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第13話 それは秘蜜です

「いてっ」

「大丈夫ですの?」

「ナスのトゲを刺しちまった。うわ深く入ったな。針でもないと掘り出せそうにない」

「ジョセアラに頼んで、トゲをもらったらいいの」

「刺さったトゲが二つになりそうだから、駄目だな。仕方ない包丁の先で掘り出すか」


 俺は包丁の先でトゲを掘り出した。


「やべっ! 深く入った」


 トゲは無事とれたが血がどばっと。


「任して下さいの。ヒールですの」


 回復魔法が発動し俺の指先の傷は塞がった。


「凄いな、回復魔法を使えたのか?」

「思い出しましたの。前世でよくこの魔法を使ってたの」


「なんや、なんや。前世の話か。うちはファルティナ教の敬虔な信徒だったさかい。聖職者やったかもしれへん」

「ステイニーも回復魔法が使えますの」

「やってみる。ヒール。できた、うちにもできたで」

「仲間ができて嬉しいですの」

「うちはなんやキャラが被っとるのが気に食わん」


「そんな事いうなよ。回復役は何人いても良い。ところでどの程度の回復魔法が使えるんだ」

「私はパーフェクトヒールまで使えるような気がしますの」

「うちはハイヒールまでやな」

「ヒールの階級がよく分からない。説明してくれる?」


「プチヒール、ヒール、ハイヒール、エクストラヒール、パーフェクトヒールですの」

「エーヴリンは最高の回復魔法が使えるのか。これで怪我の心配はないな」

「キャアも使えますの。病気もへっちゃらですの」

「うちはキュアは無理やな。」


「さっきから、聞いていたけど。あなたは特技がある方が良いなんて思ってないわよね」

「ジョセアラにはジョセアラのいい所があるさ」

「そうなの、適材適所なの」

「そうやな。うちの魔法では害虫は殺せへんさかい」

「みんなありがとう。ポイズンミスト」

「うぇ気持ち悪い」


「大変なの、シゲルが魔法の範囲に入っていたの。キュアなの」

「死ぬかと思った」

「大げさね。虫を殺す毒性では人は死なないんだから」


「ところでジョセアラの前世はなんだ」

「わりと裕福な暮らしをしていたみたい」

「貴族だったですの」

「そのわりには味にやかましないな」

「貧乏貴族だったのかもな」


「人を貧乏人扱いしないで」

「悪い、気に触ったか。お詫びにハチミツを進呈しよう。きゅうりにつけるとメロンみたいだぞ」


 ハチミツの値段は一キロで799円。

 甘味としては割安だ。


「物なんかに懐柔されないんだからね」

「それにしては嬉しそうやな」

「そうですの」


 ジョセアラは甘味好きなんだな。

 目尻が下がりまくっている。


「もう、みんなして」

「ははは」

「ふふっ」

「はははっ」


「もう、知らない」

「怒るなよ。何か希望があればやってやるよ」

「お茶会がしたいわ」

「みんなの気分転換になりそうなんで、後で準備しておく」

「約束よ」


  ◆◆◆


 聖域をエーヴリンと二人、手を繋いで散歩する。

 大亀が雑草をむしゃむしゃと食べている。

 大亀は俺達に気づくと、頭を上下に振った。

 挨拶のつもりなんだろう。

 俺は片手を上げてそれに答えた。


 鹿は俺達が近づいても食べるのを止めない。

 小鹿には癒される。

 触りたいが、警戒心が強い。

 お近づきになりたいな。


 そうだ、鹿せんべいって原材料はなんだろう。

 小麦あたりだと作れそうだ。

 あとで余裕ができたら作ってみよう。




 現在、畑にはきゅうりとゴーヤと鷹の爪となすとトマトが一本ずつ植えてある。

 ジャガイモは三株。

 それと、みかんの樹が植えてある。

 だいぶ充実してきたな。


 人数もだいぶ増えた。

 大精霊が七人プラス俺の八人が聖域の住人だ。


 聖域も2キロぐらいに広がっている。


「戦争なんてなくなればいいのにな」

「そうですの。争い事は憎しみと悲しみしか生みませんの」

「このまま聖域が拡大を続ければ争いは少なくなるんだろうか」

「きっとそうなるですの」


 大精霊を増やし続ければ平和になるのであれば今後も増やすべきだ。

 待てよ、妖精の役割を聞いていない。


「妖精はどんな役割があるんだ」

「聖域の管理人ですの。精霊には劣りますけど、浄化も行えますの」

「じゃあ、頑張らないと。【賢者モード】オフ。そして、はちみつをゲット」


 この後、たくさん致してしまいました。

 はちみつを何に使ったのかは秘蜜です。


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