春休み
『時間の糸。』第2話です。
第1話はコチラ↓
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「ふぁぁぁあ・・・・・///」
大きなあくびをして、ベットから抜け出す。
ちょっと・・・まだ昨日のことがまだ夢のように思える今日。
今日からはもう春休み。
宿題も何もない休み期間、どうやって過ごそう・・・。
「おはよー」
リビングに出ると、シーン・・・とした空気。
そっか、もうお父さんとお母さん、行っちゃったんだ。
妹もまだ終了式まであるし・・・・。
暇だな。
早々と着替えをすますと、誰かと遊ぼうと電話をかけた。
「ねぇ、美歌ちゃん、今日遊べる?」
「え・・・嬉しいけど、今日おばあちゃんのところにいるんだ。ごめんね」
1人目はボツ。
「あ、舞だけど、今日遊ぼうよ」
「ごめんね、もう先約がいるんだ~」
2人目もアウト。
「あのさぁ、今日暇なんだけど、午後からでも遊ばない??」
「あ、今日あんまり遊びたくないんだ・・・。休みだし」
3人目も無理らしい。
それから何人に電話をかけても答えはNO。
昨日の代償かッッ!?
まぁいいや、ととりあえず家を出てみる。
勿論かぎをかけて。
曲がり角を曲がれば、やっぱり昨日のような怪しい人たち。
勿論人通りも少ない。
学校へ行くのもままならないな・・・。
学校へ行けば、きっと在校生がいるだろう。
そんなところへ行くのもなんだし・・・。
「ねぇ」
ビクッ、と一瞬体が緊張する。
「あ・・・。え、は、林さん・・・」
声の主はお兄さんだった。
うぁ!!!ラッキーすぎる!
見逃したけど、今日の運勢は上位だったに違いない。
「どうしたの?」
お兄さんは犬の散歩らしい。
そういえば、犬って朝と夕方の2回くらい散歩しないといけないんだっけ。
「あ、いや、春休みだけど暇だったんで・・・。」
「そっか。そうだよね。僕も小さいころ暇だったもん。よかったら着いてくる?」
「いいんですか?」
迷惑かもしれない。
っていうかお兄さんは何歳なんだろう?
小さい頃って・・・まだ中高生くらいな気もするけど。
「いいよ。僕も1人だと暇だから」
やったぁああ!!
これは1位だ!!絶対に1位!!
占いありがとう!
「そういえば、この犬なんて名前なんですか?」
お兄さんの連れている犬は、ダックスフンドのようだ。
濃いブラウンで、毛はサラサラしている。
「ココアだっけ。妹がつけてた」
「へぇ、可愛い名前ですねっ!!」
まぁテキトーと言えばテキトーなんだけど。
「舞ちゃんは、何かペット飼ってる?」
うわぁぁあぁあ!!舞ちゃんって呼ばれた!
呼ばれたよね、舞ちゃんって・・・。
これは血液型もあいうえお順も誕生日も星座も、全部1位だっっ!
って、それにしてはちょっと低すぎるかも。
「いや・・・私は家に1匹インコがいるくらいで。名前は白」
白とか、テキトーすぎる。
「そうなんだ」
「飼ったときはすごい白くて綺麗だったんですけど・・・今は成長と汚れでちょっと青っぽいです。」
こんなどうでもいいこと話してどうするんだ!私!
お兄さんも受け答え困るだろ!!
「アハハ。白とか青いいじゃない。僕の友達にもインコ飼ってる奴いるけど、そいつの名前「クリーム」なのに赤だよ」
Σ赤!?赤ですか!?
「赤・・・すごいですね」
「なんで?」
「私がインコ飼う時行ったペットショップで、赤のインコいなかったから」
「そうなんだ。珍しいんだね、あれ」
赤かぁ・・・。
まぁそんなことはどうでもいいけど。
そういえば私の飼ってるインコって喋るのかな。
「あ、じゃあね」
「・・・。あ、はいっっ!ありがとうございました!」
気づくと、もう家の近くまでに戻ってきていた。
あんなどーでもいい話で終わってしまった!!最悪だっっ!!
今更悔やんでもしょうがないことを悔やむ。
「何でお礼?またね」
お兄さんはそう言って、自分の家の方向に行ってしまった。
そういえばお兄さんの家ってどこ・・・
ハッッ!!!
ダメだぞ舞!
そんな・・・そんなお兄さんの後を着いていくとか!!!
そんな人間としてダメだろ!
そうだ!ヤメロ舞!
そんなことしたら色々と何か失うだろォォオオ!
ぎゅっと目を瞑ることで、どうやらストーカー行為をしてしまうことはまぬがれたらしい。
よかった・・・。
またね、って言ってくれた。
また浮かれた気分で、家に戻っていった。
2話まで読んでくださった方ありがとうございます
今回はいきなりストーリーを進めていくのも可笑しいので
少し舞と悠斗を絡ませてみました。
今度こそちょっとずつストーリーを展開させていこうと思います。
次も読んでくださると嬉しいです