてますw

春休みももうすぐ終わりになったある日。

 

お兄さんとも、あれから全然会ってない・・・。

っていうか、また会ったら今度こそストーカー行為をしてしまいそうで恐い。



「ねぇお姉ちゃーん・・・ポスター描けないよぉ」


後ろには私の妹『あい』。

藍とか絶対、妹キャラの名前じゃないと思う。


その妹は、今後ろで学校からの課題のポスターを描いてる。

私も去年まで描かされたっけ。

でも今年は嬉しいことに、宿題は0(ナシ)!!!


・・・何かしようと思って買ってしまったドリルには目を瞑ろう・・・。


「ポスターって・・・何の?」

「交通安全のやつ」

「えー!?交通安全なんてねぇ、横断歩道とか自転車とか信号描いとけばいいのッ!!」

 

かなり無茶苦茶な説明だが、まぁいいだろう。

妹はまぁまぁ絵は上手い方だし。

 


ちなみに、今は家に妹と私しか居ない。

親は仕事だし、いたって面白くなんかない。

というわけで、外に行ってきます!!


いや、そんなまさか・・・まさかあのお兄さん目当てなんかじゃないからね!!

そんなの林さんが迷惑がるからね!

・・・いやいや、図星なんかじゃないからね。

 

 

ガチャン。

  

妹を留守番にして、外に出る。

右へ行くとあの治安の悪い道。それを抜ければ後は学校に行く通学路。それ以上は遠くていけない。

左に行けば騒がしい住宅地。それを抜けると大型店「APIA」っていうのがある。


どっちに行こうかなー・・・

いっか、住宅地へレッツラゴー!!

・・・っていうか、店で何か買おう。

 

中学準備で買ってもらったばかりの自転車にまたがると、まだ慣れないペタルを踏む。

ギアは「2」なのに、まだ重い・・・。でも「1」だと進まない。

早く慣れなければー・・・。

 

にしても、この住宅地を抜けるときは少し恥ずかしい。

通り道として利用してるのだが、なんか1人で自転車に乗っているのところを見られるのって

ちょっと嫌じゃない?(私だけか。そうか)



APIAに着くと、いつものような人ごみ。

お金もそんなに持ってきてないし、ブラブラして文房具みたいなの買って帰ろ・・・

 

そう思ったとき、人混みの中で知っている人を1人発見した。

 

「(うわ!!私ついてるーッッ!!林さんじゃないかッ!!!)」

 

ほんとにそう叫びそうになったので、顔が少し赤くなる。

会うの何日ぶりだろう。

多分、1週間以上会ってない・・・。ラッキー☆

 

「あ、林さ・・・」

 

途中人に押されながらも、その人に話しかける。

今日イベントでもあるのかな・・・ここだけすごい人だかりだ。

 

「ん、あぁ舞ちゃん。久しぶり~」

 

わぉ!!気づいてくれた!覚えててくれた!!最高じゃないか!


「お久しぶりですっ!!」


何話そう何話そう・・・話さないと終わってしまううううう


「すっすごい人だかりですね・・・。何かあるんですか?」


どーでもいい!すさまじく!でもまぁ切り出せたので結果オーライ!!


「何か、マジックショーみたいなのがあるらしいよ?」

「そうなんですか。林さんはもう見ましたか??」

「うん。ちょっと見てきた。」

「どんなのでした?」

 

ぁぁぁああぁあ話が変な方向に・・・。


「うーん・・・まぁ、話すより見たほう早いよ。行ってこれば?僕も買うものあるから」

「あっ、はい。そうですよねー・・・」


そう言うと林さんは離れていってしまった。

やっぱ迷惑だったよねー・・・悪印象・・・。


とりあえずマジックだ!マジック見よう!


イベント会場には、テレビで見たことがあるような人がマジックをしていた。

ハンカチからハトを出してみたり、ボウシからいろんなものを出したり。

人を出したり、ものが消えたり。

お決まりだったけど、生で見るとやっぱりすごかった。

さて、戻ろう・・・。

マジックショー見たし、今日は何も買わないでおこうかな・・・。



人だかりを出ると、そこには林さんが居た。


「どうだった?」


うぁぁぁあ待っててくれたの!?

嬉しすぎる・・・。

ラッキーどころじゃねぇ・・・!

これまでのツケが回ってきたのか・・・っ!


「あ、すごかったですっ!」


あぁ、ありきたり。


「だよね。プロはやっぱすごいよね」

「生で見るの初めてだったんでホント楽しかったです」

「じゃあ、本物(ホンモノ)を見てみるかい?」

「・・・?」


どういう意味?

タネも仕掛けもないってヤツですか?

っていうか林さん、キャラ変わったような。気のせいだよね。


「これなんだけどね」

「これ・・・?砂時計?」

「うん」


林さんの手の上には、中に薄ピンクの砂が入った小さな砂時計。

ガラスには、細い白い糸が巻き付いている。

なんか不思議な砂時計だな・・・


「これが何かなるんですか?」

「うん。すごいよ・・・、タネも仕掛けもないMagicだよ」


なんかすごそう・・・

どんなんだろ


「はい。あげる」

「あ、どうもっっ」

「じゃあね」


林さんは、砂時計を手渡すと店を出て行った。

使い方も何も聞いてないんだけど・・・

まぁいいや。


私はその砂時計をバックに入れて、店から出て行った。

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