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第15話 お茶会

 お茶会かぁ。

 緑茶は買えるのだけど、値段がな。

 その前に必要な物を買っておくか。

 テーブルがいるな。

 花台だけどこれで良いだろう。

 四角いしテーブルに見える。

 13,750円なり。


 お茶は紅茶がないから、コーヒーで我慢してもらおう。

 ドリップコーヒー15個が999円なり。

 カップがないから、さば缶だな。

 くんくん、魚臭い。

 消臭剤カモン。


「ミリアルマ、消臭の魔法掛けてくれ」

「はい、今行きます!」


 あとは足りなくなった肥料をありったけ買って、


 肥料8袋で48,800円なり。

 これで残金944円。

 もう高い物は買えない。


 ミリアルマが寄って来た。


「これに、消臭の魔法を掛ければよろしいのですか。では、行きますわよ。デオドラント」

「くんくん。臭わなくなった。さすがだな」

「香りに関する事ならおまかせですわ」


 椅子はないけど花台は低いから、座っているとちょうど良い。


「ジョセアラ、来てくれ」

「なんです?」

「お茶会の準備が整った。まあ整ったというのは大げさだな。有り物でなんとかした」

「ぐす、嬉しいなんて思っていないんだから」

「なんだ泣いているのか?」

「泣いてなんかいないんだからね」

「はい、はい。みんな来てくれ」


 皆が来てテーブルを囲むように座る。

 テーブルの上にはさば缶とドリップコーヒー。

 お茶請けは切ったリンゴをハチミツで煮たもの。


「さあ、コーヒーをどうぞ」


 魔法でお湯が作り出され、コーヒーが淹れられる。

 懐かしい匂いだ。

 たった二週間の出来事が二年にも感じる。

 俺は涙を堪えコーヒーをすすった。


「飲んだ事のないお茶ですの」

「そうやな。でも、なかなかいけるんちゃう」

「貧乏くさいお茶会ね。でもお茶の匂いは悪く無い。むっ、この味は一級品。負けたなんて思ってないんだからね」

「美味しい。探究心、活性化」

「美味しいですね。未知の味です」

「うむ、体が動きたくなるような」

「そうです。とても仕事がしたくなる感じですわ」


 みんな満足そうにコーヒーを飲んでいる。


「この世界はお茶はどうなっているんだ?」

「ハーブを乾燥させて煮出すのが一般的ですの」


 それなら、あとでお茶の樹を植えるのもいいだろう。

 お金もほとんど無くなった事だし、しばらく楽しみは致す事だけだ。

 よし、今日は恥夜快(ちゃかい)だな。


  ◆◆◆


 それから、俺は給料日までの16日間、畑を耕して過ごした。


 鳥達に毎日玉子を産んでもらい。

 それと野菜でとてもヘルシーな食事生活をしていると思う。


 今日は待ちに待った給料日。

 俺はしょぼい教会の前で祈った。

 目前にはゴーヤの種を掘った女神像。

 さあ、俺を満足させる為にお金よ来い。


「ばっかもーん!!」


 女神の声が聞こえた。


「女神様。いきなりなんです」

「そなた。なぜ妖精を増やしていない」

「そんな事いってもこればかりは」

「まあいいだろ。教会を作ってからは、小精霊は毎日生み出していたようだったからな」

「そうでしょ。ところでお金は」

「入れておいた」


「何かやる気がでるような、褒美ってないですかね」

「めんどうなやつだな。妖精が一人生まれたら、お祝い金として10万円だそう」

「もう一声! 魔法が使いたいな」

「レベルアップを授けてやる」


 レベルアップっていうと敵を倒すと段々と強くなるあれか。

 良い物をもらった。


「ありがとうございます」

「ではな。励むがいい」


 さっそく確認。


「ステータス・オープン」

――――――――――――――――

名前:シゲル・リョクテ

魔力:0/0


スキル:

 サケタの種

 国家園

 名前ジェネレータ

 言語理解

 絶倫

 賢者タイム

 レベルアップ

残金:

 300,944円

 次の給与まで30日

――――――――――――――――


 バンバンと敵を倒したいところだけど、あの象ぐらいの虎は無理だ。

 エレファントタイガーだったっけ。

 あんなのしかいないのかな。

 ここに来た魔獣で一番弱そうなのは鳥だな。

 それでも倒せる気がしない。


 俺のレベルアップは弱い敵が出て来るまでお預けだな。

 ピピデの民が来たら、この辺りの魔獣について聞いてみよう。

 うさぎぐらいの魔獣もいるはずだ。

 そう思いたい。


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