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第7話 湖でうふふ

 畑は順調だ。

 苗を植えればすぐに実が出来る状態になるんだから。

 その後は肥料を切らさないようにして収穫するだけだ。


「レインシャワーなの」

「ご苦労さん」


 魔法で作物に水を掛けるエーヴリンをねぎらう。

 ポワンときゅうりの一本が光り精霊が生まれた。

 不思議パワーを注がなくても結構な頻度で精霊って産まれるんだな。


「うり?」

「あなたは畑の水やりを手伝ってなの」

「うりー」


 緑のワンピースを着た幼稚園児が作物に手をかざして、水を掛けている光景はなんとなくなごむ。


「あらあらなの」


 精霊がきゅうりの蔦に足をとられて、ころころと転がった

 エーヴリンが精霊を起こして、土を払ってやる。


「まるでお母さんだな」

「ある意味、私の子供なのは間違いないの」

「でも、考え見ると野菜って不憫(ふびん)だな」

「何がですの」

「食べられてしまう為に実をつける」

「雑草でもそうだけど、植物の大半が動物に食べられちゃいますの。世界を支えているのですの。えっへんなの」

「その細い肩に世界が乗っているのか。改めてご苦労様」

「そんな、照れるの」


 俺はエーヴリン唇を唇で塞いだ。


「やだ、精霊が見ているの」

「見せてやればいい。精霊はこういう事に興味がないだろう」

「ええなの」


 外で致してしまった。

 絶倫スキルを貰ってから歯止めが利かなくなっているようだ。


  ◆◆◆


 ふぃー賢者タイム。

 水の匂いに誘われたのかダンプカーほどの大亀がのっそり歩いてくるのが見える。


「気をつけて! 魔獣なの」


 亀魔獣は緑の絨毯の境目で躊躇していた。


「ほらよ」


 俺は何の気なしにきゅうりを一本収穫すると亀魔獣に投げてやった。

 食いたそうな目をしてたからな。

 亀魔獣はきゅうりの前で大きく口を開けると一口で食べてしまった。


 亀魔獣が突如光に覆われる。


「これ、なに!?」

「魔獣が浄化されたみたいなの。さすがあなたが作った野菜なの」

「いや、エーヴリンが凄いのだろう」

「畑の野菜はどれも愛情が詰まっているの。私には分かるの。きっと、そのせいなの」


 大亀は緑の絨毯に踏み込むと雑草を食べ始めた。


「雑草はいくら食っても良いが。野菜は食べるなよ」


 大亀は首を振った。

 (うなず)いたのかな。

 野菜に手を出したら追放するだけだ。


 大亀が草を()む傍らでエーヴリンと野菜の世話をする。

 どこから飛んできたのか葉っぱには虫がついている。

 聖域で農薬を使うのはためらわれたので指で丁寧に取り除く。

 雑草を抜き始めると大亀がそれを平らげた。


 大亀の目が何か訴えてる。


「乗れって言っているの」


 エーヴリンがそう言ったので二人して大亀の背に乗る。

 大亀はゆっくり歩み始め一時間程で窪地についた。

 悲しそうな大亀の目。


「ウォーターなの」


 エーヴリンの魔法で窪地に水が溜まる。

 窪地は湖となった。

 大亀の目が嬉しそうだ。


「うり」


 精霊が一人姿を現した。

 これは旅立った精霊だな。


 精霊が水に潜って遊ぶ。


 そうだ風呂に入っていない。

 俺はツナギを脱ぎ下着姿で水に飛び込んだ。

 石鹸をもってくればよかった。


 エーヴリンが岸辺でもじもじしている。


「一緒に入ろう」


 エーヴリンが光り、ドレスが消え全裸になった。

 そして、おずおずと湖に入ってくる。


 俺達は水を掛け合い、しばらくいちゃついた。


「湖の管理をお願いなの」

「うりー!」


 びしょぬれの下着を見てどうしようか考えた。

 でも後悔はしていない。

 乾くまで致してしまうか。


「乾かしてあげるの」

「頼む」

「ドライなの」


 魔法って便利だな。

 俺も覚えたい。


「そういえば、エーヴリンは魔法をどうやって覚えたんだ」

「産まれた時から使えるの」

「そうか、精霊特典だな。服を着る前にどうだろう」


 やっぱり致してしまう俺達。

 絶倫スキルの奴は活躍しすぎだろう。


  ◆◆◆


 大亀に聖域まで送られて畑の現状を考える。

 きゅうり、ナス、ゴーヤ、鷹の爪、ジャガイモが一本ずつだ。

 ジャガイモはともかく他の野菜は毎日実が生る。

 一人で消費する分には充分だな。

 ピピデの分はまだ植えない。

 無駄になるからだ。

 野菜を無駄にする奴はろくなものじゃない。

 世界を支えてもらっているのだから、形が悪いものまで余すところなく頂く。

 今は土を掘り起こし肥料をまいて畑の準備をするに限る。


「あー、二人でどこかに行ったやろ。どこに行ったんや?」

「湖にデートだ」

「うちもつれてって欲しいな」

「ああ、近いうちにな」


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